年中の自閉っ子のAくん。1年前から考えると見違えるほどしっかりしました。
極端に狭かった興味の幅が大きく広がり、園でも楽しく過ごしているそうです。
以前は数分置きに、同じ質問を繰り返していたAくん。
「どうして?」「なぜ?」と理由を知りたがる質問が増えてきました。
この「どうして?」「なぜ?」も、少し前までは「こだわり」に端を発した
同じ質問を何度もして、同じ答えを聞きたがる……というものだったのが、
日常の不思議に対する好奇心から生じる
質問へ変化してきました。
お家で、「コマを回すとどうして模様が消えちゃうの?」とたずねたAくん。
お父さんが、「人間の目の解像度は……」と説明したそうですが……。
いっしょにいらなくなったCDでコマを作ることにしました。
このコマ、あるもので適当に作ってみたものですが、とても安定した美しい回り方をします。
↑の写真の左にある金属製の平たいコマの回り方にとてもよく似ています。
<作り方>
CDの裏面の穴の空いた部分をふさぐように
セロテープ(取れそうな場合ボンドを少しつけておきます)
を貼り、そこにビー玉を押しつける。
表面に絵柄を描いたらできあがり。
『こま まわるかな』(成井俊美作 福音館書店)の中に、
「回転すると色がみえるこま」や「逆回転するこま」「うずまきがみえるこま」
「帯がみえるこま」「色のかわるこま」などの
絵柄のパターンがたくさん載っています。
Aくんは、キラキラしたモールやテープを貼った自分オリジナルのコマを作った後で、
本のパターンを真似たコマを作りたがりました。
(この本で紹介されている紙とつまようじで作るこまは、
子どもには作りにくいようでした。)
ピンクと黄色と水色のコマを作って回した時、
Aくんが、「オレンジの色がある。回ると
真ん中のところらへんにオレンジの色がある」と声をあげて
喜んでいました。
白と黒に塗り分けたコマは、回転する速度が変わるにつれて
色が変わっていくところが、不思議で面白いです。