goo blog サービス終了のお知らせ 

虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

国語の学習につまずきがある子に教える時に気をつけていること

2015-10-23 14:54:50 | 国語

 国語の学習につまずく子の多くは語彙量が少なくて「言葉」をあまり知りません。

 

子どもとしゃべっていると、

「短い」鉛筆も、「浅い」池も、「ゆるやかな」坂も

「少ない」量も、「小さい」とか「あれ、あれ」という言葉で済ませるなど、

意味は通じるけれど、それはちょっと……という言葉の使い方をしていることが

よくあります。

 

しょっちゅう訂正していたのでは

しゃべること自体を嫌がるようになるかもしれませんから、

楽しくおしゃべりのキャッチボールを続けながら

少しずつ間違いが修正されて、語彙量が増えるようにしてあげることが

大事だと思っています。

 

 

たとえば、子どもが作った新聞紙でできた剣を見ながらする会話でしたら、

こんな感じです。

 

<形容詞の理解が乏しい子との会話>

わたし 「この剣、かっこいいね。えいって振ったら、高い高いたか~い木も

スパッスパッて切れるよね」

子   「うん」

 

わたし 「木をね、剣で切ったら、どうなると思う?」

子   「ドテッてなる」

 

わたし  「そうよね。ドテッとね、倒れる。木が倒れるよね。雷が落ちた時みたいに」

子    「かみなりはね、こわいよ~ガラッガラバリンだよ」

 

わたし 「木はどうなるの?」

子   「ガシャガシャってね、壊れるよ」

 

わたし 「ああ~幹のところが、真っ二つに割れて、枝が1本1本、ポキンポキンと

折れて落ちるよね。火が燃えて、煙がもくもく舞い上がるかもしれないね。

かみなりは、どこから落ちてくるの?」

子   「上」

 

わたし 「上って、天井のところ?」

子   「ちがうよ。空のくものところだよ」

 

わたし  「空から地面まで落ちてくるのよね。すごくすごく遠いよね。

空と地面は遠いからね」

子    「遠くても、落ちるんだから、落ちる時はすぐなんだよ」

わたし  「滑り台を滑る時といっしょのことね。滑る時は人間も速いもんね。

新幹線みたいに。かみなりも落ちてくるから、速いのね」

 

『ちょっと難しい1000のことば』という本は

語彙が少なかったり、自分流の言葉の使い方が多くて、耳にした言葉から類推して

「だいたいこういう意味じゃないかな?」とピンとくることがあまりない子の学習に

とても役立ちます。

 

毎ページ5問ずつの線つなぎのクイズのように

楽しく取り組めるようになっています。

 

①いんぼうをたくらむ

②お母さんが先生にめんかいする。

③いちかばちかやってみよう。

 

といった聞いたことがありそうで、どういう意味かわかりにくいことばを、

短い解答と結び付けていきます。

 

A  人と会うこと。

B  うまくいくか失敗するかわからないが。

C  よくないことを計画すること。

 

★くんにこうした問題を出したところ、どれも正解することができました。

それほど言葉を知っているわけではないのでしょうが、類推するのが上手な

勘のいい子なので、五択になっている問題だと、「どれが答えに近そうか」が

ピンときたようです。

ただ、★くんがこの問題を解く姿を見て、文字を読む力のたどたどしさが

気にかかりました。

読み間違いや読み飛ばしが多く、たった二行の短い文でも

自分の読む力の危うさが原因で、何が書いてあったのか記憶に残っていないようでも

ありました。

今回の学習では、読みでつまずきかけるたびに、少し読み方のフォローをしていたので、

自分ひとりで読んで問題をすると、とたんにできる問題が減るようにも感じました。

 

理解力や考える力は高い子なので、

文字を読む際のつまずきを無くしていってあげれば、

今、国語でつまずいている状態から脱することができるのかもしれません。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

先の会話を読んでいただくとわかるように

語彙量の少ない子は、おしゃべりが楽しくなってきて言葉数が多い時にも、

「ドテッ」とか「バラバラ~」など擬音語だけでしゃべりながら、

手を振り回したり、身体ごと前のめりにこける真似をしたりして

言いたいことを伝えがちです。

そんな時、言いなおさせるのではなくて、

「そうよね。ドテッとね」と子どもの言葉をそのまま受け取ってから、

「倒れる。木が倒れるね」など、正しい言い方で言いなおすようにしています。

できるだけ短い言葉で言い直し、

後から主語をつけた形でも言い直すようにしています。

 

「倒れるのと、ぐらぐら揺れるだけなのと、どっちが怖い?」といった質問をして、

今、学んだ言葉を使う場面を設けるのもいいですね。

 

語彙の少ない子は相手の話を聞くこと自体に無関心なことがよくあって

話している最中にもプイッとよそ見をして、

自分の遊びに没頭しはじめることがあります。

 

無理のない形で、「おしゃべりをしている間は、相手の顔を見て、最後まで聞くのよ」

といったルールを繰り返し教えることも必要かもしれません。

また子どもがもっとしゃべりたい、面白い、楽しい、と感じるような

話題で会話をすることも大切だと思っています。

 

「国語の読解問題の答えは問題文の中にある」ということが

なかなかピンとこない子がいます。

 

「はなさんのお誕生日は何曜日だったでしょう?」

 

「うさぎさんは、どうして泣いていたのでしょう?」といった設問に対して、

 

問題文も読まずに、

「火曜日?」「ちがうの?じゃ、水曜日?」といった答え方をしたり、

 

「痛いから泣いてたと思う」と文章の内容とはかけ離れた、

泣いているから連想した考えを述べたりするのです。

 

そこで、「文の中に書いてあるから、文章をよく読んでね」と言っても、

文字の上を視線が上滑りに滑っていって

読んでいるのか、読んでいないのかはっきりしない時もあります。

 

そんな時に便利なのが、

クーピーペンシルや色鉛筆といったアイテムです。

 

設問の「どこで」や「どうして」「だれが」「いつ」といった部分に

色をつけてから、

文中の中からその答えになる部分を探しだして同じ色を塗るのです。

 

色を塗るという視覚的にわかりやすい行動をつけくわえてはじめて、

設問の答えって自分で思いついたことを言うんじゃなくて

文章の中に書いてあるのか、と身体で気づく子たちがいます。

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。