虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

グレン・グールド エクスタシス (1995年 / カナダ )

2006年06月13日 | 映画感想か行
GLENN GOULD: EXTASIS
監督: ジョスラン・バルナベ
出演: グレン・グールド 
    ウォルター・ホンバーガー
    ユーディ・メニューイン
    ブルーノ・モンサンジョン

 グレン・グールドと名がつくと手が出てしまいますが、これはグールドものの中でもちょっとはずれでした。いままで他のドキュメンタリーで既に聞いたことが多かったし、コメントがみんな断片的なのと、ピアノが少ししか聴けなかったのでがっかりだったのです。
 テーマごとにいろんな人のコメントの断片を集めるという、こういうスタイルは、最近グールドに出会ってこれから聴いていこうという人への紹介にはいいかもしれないけれど、私は欲求不満。ピアノ聴きたい、指が見たい、もっとじっくり話を聞きたい。
 他の記録映画では、彼自身相当語ってるもの。

 私は音楽は一義的に場の芸術で、演奏家と受け手とでその場で作っていくものだと思っているので、やはり演奏会しないグールドは特殊だと思う。でも素晴らしい。彼のCDを一年のうち半分の日数は聞いてる。ベートーベンの交響曲第5もおそらくオーケストラよりもグールドのピアノで聞いた回数のほうが多い。本来オルガン曲であるバッハ「フーガの技法」のピアノ演奏を聞いていつも唸る。同じものを聴いてもグールドの聴いていた音楽と私の聴いているものとは違うんじゃないかと思わざるを得ない。
 CDで一番好きなのはモスクワコンサート録音。それにしてもシェーンベルクを愛唱するなんて信じられない。