ノエルのブログ

シネマと海外文学、そしてお庭の話

注射と目薬

2013-11-12 18:33:30 | ノエル

今日は、伝染病の予防注射を受けるために、ノエルを獣医まで連れていきました。 ここは人気がある獣医さんなので、あまり待たなくてもよいように、昼前連れていったのですが、それでも30分くらい待たされたかな。

最初、体重はかって(最近、食欲旺盛で、ちょっと太り気味)、それから肛門から体温計を入れることに。でも、その時のノエルの表情が「あれま!」というびっくり顔で、思わず噴き出してしまいました。 なんだか、変な感触だったのでしょうか? それから、注射。

昔は、フィラリアの予防や、こうしたジステンパーなどの予防注射も一般的でなく、犬たちも5~7年くらいで死んでしまったいたことを思うと、今はペットにとって、良い時代になりましたね。

そして、1か月ほど前から、右目から大きな眼やにがでるのだと言うと、獣医さんは、レンズで調べてくれた上、「これは、リンパ腺が腫れているせいですね」とのこと。 目薬をいただくことになりましたが、オレンジ色の袋に入った薬は、人間用のものとそっくり! 帰宅して、ノエルを押さえつけて、目薬をさしてやったのですが、これって、子供の頃、プール帰りに目薬をさしてもらっていたことを、思い出すなあ。 でも、犬に目薬さすって、大変!です。


ワンコのごはん

2013-11-10 17:33:05 | ノエル

雨の中、車を運転して、「アミーゴ」へ。そう、ここは皆さんご存じのペットワールド。

ここまで来たのは、ノエルのごはんが切れたからだけれど、いつも買うメーカーのドッグフードを手に取りながら、ふと疑問。 ドッグフードって、どんな味がするんだろう? 愛犬家と言われる人たちのために、幾種類ものフードが売られ、オーガニックだ、オーブンで焼いてあるだのとうたっているけれど、いかに犬好きだとはいえ、ドッグフードを食べたことのある人なんて、いるのかな?

・・・これは、かなり勇気のいることで、人間界の味覚を超越した世界に入っていかなくてはならないのかも。 でも、どんな味がするのか知りたい気もします。 お肉と穀物と、野菜をミキサーで混ぜ合わせたような味?


晴子情歌

2013-11-08 20:19:44 | 本のレビュー

十日ばかりかかって、高村薫の「晴子情歌」を読み終える。最初は、物語の中に入っていけず、読むのに退屈していたのだが、下巻に入るころからぐんぐん面白くなって、ううんと唸りながら完読。

それにしても、昭和の初め頃の世相や東北の風土をここまで克明に書けたものである。東京は本郷の下宿屋に生まれた晴子が、父に連れられ、青森に行くところ、北の海の漁の光景、地元の言葉・・・等々生々しいまでの筆致である。

東大を出ながら、マグロ漁の漁船の船員となる影之に向けて、母晴子が、長い手紙を百通も送り続けるという設定自体、「こんなこと、現実にあるわけないだろう」という感じなのだが、圧倒的な文章力が不自然さをかき消してしまう。 海上の影之の物語と手紙の中に描かれた晴子の人生の物語が交互に語られてゆくというストーリー。

晴子はやがて、青森随一の名家、福澤家に子守として雇われるのだが、ここで数奇な縁から不肖の末息子、淳三と結婚することとなる。長い歴史を持ち、政界にも勢力を伸ばす福澤家--晴子の人生はこの家の血脈とわかちがたく結びついてしまうのだが、私にわからなかったのは、晴子と淳三との結びつき。

生涯働かず、絵ばかり描いて過ごす淳三という人もそうだけれど、兄への嫌がらせみたいにして、自分と結婚した夫にひたすら仕える晴子もわからない。 周囲の人々に素晴らしく魅力的に見えたらしい晴子・・・「私は、こんな人生を望んでいたんじゃない!」とか叫びたくなったりしないんだろうか? でも、結局初恋の人が遭難したと聞いて、海に駆けつけた晴子は、二日ばかり家を空け、それが原因で肺炎になった淳三は死ぬ。

自宅の裏庭をひたすら描き続けた淳三は、それを「青い庭」と呼ぶのだが、最後その絵の中に晴子の姿を描く・・・そこまで読んで、「ああ、こういう形でしか表わせない愛もあったんだ」と心の水面に何かが落ちるような気がしてしまった。 この物語はまだまだ続き、「リヤ王」の前章となる。 

最後に海に向かって叫ぶ、影之の独白--「僕も、一人だ。母さんも一人だ」という声は、晴子の耳に届いただろうか? 


これ、エジプト?

2013-11-07 18:18:03 | カリグラフィー+写本装飾

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通っている教室の作品展が、今月末開かれるので、それに出す作品。 アガサ・クリスティーの「エジプト墳墓の殺人」の文章を書いたもので、使用したのは、パピルスの紙。葦科の植物を使った古代エジプト時代からの紙であります。う~ん、でも文章が上の方にかたまりすぎて、レイアウトのバランス悪いなあ・・・。

金箔ももう少し、綺麗にならなかったか、と。でも、書きなおすのもエネルギーがいるので、今回はこれで、いいや!

来年夏のカリグラファーズ・ギルド展には、フランツ・カフカの作品世界をイメージしたものを出品したいな。


アトリエ・ドゥ・ノエル

2013-11-03 09:33:00 | ある日の日記

来月12月の1,2,3、の三日開く予定のギャラリー、「アトリエ・ドゥ・ノエル」

招待する作家さん(神戸の染色家の方と革のバッグ作家さんと、熊本の硝子作家さん)はほぼ決まっているのだけど、シチュエーションをどうしよう? クリスマスシーズンだから、それらしくしつらえたいのだけど・・・

今から4年前に始まり、今では年に二回やっているだけの、小さなギャラリーですが、毎回足を運んで下さる方もおり、人がふと立ち寄りたくなる木陰のような場所になれば、と願っているのです 


ノエルの童話

2013-11-02 18:05:22 | 本のレビュー

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お手洗いの棚に飾られた本、「ノエルの童話」。  今朝、ふと棚を見やった時、この本が目に飛び込んで、「ああ、この本を作ってから、もう三年もたつんだんなあ」とふと感慨にふけってしまいました。

今から三年前、その年の春死んだ愛犬のゴールデンレトリバーを主人公にした童話を、「ノエルが生きていた証に」と本にしようと一生懸命だった数カ月・・・そして、本ができあがったのが三年前の2010年11月でした。 完成した記念に、幾人もの人からプレゼントを頂いたことも大切な思い出(その中には、ノエルのシルエットそっくりの組み木の置きものもありました)。 あのときは、皆さん本当にありがとうございました。

そして、このことはあまり人には話さないでいたのですが、ノエルが死んだ後、不思議な体験をしています。ノエルが死んでしまった翌日から一週間ばかり、家全体に、温かな、清らかな空気に包みこまれるような、幸福感が満ちていたのです。 愛犬が死んでしまって、悲しくてたまらないはずなのに、その時、私が感じていたのは、至福に近い神秘的なものでした。

今も、あの家全体が、神殿に化したような、清浄な安らぎを言い表すすべを知りません。 それは、ノエルからの贈り物だったと、思っています。