虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

花よりもなほ (2006/日本)

2006年06月21日 | 映画感想は行
監督: 是枝裕和
出演: 岡田准一   青木宗左衛門
    宮沢りえ   おさえ
   古田新太   貞四郎
   浅野忠信   金沢十兵衛
   香川照之   平野次郎左衛門
   國村隼    伊勢勘

 元禄15年、徳川5代将軍綱吉の時代。泰平の世の巷では、赤穂浪士が切腹させられた主君・浅野内匠頭の仇を討つのかどうかが世間の話題。そんな中、父の仇を討つため、信州松本から江戸に出てきた若者、青木宗左衛門(宗左)は、貧乏長屋に住み、仇を捜して回るが、見つけられずはや2年。宗左は、藩の剣術師範剣のの息子だが、腕はからっきし弱い。

 是枝監督の「誰も知らない」はいまだに全部見ていません。ホラーより怖い映画でした。誰も知らない、というより見ないふり… 他の映画もけっこう怖い。

 これはコメディでもあるし、ちゃんと見ることができました。まともに娯楽時代劇していました。ただし剣戟なし。レーゾンデートルのお話でもありましたし、結局自分自身の生き方を見つける物語ですね。2時間ちょっとしっかりスクリーンに釘づけでした。
 岡田准一が思ったよりずっとよい主役してました。周囲が強烈にうまい人ばかりなので気おされ気味な感じはしたものの、青年の清潔さが好もしかった。宮沢りえは素敵。本当に薄幸の美女ができる女優さんです。ボロ長屋の面々の達者なことは言うまでもありません。香川照之はなんだってあんなに滑稽な空威張り男が似合うのでしょう。
 テンポが良くて説明のうまい映画でした。しっかり宗左の家におけるポジションもわからせてました。期待にはずれた跡取りだったのね。それに侍たちのそれぞれが選んだ道が、捨てるものなくして得られないというのもほろ苦かったです。
 ドカ~ンとは来なかったけれど、ジワリと効いてくる映画。

 逃げ足のスピード感は嵐寛寿郎や阪妻映画には負けます。不思議です。
 それに元禄といったら文化の中心は上方でしょうが、江戸でも派手派手時代だったのでそれも見られると嬉しかったな。
 しかし何が感心したといって、あの傾いて、しかも建具が動く長屋を作った人たちはすごい。

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23日 一部削除しました。某映画監督と私の本の世界の捉え方が違うということでいささかむちゃくちゃなこと書いちゃいました。体調悪いと気持ちがすさむみたいです。