虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

自閉症の子と想像力に弱さのある子 の ごっこ遊び 

2013-11-27 21:15:55 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

最近接領域に注目して伸ばす(自閉っ子と言葉のない5歳の子) 1

最近接領域に注目して伸ばす(自閉っ子と言葉のない5歳の子) 2

最近接領域に注目して伸ばす(自閉っ子と言葉のない5歳の子) 3

最近接領域に注目して伸ばす(自閉っ子と言葉のない5歳の子) 4

でレッスンの様子を記事にさせてもらった

未熟児で生まれた後遺症から

さまざまな面で発達に遅れがあり言葉のない世界で暮らしている年長さんの●くん

(先の記事では★くんとさせていただいています)

と自閉症の診断を受けている4歳になったばかりの☆ちゃんのレッスンの様子です。

また、今回は、「心が大きく広がり始めた♪」うれしい成長

の記事で紹介させてもらった年中さんの★くんもこの日のレッスンに参加していました。

少し前まで、興味や遊び方に偏りがあって、

絵カードを1枚ずつめくって、「これなあに?」とたずねていくだけの遊びや

マス目のあるシートにマグネットシールを貼っていくだけの遊びに

こだわり続けていた☆ちゃんが、

最近になってごっこ遊びを楽しむようになってきました。

ままごとやドールハウスで長い間遊んでいます。

 

また、カードをめくっていくだけの遊びに興じている時も、

これまでなら、いつまでもひとり遊びを続けていたのですが、

自分からカードを手にして他の子のところにいって

いっしょに遊ぶことを求めるようになってきました。

 

人との関わりを楽しいものとして受け入れ始めている☆ちゃんの

成長がうれしいです。

川のイラストがついているブロックの基礎板で遊んでいるところです。

★くんは想像力に弱さがあるため、いつまでたっても

川の上を舟を行き来させる遊びから発展しにくいです。

そこで、★くんが目で見て判断しながら遊べるようなシーンを

いくつか作ってあげることにしました。

 

① 舟の乗り場

 

人形を待たせておいて、ここから舟に乗せます。

」乗り場で人形を乗せる」遊びができるようになると、

バス停でバスを待つ遊びや、駅で電車を待つ遊びや、飛行場で飛行機を待つ遊びなどに

つながりやすいです。

それぞれアナウンスや切符のやりとりなどを工夫すると

ごっこ遊びが盛り上がります。

 

② 舟が滑って行く坂

 

ブロックの基礎板に最初から坂があったので、

今回はそれを利用していますが、

そうしたものがない時も、板やブロックで坂を作って、

滑るシーンを作ると、想像力に弱さがある子も遊びやすいです。

★くんが舟が転覆するようことにして遊びはじめたので、

●くんのお母さんがおぼれたお人形が岸まで泳いでいくシーンをやってみせると、

大喜びでした。

 

●くんも★くんの遊びに興味があるようでしたが、「乗り場で人が待っているということ」や

「舟が転覆するということ」「転覆すると人形がどうなるのか」ということは

理解できていないようで、

遊び方に★くんとの質的な違いを感じました。

また、その部分にこれからの●くんの課題も見えました。

●くんはブロックの車をつないで、トンネルをくぐらせて

遊ぶことができます。非常にシンプルなものとはいえ、

ごっこ遊びにつながるようなある一定の流れのある遊びが理解できているという

ことです。

でも、その段階からなかなか抜けられないのも事実です。

その鍵をみにぎるのは、川のごっこ遊びの際に見えてきた

●くんの課題にあるようです。

●くんは身体の筋力をコントロールする力が弱い子です。

自閉症ではないのに、

気に入ったおもちゃをテーブルの上に持ってきては、目の前で前後させるようにして

遊ぶのは、目周りの筋力の弱さから来ているようです。

目を動かすことに困難があるので、どうしても視野が狭くなり、

遊びの内容が理解しずらくなるようです。

他の子の遊びも、断片的にしか見えていないため、理解するのが難しいようです。

もちろん、もっと複雑でさまざまな原因が絡み合って

理解するのが難しくなっているのですが、

そうした身体の問題に配慮することで、それまで興味を持たなかったことにも

注意が向くようになることもよくあるのです。

 

次回に続きます。

 


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2 コメント

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Unknown (セナの母)
2013-11-29 00:27:16
本日は有り難うございました。
今回もたくさんのこと、勉強させて頂きました。

公園でいつも
落とすと足の骨が折れそうな大きい石を常に持ちあるいたり、
この石、持って帰ってパパに見せよう、ばーばに見せようなど。
石に限らず大きな木の枝などもよく持っているので、
絵に描いたような男の子の図に思え、
みんなこんなものなのだと思ってました。

先生に言われるまで、
なんでこんなに石、石、言うのか不思議でしたが、
ただ単に「好き」なんですね~。

私自身、
親が進める道と、自分の進みたい道があまりにも
離れていて大変だったので、

出来るだけ、
そうはならないよう意識してるつもりですが、
たびたびレッスンで先生に軌道修正して頂かないと
なかなか難しそうです。。

そして、
ずっと泣いてたごめんなさいの件、

わざとじゃないのに、
どうして謝らないといけないの?
あてたんじゃなくて、あたっちゃったんだよ。

らしきことを家でも私に対してよく言います。

わざとじゃなくても
相手が痛い思いしたり、嫌な思いしたら
謝ったほうがいいよ、
セナくんもぶつかられて痛い思いしても
相手が何も言わなかったら悲しいでしょ?

など言っても、
悲しくないよ、と返ってきますが、、

恥ずかしながら、
ダメなことをしたら謝るんだよと、ほとんど教えてこなかったせいもあるかもしれません。。

少しずつ言えるようになるよう、
他のことで自身をつけてあげながら
意識してみます。

あと、兄弟間のことに関しては、
やはりそうなのですねとしか言いようがありません。

上のこの話を聞いたり、
できるだけ相手はしてるつもりでしたが、
また初心に戻って
丁寧に関わっていかないとと思いました。

しかし、今日のレッスンが終わってから、
わたしの意識が微妙にセナに向いてるのを察して
イッセイのアピールがすごいです。

また次回のレッスンを楽しみにしています。
有り難うございました。
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Unknown (ハミーママ)
2013-11-29 12:53:54
昨日はレッスンありがとうございました。

レッスン中、言いそびれてしまいましたが、ハヤトもセナくんと同じように石が好きで、散歩の時はいつも拾ってます。私も男の子はそういうものだと思っていました。

感覚型の子供同志、興味が似ていているというお話、考えたら当たり前かもしれませんが、妙に納得してしまいました。
子供があんなに執拗に、友達のおもちゃを欲しがる姿、久しぶりに見ましたから。
代用品では納得せず、『お母さん取って来て』と泣いて私に訴えてくる子供に何も言えず、どう接したらよかったか反省中です。

我慢することや、共有する楽しさなど、成長に応じて学んでいってくれればいいなと思います。

また、いつか五色浜に行って、石を拾って、子供がどんな顔をするのか、楽しみです。

色々な気付きを本当にありがとうございました。
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