レアメタル・ビジネスを手掛けるアドバンスト マテリアル ジャパン社の中村繁夫社長のインタビュー記事が「現代ビジネス」と「WEDGE Infinity」に掲載あり、レアメタルの安定的確保は、「強い経済」を下支える国家戦略の一つと思いますね。
メディアは、国家戦略室の機能削減を、予算編成の観点で、政治主導から財務省主導への回帰と論じていますが、当方は、予算編成の前に、目指す将来の国家像があり、「国家の計」があり、それに付帯する予算編成を論じるべきであると思いますね。
国家戦略室の法的権限を問うより、「国家の計」(国家戦略)を策定することが肝要と思いますね。
中村繁夫社長に関しては、「現代ビジネス」での『中村繁夫[アドバンスト マテリアル ジャパン社長]54歳でリストラの危機から、レアメタルで年商340億円へ』では、中堅商社「蝶理」のレアメタル部門の部長を務めていた中村繁夫氏が、リストラ勧告に、MBO(マネージメント・バイアウト)という手法を使って会社から事業部門を買い取り、部下と一緒の独立し、アドバンスト マテリアル ジャパン社を立ち上げ、中村繁夫社長のユニークな経歴・経営手法を紹介しています。
一方、「WEDGE Infinity」での『レアメタル確保に向け、いま何をすべきか?』では、専門商社の立場から、レアメタル・ビジネスの現状、日本企業の取り組み経緯、政府への提起など業界動向を語っています。
レアメタルに関しては、資源国家主義が台頭し、資源確保が困難な状況下になっており、産業界への影響が深刻になっていることは、メディアでも報道されており、政府も注視していることは、衆知の事実です。
「現代ビジネス」の記事では、中村社長は大学を卒業した22歳のときに海外放浪の旅に出た。約2年間、ほぼ無一文でヒッチハイクを続け、35ヵ国を放浪した体験から、岐路に立ったら困難な道を選ぶ処世訓を会得したと紹介しています。
アドバンスト マテリアル ジャパン社の標語は、2008年までは、「右手にソロバン、左手にロマン、背中にガマン」だったが、2009年から「ひっそり、こっそり、しっかり」に変ったとし、
”「「こっそり」には、
「人にわからない商売がまだある。中国だけじゃなくて、誰も買い付けに行ってないところがまだまだある。だからペラペラしゃべらんでもええぞ、という意味もある」
また、「ひっそり」には、「多少苦しくても歯をくいしばってがんばれ」という意味が込められている。
この標語は過去の成功体験にしがみつくことなく、「注意深くピンチを回避し、虎視眈々と獲物を狙い、そしてしっかり確実に仕事をものにせよ!」と、ボスが小声で発した指令だろう。」”
と紹介しています。
この「ひっそり、こっそり、しっかり」は、「WEDGE Infinity」の記事にも、登場しますが、自社の標語ではなく、後手後手になった日本企業の中にも目ざとい企業の比喩に使っていますね。
”「資源の安定確保を目指している良い会社はたくさんありますが、それらの会社の共通点は、多くを語らないことです。たとえば、経産省が主催するレアメタルフォーラムなどには参加していませんし、そういった表立った動きは見せずに、「ひっそり、こっそり、しっかり」手を打っているのが特徴です。本来、資源確保とはそういったやり方をすべきなんです。」”
と、目ざとい企業は、国の政策を横目に見ながら、「ひっそり、こっそり、しっかり」と資源確保していることを語っています。
この「ひっそり、こっそり、しっかり」が、新興・専門商社の経営ノウハウでしょうね。
レアメタルの資源確保については、国家戦略の一つと思うが、当方は、中村繁夫社長の対談記事を読み、国家戦略の究極は、「人材育成」になると再認識しましたね。
当方は、原丈人氏、、孫正義氏を、日本再生の影響力を与える人間と書いてきましたが、原丈人氏、孫正義氏も、中村繁夫社長も海外での遊学の体験をしており、固定観念がなく、挑戦的であり、革新的であることが特徴ですね。
現在、若人が、海外留学志向が減退したと報道がありましたが、日本再生の決め手は、グローバル志向の「人材育成」につきるのではないかと思うこの頃ですね。
メディアが国家戦略室の機能縮小を、政治主導の減退で、官僚主導の復活とか、予算編成で省庁間を調整機能が不透明などの論評は、過去の固定観念での論評で、興味ありませんね。
興味があるのは、国家戦略の策定をするのかしないのかです。
「強い経済、強い財政、強い社会保障」など当たり前の目標であり、「国家戦略」になりませんね。
当方の関心事は、国家の計(国家戦略)です。
氏のアフリカ利権疑惑に対する説明だったと思います。
現在のアフリカでの中国の活躍が氏の言葉を証明しています。
その頃の外務省職員の頭は、欧米への赴任(大使・公使も含め)が出世と考え、国益重視の未来志向の発想が無かったとのことでした。
(注)記憶が曖昧なので正確さに欠けている可能性があります。ご了承ください。