虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

子どもの「なぜ?」につきあう、 知りたい気持ちと響きあう

2015-12-07 16:49:14 | 教育論 読者の方からのQ&A

年少の☆ちゃん。

列車のおもちゃをセロテープで連結させてから、不思議そうに、

「どっちが前?」とたずねました。

 

動物なら顔がある方が前で、しっぽがある方が後ろなんでしょうけど、

列車の場合、前にも後ろにも顔のような運転席の部分があるので

迷ってしまったようです。

前がふたつもあって、後ろがひとつもない……そんな風に見えたようでもあります。

 

たいていの方が子どもの「なぜ?」にどう答えるか、どう教えるか、どう対応するかに

気にかけておられます。

でも、本当は、そんなことより、子ども中から生まれてきた「なぜ?」を

いっしょに味わうことや、どうしてだろうと考える楽しさにたっぷり浸ることが

大事かな、と感じています。

 

「なぜ?」と注目するポイントは子どもによって千差万別で、

子どもの「なぜ?」には、その子らしさが隠れているのです。

 

☆ちゃんの「なぜ?」は、

正しい正しくないと割り切れないような白黒つけがたいものを目にした時に、

一番よく生まれるようです。

 

だんだん暗くなりかける空を見て、「これは、夜?夜明け?」と悩んだり、

幼稚園の制服が夏服から冬服に変わる時に、季節の移り変わりと洋服の関係に

関心を抱いたり……。

 

「こうだよ」って答えを説明しにくい「なぜ?」は、

「どう答えればいいのか……」と大人を悩ませてしまいがちです。

☆ちゃんのお母さんは、答えを教えることを焦らず、

そうした「なぜ」の中に☆ちゃんらしさを感じて、☆ちゃんという子を

より深く知って、いっしょにさまざまなことを探究しあって楽しんでおられます。

 

そうするうちに、☆ちゃんは年少さんながら、

カレンダーや季節の移り変わりや昼と夜の違いや日常のさまざまな事柄に

ついて、「なぜ?」「どうして?」と疑問を抱いては、

自分なりに一生懸命考えたことを説明してくれるようになりました。

 

 


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1 コメント

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「なぜ」との付き合い方 (ひろひろりん)
2015-12-14 10:20:38
こんにちは。
いつも興味深い記事をありがとうございます。
大変勉強させていただいております。

今回の「質問」の記事も大変興味深く読ませていただきました。
現在質問魔の息子に疲れ果てているので、何か良い方法があれば・・・と思い初めてコメントさせていただきました。
(少し記事の内容とは、ずれるのかもしれませんがすみません・・・)

年少の息子は知的な遅れはないものの、集団の苦手さや感覚過敏があり、幼稚園と並行して療育にも通っています。

息子は特性なのか何なのか、「なぜ、どうして」が非常に多く、数えたことはありませんが、おそらく一日に少なくとも500回以上は質問を発します(質問相手は主に母親である私です)。

前は地図がブームで、なぜ「大阪」に「大阪府」と「大阪市」があるの?どうして、愛知県は愛知市じゃないの?
という質問、最近ではパスタは何からできてるの?お魚は骨があるのにどうしてチーズにはないの?
等、不思議に思ったことを朝から次々と口に出していく感じです。私もできる限り答えようとするのですが、
ついに疲れて「分からない」というと「どうして分からないの!」と怒ります。
相談した発達心理士の先生によると、大人は何でも知っていると思っている、自分が知らないという状態が気持ち悪いのかもね、というアドバイスをいただきました。
あまりに質問するので、「なぜ」を集めた図鑑を与えたところ喜んで、1時間ほど集中して読むようになりました。
(ひらがなとカタカナはいつの間にか読めるようになっていました)


この質問攻撃をはじめ、ほとほと息子の対応に疲れ果てていたのですが、相談させていただいたある方から、「療育等は、どうしても凹の部分に注目するけれど、息子さんのいいところを見つけて、それを伸ばすことも考えてみたらいいかも。そんなに、なんでも疑問に思うなんてすごいんじゃない?具体的な方法は分からないけれど、それを伸ばしていけたらいいね」とおっしゃっていただきました。

以前、先生の記事で、一見困ったと思うことにもそれが素晴らしい才能につながることがあること、また以前から発達障害の凹の部分に注目するのではなく、凸の部分に注目していこうとする記事を書いてくださっていることを思い出し、初めてコメント(質問)させていただこうと思いました。

初めてなので読みづらく、長文になってしまい申し訳ありません。もし、上記のような質問魔のうまい伸ばし方があれば、また記事でご教授しただければ幸いです。
息子の、自分で考えようとするのではなく、人に聞いたり、すぐ本を読んで解決したがる傾向も気になっています。
また、余談ですが、手先の不器用さもあり、以前はブロック遊びを好まなかったのですが、先生の記事で勉強させていただいていっしょに遊ぶようにしたら、だいぶブロック好きになりました。
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