虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

マンガ雑誌の編集会議 

2013-03-29 22:09:16 | 日々思うこと 雑感

 

春休み企画の

マンガ雑誌の編集会議の様子です。

上の写真は、雑誌用に自分たちで描いたり、投稿してもらって集めたマンガ原稿です。

 集まった小学生5人。(新小3生~小6生)

最初は、マンガ雑誌やその付録やおのおのが持ち寄ったマンガの原稿を読みながら、

雑誌を作り上げるのには何が必要か、自分はどんな作業を担当したいかについて

話しあいました。

 

小6の★ちゃんと小3の●ちゃんは、新作のマンガを描くことに。

 

小4の◆ちゃんは編集長としての役割と付録作りと雑用をすることになりました。

小3の☆ちゃんは付録作り、小5の◎ちゃんは持ち寄ったマンガを

マジックでなぞって仕上げる作業をすることになりました。

 

 

 

 

青森から来てくれた☆ちゃんは、付録作りを担当。

実はこの●ちゃんが送ってくれた手作りの『なめこ図鑑』がきっかけで

教室でマンガ雑誌を作ることになったのです。

☆ちゃんの『なめこ図鑑』シリーズは付録として雑誌につけることになり、

さらに☆ちゃんのアイデアで、ご当地なめこのマップを付録としてつけることにしていました。

白地図を印刷してから、そこに切りとったなめこのイラストをのりで貼っていく作業をしていたのですが、

途中で「こんな風にしていたら時間が足りないから、できるだけ地図の形にあうように

大きな塊で切ることにした」と言い、その周りを青く塗って、手早く仕上げていました。

 

こんな☆ちゃんの行動は、「横着」なのか「効率的」なのか、

「怠け」なのか「無駄がなく、時間内に最適な結果を出す行動」なのか……?

 

こうした場面で、ユーモアをまじえて、

それを表現する最適な言葉をあれこれ挙げて

みんなでおしゃべりしていると、子どもたちの言葉に関する感性が磨かれていきます。

 

ポイントは、行為を好意的に捉えて表現することと、

良い面からと悪い面からの言葉のどちらでも言い表してみることです。

 

この日は、午後からこのメンバーを中心に遠足に行くこともあって、

その話題で盛り上がりかけたところで、

そうした言葉遊びをゆっくり楽しむ間がなかったのですが、

それでも、この☆ちゃんの機転とちょっぴり大胆な決断力のある態度とに、年上のお姉さん方ふたりも大喜び。

 

☆ちゃんに向かってあれこれ話しかけては、「遠足の時にいっしょに回ろうね」と声をかけたりしていました。

 

☆ちゃんは☆ちゃんで、それからは、

雑誌の名前についてや、雑誌を面白くする工夫についてなど、

思いついたアイデアを積極的に発表していました。

 

マンガ家さんとして、大量の原稿を仕上げている6年生の★ちゃんと

3年生の●ちゃん。

2時間の間、休む間もなくマンガを描き続けていました。

★ちゃんの作品は、どれも完成度が高くて、

「上手」「面白い~」とみんなから絶賛されていました。

 

●ちゃんは、青森から来た☆ちゃんから『なめこ図鑑』という本(手作りの方ではありません)を

借りて、それを利用して4コママンガを描いていました。

エジプトのファラオのようななめこを登場させる時は、

その特徴を生かしてオチをつけたり、

神様のようななめこを登場させる時は、

意外性で笑いを取ったり、どれも即座に思いついたとは思えない

出来でした。

 

★ちゃんと●ちゃんのマンガ作品については、

どのような点が面白いのか、どんな工夫がなされているのか、

みんなで話しあいました。

 

◆ちゃんと◎ちゃんは、メタ認知力が高い子たちです。

ふざけてゲラゲラ笑いすぎているふしもありましたが、

このふたりのおかげでいい雑誌になりそうでした。

 

雑誌を仕上げていくためのさまざまな作業をこなしていったり、

雑誌の巻頭を飾る記事に面白いスクープ映像を集めることにして、

写真をみんなに見せて、どれがいいか話したりしていました。

午後の遠足でも、雑誌用の写真をたくさん撮ってくることになりました。

 

<今回したマンガ作りのための話しあい>

 

① それぞれのマンガ原稿の順番 (子どもたちいわく、4コママンガは、メインの連載マンガの後ろしたい……とのこと)

② マンガの名前  (『なめこのほっぺ』が有力。 他に『ななななななめこ』『なめこファン』)

マンガの名前を決める時には、みんな自分やきょうだいの名前の由来などを説明していました。

③ 付録はどんなものにするか

④ 巻頭の写真記事。

⑤ 仕上げるために必要な雑用の種類。誰が担当するか。

⑥ 投稿されたマンガの感想。どんな点が面白いか。

⑦ マンガ雑誌をより魅力的なものにするためのアイデア

 

 

マンガ編集会議は、別のメンバーで、別の日に続きます。

最終的に多人数の子どもたちで1冊のマンガ雑誌を完成させる予定です。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
みんなすごい編集者ですね! (はぴ)
2013-03-31 08:57:00
編集会議から楽しそうで話が濃いそうです。
編集会議が楽しいと、素晴らしいマンガができますね。

私も、小さいころからなぜか学級新聞を黙々と作っていて、先生から壁に貼って頂いたりしていたのを思い出しました。それは高校生になってもやっていて、しまいには、編集者としてお給料をもらうまでになりました。
子育て中の今は、ありがたいことに取材に行かなくていお仕事をいただき、ライターとしてお給料をいただいています。

数学では赤点ばっかりだったのですが^^

今まで素晴らしい編集長とお仕事ご一緒させていただきました。見ていて思うのは、やはり尊敬できる編集長は、まずはタフ!!びっくりするぐらいタフです。そしてユーモアがあって、そしてそして。文系かもしれませんが、理数系もしっかり得意なんです。

あまり魅力がない方が編集長になると、部数は必ず落ちます。これは本当です。

ライターはぜんぜん理数系は得意でなくてもできますが、編集者になると、どちらかというと作業は理系。しかもカメラマン、印刷会社、広告主(営業部)、ライターなどをぐいぐい引っ張っていく人間的魅力をお持ちです。無理難題いわれるけど、最後はみんながいい気持ちになって校了する。

虹色でされているレッスンはどれもユーモアがあって、そして、知力や考え抜くタフさ、本質を見抜ける審美眼、美しいものに敏感になる感性みたいなものを身につけていくことができますよね。どれもクリエイターには必要なことです。

みんな将来が楽しみです~!意外と名編集者が誕生するかもですね!!




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ありがとうございました。 (ブルーエイト)
2013-04-06 00:45:44
遅くなりましたが、先日はお世話になりありがとうございました。娘はとても有意義な時間が過ごせたようです。

私は、娘は内向的だと思っておりますが、編集会議の様子では、初めてのお友達、初めての場にもかかわらず、自分の意見や行動をとる娘に頼もしさを感じることができました。(先生やお友達のご配慮もあったことと思います)

みんぱくは、「お腹が空いて~ Hちゃんのパンが世界一おいしかった!!」…でした~

それでも、外国の生活や文化に興味を示す娘ですので、何かを感じ取ったのではないかと思います。

奈緒美先生は娘を見て、何かお気づきになったことはありましたでしょうか?もし、ございましたら教えて頂けると嬉しく思います。

また、お会いできるのを楽しみにしております。
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