「帰命寺横丁の夏」柏葉幸子作 講談社 を再読。
本は、一か月に1,2冊しか買いません。後は皆図書館で借ります。図書館で見つけた本の中に、「おお、これは! 私の好みにぴったりはまる。面白~い」と思うのは、書店でまた買ったりします。
この本も、そうした図書館→自宅の蔵書の仲間入りのコースをたどった貴重なもの。
で、これ「帰命寺横丁の夏」、すっごい面白いんです。題名と表紙をみてもわかる通り、ばりばりの児童文学なんですが、レベルの高いジュニア向けの小説って、並の小説よりずっと価値があります。
さて、その中身――皆さんがもし小学生だったとして、ある日突然、死んだはずの人間が同級生として、クラスメートにまざってたら、どうしますか? そして、外のクラスメートたちは、その幽霊の女の子に前からよく知っているように接していたとしたら?
この設定だけでも意表をついているのですが、その昔「帰命寺」という講のようなものが存在し、「祈れば、生き返る」という信仰があったとしたら、どうでしょう? この講の存在は、昔からいる何人かの年寄りしか知らなくなっており、主人公の「おれ」はその一人である、ものすごい婆さん(これが、とても魅力的で、パワフルなおばあ様なのであります)から、帰って来たはずの幽霊を白状するよう迫られたり、幽霊たちを根絶やしにしてしまう御本尊さまを盗まれてしまったりするのです。
帰ってきた幽霊は、あかりという女の子。その前世(?)は、40年も前に死んでしまった少女なのですが、彼女がどうしても読みたがっている小説の名が「月は左に」。この小説の未完の続きをめぐって、「おれ」は果敢にもくだんの婆さんと戦うのでありましたが、こちらの「月は左に」が圧倒的に面白い! 「おれ」とあかりたちの物語より面白いほど。
ポロウニアと呼ばれる亡霊の子孫の少女アディや、魔女、呪いのかけられた織物、二十年の時をかけて亡霊から甦ろうとしている魔女の息子(闇の中では、姿がとけ、明かりの下でのみ、その姿を見ることができる)といったキャラクターが織りなすファンタジーは、今まで読んだ内でも、最高に面白いファンタジー小説の一つといっていいほど。
果たして、あかりの命はどうなるのか? 「月は左に」という魅力的な物語を書いたミア・リーという作者は一体誰だったのか?
最後まで、ジエットコースターのように一気に読める極上の児童ロマン! 私の下手な説明では、うまく書けませんが興味をひかれた方は、どうぞページを繰って下さいませ。
本は、一か月に1,2冊しか買いません。後は皆図書館で借ります。図書館で見つけた本の中に、「おお、これは! 私の好みにぴったりはまる。面白~い」と思うのは、書店でまた買ったりします。
この本も、そうした図書館→自宅の蔵書の仲間入りのコースをたどった貴重なもの。
で、これ「帰命寺横丁の夏」、すっごい面白いんです。題名と表紙をみてもわかる通り、ばりばりの児童文学なんですが、レベルの高いジュニア向けの小説って、並の小説よりずっと価値があります。
さて、その中身――皆さんがもし小学生だったとして、ある日突然、死んだはずの人間が同級生として、クラスメートにまざってたら、どうしますか? そして、外のクラスメートたちは、その幽霊の女の子に前からよく知っているように接していたとしたら?
この設定だけでも意表をついているのですが、その昔「帰命寺」という講のようなものが存在し、「祈れば、生き返る」という信仰があったとしたら、どうでしょう? この講の存在は、昔からいる何人かの年寄りしか知らなくなっており、主人公の「おれ」はその一人である、ものすごい婆さん(これが、とても魅力的で、パワフルなおばあ様なのであります)から、帰って来たはずの幽霊を白状するよう迫られたり、幽霊たちを根絶やしにしてしまう御本尊さまを盗まれてしまったりするのです。
帰ってきた幽霊は、あかりという女の子。その前世(?)は、40年も前に死んでしまった少女なのですが、彼女がどうしても読みたがっている小説の名が「月は左に」。この小説の未完の続きをめぐって、「おれ」は果敢にもくだんの婆さんと戦うのでありましたが、こちらの「月は左に」が圧倒的に面白い! 「おれ」とあかりたちの物語より面白いほど。
ポロウニアと呼ばれる亡霊の子孫の少女アディや、魔女、呪いのかけられた織物、二十年の時をかけて亡霊から甦ろうとしている魔女の息子(闇の中では、姿がとけ、明かりの下でのみ、その姿を見ることができる)といったキャラクターが織りなすファンタジーは、今まで読んだ内でも、最高に面白いファンタジー小説の一つといっていいほど。
果たして、あかりの命はどうなるのか? 「月は左に」という魅力的な物語を書いたミア・リーという作者は一体誰だったのか?
最後まで、ジエットコースターのように一気に読める極上の児童ロマン! 私の下手な説明では、うまく書けませんが興味をひかれた方は、どうぞページを繰って下さいませ。