ノエルのブログ

シネマと海外文学、そしてお庭の話

本は愉快だ

2017-11-11 20:34:25 | 本のレビュー
数日前、おっきな箱が二つもの宅急便が届きました。送って下さった方は、東京のMさん。
中を開けてみたら、うわ~すごい、やっぱり本がいっぱい!
  これが、その箱を開けてみたところであります。
右側の箱の一番上にある本など、真っ黒な表紙に「死んだ教区」のタイトル……いかにも、怪奇っぽくて、私の好みだわ。

 そして、貴重な初版本が、何冊も入っていて、その中にはあの三島由紀夫の「暁の寺」まで!

 高校の時、学校の図書室で借りて読みふけったことを、昨日のように覚えているのですが、奥付を見ると、昭和45年刊。三島が死んでしまった年だなあ――彼の生前出た、最後の本かもしれませぬ。
昔の本のハードカバーならではの化粧箱入りで、薄い半透明の紙に覆われているなど、格調高いしつらえ。本当にうれしいです。
これは、ぜひ宝物にさせていただきませう。


 
こういうのも、好み 1960年代に、欧米で評判になった本の翻訳らしいのですが、扱われている題材が、何と考古学。
もちろん、古代エジプトも含まれております。シャンポリオンのヒエログリフ解読のドラマが描かれているなど、考古学の歴史に残る人物だちのドラマを描いた
読み応え十分の面白い本(すでに、エジプトの章は、かなり読み進めています)。
トロイの発掘におけるシュリーマンの物語や、南米のマヤ文明の遺跡調査のことなど、興味深いテーマがいろいろあって、これから読むのがとても楽しみであります。

    
 動物行動学者の日高敏隆さんは、名前はよく知っているのですが、その本を読んだことは今までありませんでした。
Mさんの本箱には、日高さんの本が幾冊も入っていたのですが、その内の一冊であるこれ、表紙の花の匂いをかいでいる犬のイラストが、とっても可愛いと思いませんか?


 そして、Mさんは、最後にすごいものを用意してくださっていました。それが、これ。

      
題して、「モンタルバーノ最初の事件捜査」アンドレア・カミッレーリ 原作 というもの。
 始め見た時、「う~ん、聞いたことない作者にタイトルだけど、これはまさしく推理小説だわ」とにらんだ、私の直観(というほど、大したものではない)通り、
これはイタリアの有名な作家(といっても、もう90歳を越えている方らしいです)の書いたこれまた人気のシリーズなのだとか。

イタリアの推理小説なんて、はじめて聞きました。
実は、これが凄いとしか言いようがないのですが、実はこの本邦未公開のミステリ小説を訳したのが、Mさんのお友達。
定年後始められたイタリア語の勉強から、ミステリをご自分で翻訳し、これまた手作りで本にまでされたそう。
始めの紹介を見るなり、「これは、面白そう」と早速読みはじめたのですが、本当に面白い!
ページを繰る手がとまらず、一日かかって一気に全部読んでしまいました。

物語の雰囲気、文体――すべてが、私の好みのどつぼにはまってしまっていて、「これよ、これ。最近、有名作家の本でも、半分は面白くないなあ~と思っていたけど、本当はこういうのが読みたいと思っていたの」
と至福の読書タイム。
それにしても、イタリア語と取り組みながら、自分で小説を訳されるなんて、素晴らしい!
お手製の本らしく、書店に出回っている「商品」としての本にはない温かみが感じられ、表紙もとても上品です。
翻訳文も、ウィットが利いていて、洒落ています。きっと、普段から外国の本などを読みなれている方なのだろうなあ、とひとしきり想像する私。

本当にありがとうございました。この「モンタルバーノ……」の本はノエルの本棚に、大切に飾らせていただきますです。

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