未熟児で生まれた後遺症から
さまざまな面で発達に遅れがあり言葉のない世界で暮らしている5歳の★くん
と自閉症の診断を受けている3歳の☆ちゃんのレッスンの様子です。
ハンディーキャップのない子たちの場合、「どこに注目して伸ばすか」という
アプローチはあまり必要ないと思っています。
大人側が子どもの能力を系統学習に添って伸ばしたいと思うあまり、
決まった課題に執着することは、かえって子どもの成長を損ねることにもなるかもしれません。
けれども、子どもが何らかのハンディーを持っているとしたら、
身近な人がその子の課題のひとつを絞り込んで、
「その一点を伸ばしていこう」
「この課題がスムーズにおこなえるまで付き合おう」
「それを乗り越えられるように、しばらくそれを意識して生活しよう」
と考えることは重要なんじゃないか、
と思っています。
だとすると、「どこに注目し何を伸ばすのか 」という
現在、焦点を当てるべき課題を
どうやって見つければいいでしょう?
わたしは子どもとの遊びや物作りなどの場面で、
「これがこの子の最近接領域」という部分に注目し、
それをお家に帰ってからの課題として、
「これこれこのような形で繰り返しそれをやってみるようにしてみたら?」と
親御さんに伝えています。
最近接領域とは、「大人がほんの少し手伝ってあげたらできるけれども、
まだ自分ひとりでは達成できない」という課題です。
たとえば、今回レッスンに来ていた★くんと☆ちゃんでしたら、
こんな最近接領域が見つかりました。
途中ですが、次回に続きます。
「お勉強には、3種類あるんだよ。ひとつは一人でも理解できる勉強、一人では全く取り組むことさえもできない勉強、そしてその間には誰かのサポートがあれば理解できる勉強があるんだよ。その間の勉強を難しい言葉で表すと「最近接領域」というんだよ。」
「ママと今2種類の問題集をやってるよね。一つはエムアクセスの国語の文法の問題集、もう一つはふくしま国語塾の語彙力の問題集だよね。エムアクセスの方は、今はすらすらできるけど、前はどうだった?難しくて取り掛かるのが嫌で、ぐずぐず文句を言ってたよね?でも今はそれは一人でできる勉強のグループに入りつつあるよね。だから、このふくしま国語塾の問題集もそのうちすらすらできるようになるんだよ。ママは
「最接近領域」のお勉強にしか、隣について教えたりしないのだよ。一人でできるお勉強の種類が徐々に増えてきているんだよ。」と説明したら、珍しく納得してくれました。
ふくしま先生もご著書で、「守破離」の大切さを書かれていました。
そして、「それぞれの学びは根底でつながっている」とういうようなことも書かれていたような。
それはなおみ先生がおっしゃる「全体の中の一部」につながるものと思っています。
体調不良で婦人科に行ったら、大勢の妊婦さんが待合室にいらっしゃいました。
「虹色教室通信」のことを教えてあげたい、時間があるうちに読んでほしいという衝動にかられましたが、恥ずかしさから、言えずに帰宅しました。
これから生まれる赤ちゃんたち、そしてママたちに心から幸せになってほしいと思います。