虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

広汎性発達障がいと診断されたり、広汎性発達障がいの疑いを指摘されたら 30

2012-02-28 09:17:22 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

同じタイトルのまま、長々と記事が続いていますが、

これまで伝えたくても、どうしてもうまく伝えられなかった事柄を、

何とか言語化しておきたいという思いがありますので、もう少しだけお付き合いくださいね。

前回までの記事に、●くんのお母さんから、再びコメントをいただきました。

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私も,文章化して整理してみることで,レッスンでの息子の心の動きと先生の言っておられたことが繋がって,半分は?整理できたかな,と思っております。

どうして今回先生のおっしゃったことがうまく伝わりにくかったのかということを,私も今回の記事を熟読しながら考えおります。

私自身のダメなところからかもしれませんが,私は,息子の心の動きよりも目に見えている現象(アウトプット)にばかり目がいっていたのかもしれません。

レッスンの前半,確かに息子は防衛的な態度を取り、まだ30分も経っていないのに「おうちへ帰りたい」と,すがるような表情で私にひっついていました。そんな息子に,先生は工作を誘ってくださりますが,案の定工作には「イヤ」と言って応じない…

レッスンを通してずっと私にひっつきながら電車のおもちゃばかり触って(これは,こうしていると心が落ち着くのかな?と最近感じています)いて,先生の誘いかけにも応じず,工作も全くだし,「はぁ」(溜め息),というのが私の第一の感想でした。先生が「色々気になるところはありますが,おおまかに言って大丈夫ですよ」と言われる言葉が,私にはむなしく慰めのように聞こえたのです。

しかし,今回,先生がレッスン時のほんの数分間の息子の心の微細な動きにまで,焦点を当てて文章化してくださったことで,「ああ、あの場面ではこういう心の動きがあったのか」と,本当に納得できました。

そして,今まで,意識はしながらもアウトプットにばかり目が行きがちで,そこでみたものを息子や自分にフィードバックして落ち込んでいたんだなということが,今ようやくわかりました。

これから,日常生活でもどんな場面でも,息子と向き合う際,息子の心の動きをもっと大切にしていきたいな,と改めて思いました。それには,自分の「ものさし」の方向を変え,息子の「ものさし」に近づけるようにしてもっと洗練させる必要がありますね。
簡単なようで難しいことです。でも,それに気づかせてくださった先生に,また感謝しております。

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何度もすいません。

一つ,大切なことを書き忘れておりました。

レッスンの後,教室のドアを閉めると,息子が開口一番,こういったんです。
「あ~~先生のところ,楽しかった~」と。

私はその言葉を聞いてびっくりしたんです。
あんなにも、「楽しくなさそうな」(私からみたら)していたのに、息子はそう捉えていたのか!と。

息子の見方,感じ方,私のみていたもの,感じていたもの,先生のみていたもの、感じていたもの,それぞれだったんですね。
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●くんのお母さんのコメントを読ませていただきながら、

これまで親御さんの見え方と自分の見え方の差をすり合わせていく努力を怠ってきたことに

思いが至りました。

 

つい最近にも、同様の胸のなかに「ん?」と引っかかるものを感じながら、

それをそのままにしていた出来事があったことを思いだしました。

それはこのブログで何度か記事にさせていただいている

自閉症のトムくんのお母さんであるyoshikoさんと

お話をしていた時のことです。

yoshikoさんは次のようにおっしゃいました。

「わたし、1年以上前に奈緒美先生がおっしゃってた関わりができるようになったかな?と思ってるところなんです。

 たとえば、トムのことを完全に真似する。そこに、私の解釈もやりとりも加えず、

たとえばお風呂や遊び場で、トムのいうことを完全にコピーし、待つ。様子をうかがう。
そうすると、トムがのってくるんですよね。」

ちょうど1年前までは、トムくんは誰かとのやりとりを自発的に行うことが

とても難しい状態でした。

ですから、yoshikoさんはトムくんと何かを共有する時間が持ちたいと

強く願っておられたのです。

その当時、わたしは自分がトムくんとどのように関わってっていて、

共有できる活動を広げていくのか、説明したり、実際目で確かめていただいたりしたものの

うまく伝わらなかったのです。

でも、1年経った今、yoshikoさんはそれを身体で体得されたようなのです。

「よかった~」と思う一方で、現在のトムくんの内面は

1年前からするとずいぶん進歩していて、さまざまな新しい可能性の芽が

見え隠れしている状態で、

そうした関わり方だけでは物足りないのではないか、とも思われました。

 

レッスンが近づいたので、次回に続きます。


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1 コメント

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Unknown (エメラルド)
2012-02-29 14:33:26
長い記事を勉強させていただいてます。ものさしを自分の子どもに合わせると・・どうなのかなと。工作より本物の料理に興味がある場合は、無理におままごとしなくてもそれも工作と同じように考えてもいいのでしょうか。
記事にプラスしていただけたら嬉しいですが、出来てたものが、ある年齢から怖くなるのは、きっかけや周りが見えてきた証拠だといわれますが、本人がその場で怖かった報告が出来ません。怖いままの印象でおわってしまってる場合は、また少しずつやりなおして体験させていけばいいのでしょうか。進んでは怖がるの繰り返しです。
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