虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

8月はやはり戦争を考えてしまう

2004年08月26日 | 
この夏、TVドラマ「さとうきび畑」を見て沖縄戦について初めて知ったという中学生に見せる為に、沖縄戦の記録の本でも写真が多く入ったものを借りてきた。
悪くないドラマだと思うものの、私ガ沖縄戦の記録を見て決定的に打ちのめされた部分が欠落していた。
沖縄戦の記録は米軍側のものしか残っていない。だから事実の半面しか見られないことはわかっていても、それらは十分衝撃的である。
兵士として駆り出された中学生たちの写真。
ほとんど今の小学4・5年にしか見えない子もいる。
それにみんな着ているものがドロドロ、ぼろぼろ、あるいはほとんど裸のようなひとたち。
集団自決・スパイ容疑で殺された人・日本軍に壕を追い出されて死んだ人。沖縄戦の慰霊碑はすべての戦没者を(加害者でもあった日本兵も含めて)祀っているが、その慰霊碑にも祀られる事を遺族が拒否している朝鮮半島から慰安婦として連れてこられた人がいると聞いた。
沖縄の悲劇は戦闘が終わっても、まだ続いた。特に女性に降りかかった。

「さとうきび畑」は、それで全部ではないことを忘れないで。

一緒に借りたのが、「敵国日本」ヒュー・バイアス著 刀水書房
太平洋戦争が始まったころ、日本をよく知るジャーナリストの日本を紹介し、分析したもの。日本に独裁者はいなかったということも、軍部の集団意思決定、とどのつまりは責任がどこにあるかよくわかんない体制まできっちり書いてあります。戦後天皇が戦争責任を問われなかったのも、これをアメリカ側でわかっていたから?アメリカについてここまできちんと分析してあった論文や本が、当時の日本に存在してたんでしょうか?なかったとしたら、負けるべくして負けたのか、と思います。