虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

発達障害なのかどうか気になるけれど、やっぱりちがうかなぁ~とも思う子を育てている方に 2

2011-08-22 18:33:35 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子
私の子どもの頃を振り返ってみると、前回紹介した『でこぼこした発達の子どもたち』の
感覚統合発達のチェックリストで引っかかる点がたくさんありました。

私は<前庭感覚が非常に敏感な子によくみられる特徴>の
乗り物酔いや、用心深くて動きが遅い子で、回転遊具や滑り台などで遊ぶことを避けるところがありました。

<固有感覚が非常に敏感な子によくみられる特徴>の
筋肉を伸ばされるのを嫌ったり、強い刺激を筋肉に受ける体重負荷運動を避けるところもありました。

<視覚が非常に敏感な子によくみられる特徴>の
動いている物や人に圧倒される特徴もあり、
目を使うと、頭痛や吐き気やめまいがしていました。

<動きや筋肉の感覚の識別>の
自分の動きがわからず、動きをうまくコントロールできなかったり、
シャツの袖を正す、といった「手足を動かしながら調整する」のが苦手なところもありました。
また、物や他人と自分の身体の位置関係を理解できず、
よく転倒したり、つまずいたり、物にぶつかったり
する子でもありました。

他にもさまざまな苦手があったのですが、
ある部分で他の子よりも得意だったり、すぐにマスターできるようになるものもあったので、
園や学校の先生からは、私の訴えは、「わがまま」とか「仮病」とか「甘え」と捉えられて、
取り合ってもらえないことがよくありました。

子どもの頃の私は遠足や運動会などの行事が大嫌いでした。
理由は、一年を通して続いていた
頭痛やめまいです。

人がたくさんいて、さまざまな刺激があふれている場では
吐き気がひどくて立っているのもやっとだったのです。

でも病院で血液検査などをすると何ともありませんから、
診断する医師や結果を聞いた教師からは、
「怠け病」とか「母原病」とか「仮病」などと言われることもよくあって、
それに恐れをなした私は
いつも大量に冷や汗をかいて吐きはじめるまで我慢していました。
すると、そうして疲労がたまっている晩はぜんそく発作を起こして一睡もできず、
翌日に学校を休むことになって、周囲の大人たちからはよく「甘え病」と言われていました。

大人になった今とその頃の私を比べると、当時はあんなに苦しかったのに
本当によくがんばっていたものだと思います。

子どもだからこそ文句も言わず、現状を受け入れて耐えることができたのでしょう。
でも、そうして苦しい状況に耐えてがまんしているときに、
大人から「仮病」だとか「甘え」だとかいう言葉を投げかけられたことは
身を切るように辛いことでした。

子どもって、自分だけが不利な状況でしんどい思いをすることくらいは
頑張って耐えられるものなのです。
でも、誤解されたり、そんな自分をけなされたり、そのことで拒絶されたりすることは
たまらなく辛いことなのだと思います。

現状は変わらなくても、身近な大人がまなざしを変えるだけで、子どもの耐える力や向上心が
より高まるはずです。


『でこぼこした発達の子どもたち』には、
「正しい知識で賢明な親になるための9つのステップ」
が紹介されています。
そのまなざしの優しさと温かさに
私の傷ついた子ども時代が癒されるような心地がしました。

簡単に要約して紹介しますが、すばらしい本ですから、ぜひきちんとした形で読んでみてくださいね。

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◆「しんどい」や「疲れた」ばかり言っている子。よく食べ、
よく寝ているのに、だらだらして、ドアノブを回すのさえめんどくさそう……。

→<次のように考え方を変えましょう>

その子が「疲れた」と言うときは、本当にそうなのです。日常の物事をやりたがらないのではなくて、
やりたくても本当にやることができないのです。
その子は自分の力に限界があることを無意識のうちに理解しているのでしょう。
ですからしなければならない最低限のこと、たとえば食べ物を噛む、車に乗り降りするといったことを
するために余分なエネルギーを使わずに貯めておく必要があると理解してあげましょう。

◆「この子が賢い子だということはわかっているのですが、
外では黙っていて、賢そうに見えません。」

→<次のように考え方を変えましょう>

感覚統合障害は非常に知的な子どもも含め、すべてのタイプの子にあらわれる障害です。
その子が人前であまり口をきかない理由は、自分が他人の期待に応えられないときに
どうすれば愚かに見せないで済むか、その方法を知っているからなのでしょう。

◆「うちの子は読むことはダメ、走るのも苦手。勉強も運動もダメなんてどうしてあげるといいのかしら……」

→<次のように考え方を変えましょう>

ほかの生き物に対して並はずれた共感や思いやりを見せることができる、創造的思考力が優れている、すばらしいユーモアのセンスがある、こうしたこの子の特別な敏感性は実はすばらしい才能なのかもしれません……。

◆「この子は独占欲が強すぎます。おもちゃは貸さないし、ゲームに負けると
泣いてふさぎこみます。

→<次のように考え方を変えましょう>

その子が物を欲しがったり、他人からの注目を受けたがったりするのは、
自分の中に存在するわずかな自尊心を補強するためです。
いつも自分のことを「落ちこぼれ」や「いくじなし」などと思っているからこそ、
「勝ち」にこだわるのでしょう。その子が
欲張りに見えるのは、それらに飢えているからなのです。

◆「うちの子は柔軟性がなくて頑固。同じ服を着て、同じ物を食べたがります。」

→<次のように考え方を変えましょう>

その子はわざと頑固にしているのではありません。
日々変化するさまざまな要求に自分の行動を順応させることができないので、
自分が確実にできることに
しがみついておく必要があるのです。

◆「保育園の先生はうちの子のために余分な時間を使わなければならないらしく
着替えくらいはひとりでできるようにと言われています。
でも毎朝、子どもが怒りを爆発させるので着替えを手伝っています。」

→<次のように考え方を変えましょう>

自立心をつけなければいけないからといって、何でもかんでも子ども任せにしたり、
子どもを無視するのは賢明ではありません。
子どもの生活を楽しく安全なものにするために、
自分ができることをするのが本当の意味で賢明な親です。

    『でこぼこした発達の子どもたち』(キャロル・ストック・クラノウィッツ著 すばる舎)

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