虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

発達に凹凸のある子たちの 就学準備クラス 1

2013-03-27 15:18:19 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

発達に凹凸のある子たちの 就学準備のレッスンがありました。

(発達に凹凸のある子たちの就学準備クラスは何グループかあります)

今度、年長さんになる◆くん、☆くん、●くんが学びました。

 

このグループには、 

自閉っ子と学校ごっこ

という記事で紹介した☆くんも参加しています。☆くんは就学猶予で

もう一年、年長さんとして過ごす予定です。

☆くんは半年くらい前まで、集団でする活動への参加が

とても難しい状態でした。

 

が、ペアでレッスンしている★くんと徐々に親しくなっていき、ふたりでする『学校ごっこ』に少し参加できるようになってきたので、

就学準備クラスに入って、

数名のお友だちといっしょに遊んだり、物作りをしたり、ゲームをしたり、勉強したりする

体験をしてもらうことにしたのです。

 

☆くんは、ちょっと前まで、教室に入るだけで

何分間もかかっていたくらい緊張が強い子です。

 お母さんと別れて、知らないお友だちといっしょに過ごすなんて

本当にできるのか、ちょっぴり心配ではありました。

 

それが、案ずるより産むが易し……?

 

お友だちの輪にすんなりと打ち解けて、工作やゲームや算数の学習を

楽しんでいたので、心底ホッとしました。

 

ゆっくりゆっくりと、できることを増やしてきたことと、

人と関わる楽しさを体感させてきたことが、

☆くんに「新しい世界に足を踏み込んでみよう」という気持ちに

させたようです。

 

 

算数タイムの様子です。

 

右から順番に小さい数から並んでいます。

裏向けている数は何と考えられるか、いくつか数字を挙げています。

0~10までの数が1枚ずつある時、上のカードをヒントにして

裏返したカードを当てています。

 

☆くんと○くんはすんなりわかって、とても楽しそうに数を当てていたのですが、

◆くんは意味をつかみかねていたようでした。

2と5の間にある数を、「6?」「9?」といった推理をしては

混乱していました。

 

そこで、カードの枚数を減らし、ゆっくりと理解をうながすと

ちゃんと解けるようになっていました。

この問題の少し前に、みんなで魔法使いの男の子のゲームをした時は、

◆くんは一番素早くミスなく答えのカードを取ることができていました。

とてもたくさんカードを集めて、勝ちました。

 

このゲームは、「帽子」「服」「靴」「ステッキ」のそれぞれの色と体型が、

課題のカードと異なるものを探します。

 

たくさんのカードの中から、5つもチェックをして

正しい答えを見つけるのは至難の業です。

☆くんも●くんも何度も間違えていました。

 

が、◆くんは素早く確実に正しいカードを選んでいきました。

それはボーッとして

やっている最中に何をしていたのか忘れてしまったり、

指示が通りにくかったりする◆くんの普段の姿からすると

とてもびっくりするものでした。

 

◆くんがこのゲームをしたのはこの日が初めてです。

ルールを理解するだけでも難しそうなのに

一回の説明で理解し、一度もミスしないで正解のカードをたくさん

選んでいた様子を見て、

◆くんは情報が入りにくくてボーッとしがちなのではなく、

たくさんの視覚的な情報を取り込みすぎて、

その時々に必要な対象に集中するのが難しいのかもしれない、とも思われました。

 

◆くんは、「みんな」に向かってする説明を聞きそびれてしまうことがよくあります。

何かを見ていると、耳が聞こえないようだったり、

ボーッとしていたり、よそ見や手遊びをしていたりするからです。

また、何かをしている最中に、フラッと席を立って、

うろうろし始めることがあります。

◆くんが目でいくつかの情報をチェックしていく力が非常に優れていることが

魔法使いのゲームでわかったので、

学校に入って後は、説明の一部を黒板に書いてもらったり、目で確かめられる手順カードなどを

用いたりすると、

授業が受けやすくなるのかもしれません。

 

 


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1 コメント

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ありがとうございました。 (まさやん)
2013-03-28 23:57:10
先日は就学前レッスンありがとうございました。

前回のブロック講座に比べお友達ともよい関係がつくれたようで安心いたしました。
帰りの電車でも☆くんと外を眺めて何か話したり楽しそうでした。

物の見え方に苦手があることは今まで全く気が付きませんでした。
戦隊ヒーローや仮面ライダーが好きで歴代のヒーローもよく知っていて、私が見ても似ている顔のものでもよくわかっているので まさか見え方に苦手があるとは思いませんでした。
でもレッスンでカードゲームをしている様子を見て全く理解していなかったのでビックリしました。

文字については本人も自信がなく「まあちゃん下手くそやから」などを口にします。
迷路は好きでよく遊んでいたのですが、指でなぞっていたのでこれからはペンで書いてしたいと思います。

0~10の数字カード遊びはいつになく集中して考えている表情をしていたので嬉しっかたです。
家で厚紙で手作りしてやってみたのですが、教室ではあんなに頭をつかって考えていたのに、私の接し方がマズイのか、直ぐに自己流のルールで遊び出してしまいました。難しいです。

息子に「今日の教室どうだった?」と尋ねると
「楽しかったけど、嫌なこともあった」と気まずい感じで答えるので
「どんなことが嫌やったん?」と聞くと
「もっと遊びたかった時に、もう遊んだらアカンてなったこと」と言っていました。
自分なりに欲求をコントロールして、我慢?けじめ?の練習を頑張っているんだなぁ~と愛おしく感じました。


今回も沢山の気づきのあるレッスンをありがとうございました。
また次回も楽しみにしております。
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