ノエルのブログ

シネマと海外文学、そしてお庭の話

ミツバチの受難

2013-09-14 10:08:07 | 社会・経済

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 もう、十年も前から騒がれていたけれど、蜜蜂が巣箱から失踪したり、大量に死んでしまったりする事件が勃発している。これは、「自然界のミステリー」として、色々憶測されたりしたのだが、丸っこい体に、つぶらな黒い瞳、せっせと蜜を運ぶ可愛らしい様子をした蜜蜂に心なごむ人は多いはず。 この働き者の蜜蜂に、一体何が起こったのだろうか?

この間、TVで見たところでは、ある種の農薬(名前を忘れてしまった)が、蜜蜂の大量死に関連しているのでは、と疑われているらしい。 欧州では、すでにこの農薬の使用を自制する動きもでているのだとか・・・。 蜜蜂を駆除してしまうほどの威力を秘めた農薬--それは、人間にも害を与えるはずではないだろうか? 

蜜蜂は、クマから人間まで大好物のハチミツを作ってくれるだけでなく、農産物が実を結ぶのに必要な受粉の仲介者でもある。 彼らがいないと、かぼちゃもトマトも、リンゴなどの果樹だって、実ることはない。  考えてみれば、私たちの生活は、この小さな虫たちの恩恵をこうむっているのだなあ・・・。

「みつばちマーヤ」の物語が浮かぶ人もいるだろうけれど、春の野などで、ぶんぶんと小さな羽音を立てながら、花にとまるミツバチの姿も、誰しも見たことがあるはず。 この小さな体で、素晴らしい仕事をなしとげるミツバチが、痛めつけられ、姿を消してしまうのだとしたら、本当に悲しい。 レイチェル・カーソンが「沈黙の春」で、農薬などの化学物質が生態系に及ぼす危険を示唆してみせたのは、ずっと昔のことである。 この名著とされる著書は、あらゆる場所で引用されているけれど、 私たちは賢くなったとは言えないのだろうか?

もっと、自然の言葉に、謙虚に耳を傾けてみたい。 ミツバチの愛らしい姿が、たくさん見られるようになる日が来る、その時まで。