自閉症の診断を受けている2歳後半の☆ちゃんと診断はまだ受けていないものの
目が合わず、他人との関わり方にさまざまな問題を持っている3歳前半の●くんのレッスンでした。
目まぐるしく動き回る☆ちゃん。
次から次へとおもちゃを広げていきます。
言葉はまだ単語がほとんどですが、前回会った時より語彙がずいぶん増えて、
物の名前を聞きたがる仕草をするようになっていました。
☆ちゃんのお母さんは、すばしっこく動きまわっては
ものを散らかしていく☆ちゃんの姿に圧倒されて、
接するタイミングがわからなくなっているようでした。
「わたしが遊びに誘っても、こちらの話を聞こうとせず、
好き勝手に振舞うばかりで、どう関わってあげたらいいのか
わかりません。
どうしたらいいのか‥‥‥」
☆ちゃんのお母さんはそう困惑しきった声でおっしゃいました。
☆ちゃんは確かに、こちらの提示する遊びに、
惹きつけられるように
興味を示す子ではありません。
相互に関わりあうのも苦手です。
おまけにこのところ注意されることが増えたため
お母さんの声がわずらわしいのか、以前にもまして
大人からかけられる声を遮断して、避けているようでもありました。
その一方で、スキンシップを好むし、積み木をドミノのように並べてガラガラ倒す遊びや、
「あれれ?あれれ?」と言いながら椅子やテーブル越しにのぞきっこする遊び、
「おにさん」「きりんさん」と言いながらお母さんに絵を描くように催促してそれを眺める遊び等、
本人がケラケラ笑い出すような遊びを作れば、いっしょにやり取りするのも楽しめます。
また、これまで何度かいっしょに過ごした●くんと●くんのお母さんのすることに
関心を寄せていて、
●くんがやりはじめたことはたいてい自分もやりたがるのです。
そうした☆ちゃんの姿からは、自閉症の特性を持っているとはいえ、
人と関わる力の高さが感じられます。
また、さまざまな物を受け入れる許容する力の大きさや
利発さも、遊ぶ姿から伝わってきます。
ただ、☆ちゃんのお母さんが、意思疎通が難しい☆ちゃんの動き方に圧倒されて、
主導権の全てを☆ちゃんに明け渡してしまっていることが、
☆ちゃんの良い面を見えにくくも、活かしにくくもしているようでもありました。
次回に続きます。