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虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

5、6歳児は、イメージの世界ではかけ算やわり算を理解しているという話 1

2015-11-19 07:51:00 | 教育論 読者の方からのQ&A

子どもたちと工作を楽しんでいると、

子どもは学校でかけ算やわり算を習うよりずっと前に、五感と感情を介して、

イメージの世界でそれを理解しているということがよくわかります。

比や分数、小数の意味なども、幼児のうちに自然に何となく把握していく子は多いです。

 

とはいえ、

工作やアイデアを盛り込みつつするごっこ遊びやボードゲームカードゲームの類などで、

自分の感情がそれに強い関心を寄せている時に、実際に手で触って、動かして、

不必要に見える遠回りな段階を踏んだ上で……という話ですが。

 

幼児というのは、考えずに丸のみするのも上手ですから、

プリントや映像でやり方を暗記して、形だけできるようになっても、

五感と感情を通して、身体でわかったという状態に達していないと、

むしろその後の深い理解を妨げるのも実感しています。

 

「この車のタイヤはいくつ?」と

たずねて、ミニカーを見せると、「4つ」と即答できる子に、

「それなら、車が2台あると、タイヤは全部でいくつだと思う?」とたずねると、

「5つ」と答えたり、「5かな?んーと7かな?8?それとも9?」とあてずっぽうで

返事をしたりすることがあります。

1台につきタイヤは4つとわかっていても、2台だと、4つと4つ……つまり、

4+4で4×2であって、

3台なら、4+4+4で4×3となるんだ、と察することができるようになるには、

そうした状態から、何段階か思考の方法がレベルアップする必要があるのです。

このレベルアップは、工作のように、ゼロからイメージすることや

手を使って物を操作することを伴う活動をよくしていると、たいていの子が年長までに

こうしたかけ算のイメージや「2ひきの昆虫を作るのに、あしが13本分あるとすると、

1本はあまるけど、2ひき作れるな」というあまりのあるわり算のイメージを

獲得しているのがわかります。

たとえ自分では作らずに、「ママ、作って!」と甘えている状態でも、

「ちゃんともうひとつ作ってくれているかな」と関心を持って親が作る姿を

見守っている子や、

「ちがうよ。ここは、こうなっているんだよ。ここが1つ足りないよ」と

口はしっかり出しているという子はそれだけで思考のあり方を更新しているようです。

 

 

写真は本を見て、「これほしい」と思うと、

あっという間に手元の紙をジョキジョキ切りだして、

それらしい形を作ってしまう年少のAくんの作品。

レスキュー車と忍者の武器です。

武器の円錐形の作り方だけは少し手伝って教えたのですが、3つまで作り終えてから、

わたしがもう1つ作っている手元と土台のセロテープの芯の空きスペースを見ながら、

「とんがりは5いるのに、それだと4になるから足りないよ。

ここに空いているところがあるから、4にしても、もう1こおけるから、5にできるよ。

だめだよ。4じゃ。もうひとつ丸い形がいる」とぶつくさぼやいていました。

 

 

 

 


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