ノエルのブログ

シネマと海外文学、そしてお庭の話

雪の日

2014-02-08 10:01:48 | ガーデニング

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朝、薄明かりの中目覚めてみると、一面雪! こんなに深い雪にめぐりあったのは、何年ぶりでしょう? 実は今日、大阪でカリグラフィーのワークショップがありその準備もしていたのですが、それをキャンセルせざるをえないとしても、この白い世界はワクワクする気分。

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障子を開け放してみれば、こんなほの明るい世界。外から室内を写せば、硝子戸に雪景色が写りこんで、何とも知れぬ幻想的なのであります。

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ハーブガーデンにも、一面雪が降り積もっていて、冷たくふんわりした絨毯を踏んで歩くのは、汚れない処女地を行くような、ちょっともうしわけないような感じ。ノエル葡萄小屋の中は、一面のガラスから白い雪が反射し、中央のテーブルの上では、アネモネやブルーデイジーの花がちぢかんだ風情・・・すごく雰囲気があって、いつまでもいいたいのだけど、やっぱり寒い!

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そして、このノエル--雪の中に転がって大暴れ。情緒も何もあったものじゃないような・・・生まれて初めてみる大雪を、この子はどう思っているのでしょうか? 聞いてみたいな。


永遠の0

2014-02-07 20:20:18 | 本のレビュー

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文庫300万部を売り上げたという超ベストセラーであります。もっと早く読むべきだったのだけれど、芥川賞取った小説も、直木賞取った小説も面白いと思うことがほとんどなくて、賞が発表されても、本屋で買うことはない私・・・だから、この「永遠の0」もなかなか手がのびなかったんです。

でも、とうとう読むことに。そして、激しく後悔したのは、言うまでもありません。だって、この小説、無類に面白いことはいうまでもなく、素晴らしく感動的なんだもの! 太平洋戦争当時の零戦のパイロットを描いた物語・・・平成の現代に生きる司法浪人生の健太郎が、ふとしたきっかけで実の祖父の軌跡を追うことに。 祖父は航空兵で、零戦で戦ったパイロット。けれど、祖父の戦友を訪ねて回る間、彼が命を惜しむ臆病者であったといううれしくない風聞を聞くことに・・・だが、祖父はそれだけの男だったのでしょうか?

この本を読んでいる間じゅう、太平洋戦争について、ほとんど知らなかったことに気づきました。原爆だとか、東京大空襲だとか、沖縄戦については一般的な知識はあったのだけれど、零戦という最高の戦闘機についても、ラバウルやガダルカナルの戦いについてもほとんど知らなかった・・・恥ずかしい。

「永遠の0」でも、繰り返し描かれていますが、かつての軍部は兵や零戦の搭乗員の命を消耗品として駒のように使いました。 

学校を出たエリートの将官たちは、拙劣な作戦を繰り返し、太平洋の利権と兵の命を失ったのです。 そうした人命軽視の発想が「特攻」に結びついたという作者の主張には、深い説得力が。 「特攻」について描かれた章は、心を深く揺さぶられずには、読めません。 この筆力、説得力、物語性--百田尚樹の才能のなせるわざ!

物語の後半、健太郎の前に、祖父の真の姿が浮かび出てきます。 戦時という時代に、一個の人間として強いヒューマニズムと意志を持ち、家族を愛する半面、天才的な腕を持つパイロットとして――ラバウルの大空での激戦や、特攻でのシーンには、日本のために、愛する家族のために戦った男たちの世界が、存分に描かれ、深い感動と悲しみが感じられるでしょう。「新たな国民文学の誕生」という形容も、うなずける傑作。


お茶の時間

2014-02-07 11:37:28 | ある日の日記

   

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春めいて暖かい日が数日続いたかと思うと、ガタッと冷えて粉雪の舞う寒い日。たまには、音楽を聴きながら、ティータイム。辻井伸行さんの、美しい音楽とその名も「モーツァルト」(色々なところのお菓子を食べたけれど、この岡山のお店のクッキーが一番好きです)のクッキーを楽しみつつ、窓の外の雪を眺めています。

考えてみたら、こんな風にセッティングしてゆったり、家でお茶を楽しむこともあまりなくなりました。 でも、お茶というのは、昔から生活の中で一番時間が優雅に流れていく場面だったはず。 いにしえの大英帝国のアフタヌーンティーは無理だとしても、好みのティーカップに、好きな銘柄の紅茶を楽しみたいな。(日本の茶道みたいな、ややこしい作法もいらないですしね)


落水荘

2014-02-04 18:04:38 | アート・文化

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昔から、訪れたいと思っている場所がいくつかある。 ニューヨークの摩天楼、トルファンやサマルカンドといったシルクロードの古都、タヒチの島などである。

その中の一つが、この「落水荘」。米国は、ペンシルヴァニア州にあるフランク・ロイド・ライト建築の住宅だ。 多分、二十世紀の住宅建築の最高傑作だろう。 まるで、エッシャーのだまし絵のように、複雑に入り組んだ家の下から、水がごうごうと流れ、それはそのまま下の滝につながっている。

わたしは、もともとライトの建築が好きで、何冊か彼の作品集も持っているのだけれど、この「落水荘」には、何か自然と人工が互いを譲ることなく、それでいて完璧に調和しあっている美しさがある。

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現在、この住宅に住んでいる家族がいるのかは知らないのだが、北米の樹林の中に出現する、この家をぜひとも見てみたい!(家内部の写真も見たことがあるけれど、滑らかな岩の断面をそのまま床にした、ダイナミックな美があった)

欲をいうなら、アリゾナの砂漠にあるもう一つのライトの建築も見てみたいな。地球には、何と魅力的な場所や風景が幾つもあるんだろう!


バースディーカード

2014-02-03 13:25:40 | カリグラフィー+写本装飾
    

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金属ペンでなく、白いインクのペンで書いたカード。う~ん、やっぱり金属ペンで伝統的書体で書いた方が、重みがあって好きだけど、たまには、こういうモダンな軽いやり方も。

カードにつける手紙と、あとプレゼントを選ぶ仕事が残ってますね。