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春画先生

2023-10-14 22:13:23 | 映画
追記:北香那ちゃん、ユリちゃんの「広島シャンゴ」に出てたんや!?自分のブログを読んで気付かされた(汗)完全に失念しておりましたm(__)m



安達祐実ちゃん、出てくるの遅すぎ!と思ってしまったくらい、

いったい私は何を観させられているのだろうか??と暗中模索状態だった。

まだ昨日の「月」の余韻が残る中観てしまったことに、チケットの取り方を失敗したと後悔するほどだった。「月」も本作も事前にネット購入していたが、まさかこんなに「月」が余韻たなびくとは思ってなかった…。

ということで、予告編を観たときに、春画を巡る愛憎コメディーものだと思って観たら全然ちがった。祐実ちゃんが登場してからは娯楽作品として楽しめたので、早く登場してほしかった。

祐実ちゃんは子役の頃から全然歳を取らないキュートさがあるのに、演技力や表現力はめちゃくちゃ素晴らしい。ユリちゃんのドラマでのバトルシーンが本当にリアルな感情をユリちゃんにぶつけていて、凄い女優さんだと思った。だから、早く祐実ちゃんに登場してもらって安心感が欲しかったのに…


てっきり、ウッチー演じる春画先生を巡って北香那ちゃんと安達祐実ちゃんのバトルが繰り広げられる内容なのかと思いきや、

香那ちゃんと柄本佑君が!!な見せ場と

香那ちゃんと祐実ちゃんが!!な見せ場と

香那ちゃんとウッチーが!!な見せ場が、

春画の世界観を遥かに超えてきた。

北香那ちゃんの最初の登場シーンでは、めちゃくちゃ清純なイメージしかなかったのに、春画との出会い、先生との出会いによって淫靡な世界に覚醒されていく様であったり、先生に対する狂気的な執着心であったり、先生の亡くなった前妻に対する嫉妬心の表現が、まるで道成寺の清姫が乗り移ったかのようで、清楚さとのギャップが凄まじかった。

香那ちゃんの、体当たりとは言いたくないが、役に対する覚悟と根性は称賛ものでした。新人賞を狙えるくらいのものはあった。

個人的には、まさかの柄本佑君演じる編集者とのシーンにドン引きしてしまって、いったい何を観させられているのか?なぜ平然と先生と編集者とドライブできるのか?香那ちゃん演じる弓子の心理状態が全く分からなくなって、早く祐実ちゃん出てきて!と思ったわけであります。

最初の10分ほどで、春画作品のディテールの細かさであったり奥深さの説明があって、ドラマと同時に春画の紹介があるのかと思いきや、それこそ浮世離れした恋愛関係を描いていたり、弓子の淫靡さと狂気さが際立ちすぎて、春画との直接的な関連性が全く見えてこなかったのが残念だった。ただの春画大好きとしか登場人物を描いていないように感じてならなかった。


ウッチー演じる春画先生は、由々しき肩書きがあろうとも、結局はただの変態。

柄本佑君演じる編集者も真面目そうではないが、チャラくもないが、男女相手問わず淫靡な世界の住民。

祐実ちゃん演じる春画先生の元嫁の双子の姉は、ラスボス的に登場し、結果的に弓子に新しい淫靡な世界へと導く。まるで春画先生が望むがごとく。

最後まで観たら、様々な愛の形を描いたミュージカル「アスペクツ・オブ・ラブ」みたいな内容です。良く書けば。

悪く書けば、金持ちの変態娯楽にしか感じなかった。

春画のどこに淫靡さがあって、浮世離れした恋愛関係になるのか私には全く理解できなかった。

あ、ちなみに、私は、淫靡とエロスは同じだとは解釈してません。


好きな相手がいて、他の男と寝るか!?それを繰り返すか??

その2人の目合いを音声で聞いて楽しいか?

男2対女1の3P楽しいか?

好きな相手ならなんでもできるんか?

女王様に目覚めて楽しいか?

奴隷になって楽しいか?

「月」のR15指定は納得できないが、この作品はR15で納得。

役者さんは本当に良く頑張って演じられていましたが、作品としては、メッセージ性がなくてイマイチだった。

春画といば、蛸と海女の絵。

小学生の頃に観た、緒形拳さん主演の「北斎漫画」で衝撃的だった海女と蛸の絡みのシーン。当時は、映画タイトルが分からずそのシーンの記憶しかなく、長い年月を経て再見することができた。

改めて絵を見た時は、やはりなんとも言い難い究極のエロスを感じたね。あの絵には最高級のエロスが棚引いている。映画は、小学生の頃は衝撃的シーンだったけど、大人になってから観たら、卑猥でしかなかった。蛸の中に人が入ってるんやろな〜的な着ぐるみ感に興ざめした。着眼点はいいんだけどね…。←何様や!?

絵には、見る者の想像力によって、実写では表現できないエロスが更に充満している。

海女と蛸の春画ではないが、「ニンフォマニアック」でも春画絵が登場してた。西洋ではどう解釈されているのか興味深いところ。

春画って、江戸時代の、写真がない時代のエロ本としての意味合いが強いのかな?と思ったけど、西洋絵画にも裸体を描写した作品は多いが、目合い描写は見たことないから、そういう意味でも、日本の春画は究極のエロス作品だと思った。

春画作品を見て感じるのは、接続部のディテールがあまにもリアルなのに、男性の局部が異常に大きかったりと、そんな人いるん?と思うくらいデフォルメされている。

映画では女性の爪先のことを言及されていましたが、私は、男女の絡みでお尻の位置や向きがあまにも不自然すぎて、それが身体の曲線美に繋がっていると思った。

浮世絵画の大作も数多くありながら、対照的に存在する春画の数々。浮世絵という遠近法のない平べったい描写で平べったい顔族の男女のくんずほぐれつを生々しく描いている様は、元々日本は、性に対して欧米よりはるかに寛容だったことがわかる。

なのに明治維新後から、男は男らしく、女は女らしくといった多様性の微塵も感じないしきたりを押し付けられて、ホンマ迷惑極まりない。

かといって、性に寛容すぎるのも問題があると思うが…。

ぶっちゃけ書くと、映画にはR指定があるのに、美術作品にはR指定がない矛盾に納得いかないんだけどね。その判断基準が知りたい。

以前はR18だった作品が、今ではR15になっていたり、成人映画と区別すればいいだけのことじゃないの?って思った。っていうか、そもそも成人映画って何?っていう疑問があるが。

映画はAVじゃないなら、芸術作品として解釈すべきだと思う。

女優さんのヌードシーンが多い寺山修司映画作品なんて、意味不明な内容だけどアート作品にしか思えない。

人間は、ルールに縛られると、裏でコソコソルール違反したくなるからある程度は緩和すべきだと思う。

っていうか、性に対して発言することに羞恥心ありすぎ。どうやって子供作るねん!そんなに恥ずかしことか!って言いたくなる。

大人が子供たちに何が芸術で、何が芸術じゃないのかちゃんと教えられるようにならないと、いつまでもたっても性犯罪は減らないよ。って私は思うけどね。

何が芸術で、何が芸術でないかは、やはり作者の意図を聞くべし。

ということで、つまらない作品と書いてしまったら、演者さんの努力が報われないので、頑張って膨らませて書きました。

いつものごとく、理解不能で下手な文章だけど…(汗)

まだまだ「月」の余韻に浸りたいので、文庫本を買ったので読んでいきます。





2023-10-14 00:51:00 | 映画
「福田村事件」がPG12指定で、こっちがR15指定なのか意味が分からん。

訂正:「月」もPG12指定でした。m(__)m何を見てR15だと勘違いしたのだろうか…?

残虐描写は圧倒的に「福田村〜」の方がエグいのに。

えっ?自慰?シーンでR指定受けてるっていうん?

オイオイオイオイ、

生々しい殺害シーンより、たった数秒の性描写の方が子供たちに悪影響を与えるって言うのか?

私に言わせれば、たとえアニメであっても残虐描写が多い「鬼滅の刃」の方がR指定もんだよ!

判断基準おかしくないか???


ということで、タイトルの「月」。りえちゃんが主演。テーマは長澤まさみさんと松山ケンイチ君主演の「ロストケア」と同じ障害者大量殺人。ちなみに「ロストケア」は高齢者の大量殺人で、原作は事件より前に刊行されているが。

そして、監督が太賀君主演の「生きちゃった」の石井裕也監督。

これは、もう観ないわけにはいかんだろ!ということで観てきました。

ぶっちゃけ書いて申し訳ないですが、最初に書いたように「福田村事件」と比較してしまった。

「福田村〜」は、単館系であっても連日超満員。同じ社会性があり、現実に起きた大事件でもあり、社会的にも大問題になった題材を取り上げている「月」だって超満員になってもおかしくないくらい普遍的なテーマ、人間の尊厳を描かれているのに、上映館数が少なすぎじゃないかい?

これまたぶっちゃけ書きます。

「福田村事件」ほど衝撃はなかった。「ロストケア」ほど感情移入することもなかった。「怪物」みたいに、すぐにもう一回観たいとも思わなかった。

でも、数年後にもう一回観たい作品。

なぜなら、自分の価値観を確かめたいから。

「ロストケア」みたいに、私自身を投影させるくらい感動することはなかったけど、海外で評価して欲しいくらい、メッセージ性に普遍性がある。

誰もが直視しないといけない人間の尊厳と命の尊厳。

私には子供がいないが、もし子供がいてその子が、

「どうして人を殺したらいけないの?」

と聞いてきたら、なんて答えますか?

ゴキブリや蚊やハエは平気で殺すのに、人間を殺してはいけないのはなぜ?

と聞かれたらなんて答えますか?

人間は、牛や豚や鶏、魚…を殺して食べてるのに、どうして人間を殺してはいけないの?

「日本国憲法で基本的人権によって守られているからだよ」

と子供に言って納得すると思う?理解してくれると思う?

久能整くんに言わせれば、人を殺してはいけない法律はない。ただ、人を殺したら刑法で罰せられる。

だが、正義の名の下で戦争で人を殺しても罰せられない。

むしろ、それってどういうこと?ってなるよね?

これは、生きる理由は何?という問いとは全然違うんだよ。

人間は動物と違って知能があるから殺したら駄目なんだよ、と言って子供が納得しますか?

それなら、かつて世界中で大問題になり、ドキュメンタリー映画の題材になった日本のイルカ漁と同じだよね?

当時は、クジラ漁よりめちゃくちゃ批判されたやん?

知能があるから殺したら駄目なら、知能がない人間、映画で言うところの、心がない人間なら殺してもいいの?ってことになるよね?

もうこれは、答えが見つからない永遠のイタチごっこ。

要は、子供にどうやって命の尊厳を納得できるように説明できるか?ってことですよ。

人間の尊厳、命の尊厳は、自分自分の深層心理をめちゃくちゃ問われる大事な大事なテーマ。

誰もがじっくり考えないといけない大事なテーマ。

答えが見つからなくても、学校で、生徒同士で、家庭内でもじっくり話し合わないといけない大事なテーマなんだよ。どんな授業よりも大事なテーマなんだよ。

事件が起こったあとじゃ遅すぎるんだよ。

ミスチルの♪Hero♪の歌詞にあるように、映像の世界でも当たり前のように、現実の社会でも、ましては戦争でも当たり前のように大多数の人間が殺されていく。

ぶっちゃけね、私も10代の頃は、親父に「さっさと死ね!」と何度も何度も言ってたよ。嫌いな人間、イジメてくる奴らも、さっさと死ね!と願ってたよ。少なくとも、私自身がさっさと死にたかったかよ。この理不尽さが永遠に続くんだったら死んだ方がマシだった。

両親の前で手首を切ろうとした時があって、オカンが真剣に止めにきた時に、嘘でも自殺はやめようと思った。親の反応を試そうと思ったのは事実だけど、誰も止めに来なかったら、間違いなく切ってた。ま、親父は止めようとはしなかったけどね。それが更に親父に対する恨みを募らせることになったけどね。死ぬ気もないのに真似ごとするな!って言われてるみたいだったから。

そこからは、オカンが亡くなるまでは本当に親父とは疎遠だった。入院したときも一度も見舞いに行かなかったし。

まさか、オカンが先に亡くなって、自分が親父の面倒をみるなんて全く思ってもなかったし、身体が弱く認知症が進んできた親父を家でみることが出来なかったから、なんども病院を転院した。やっと長期で療養出来る病院に転院出来たときは本当にホッとした。

だから、私も介護拒否というネグレクト虐待をしているのとなんら変わらないし。自分でも最低な人間だと自覚してる。

もし、親父が病院で虐待されていても文句を言う資格はないと思っていた。

有り難いことに、どの病院でもよくしてもらったので感謝しかない。

入院する前は、お酒を飲むと豹変して暴力を振るう親父だったのに、認知症がすすむにつれて可愛らしい無邪気な男の子みたいになっていたことが本当にビックリした。建前かもしれないけど看護師さん達の人気者だった。私自身、不思議なことに、育てたこともない自分の子供と関わっている感覚だった。

そんな中、一回だけ親父と一緒に死のうと思ったことがあった。生活が苦しくなるくらい困窮した時があって、兄貴に迷惑をかけられないから親父と一緒に車のまま川に飛び込もうかと脳裏をよぎったことがあった。

ちょうど後部座席で親父がヨーグルトを無邪気に美味しそうに頬張っている姿を見た時に、初めて育ての親の気持ちが分かった、気がした。この親父をちゃんと守らないと!と。

不思議なことに、悪いことは続かなかった。もちろん、良いことも続かないが…。死なずに済んだ。

若い頃は、さっさと死んでくれ!と願い出たくらい、親父に対して恨みまくっていたのに、親父を生かそうとしている自分の変化に自分自身が一番驚いた。

親父が亡くなるまでの約3年間は本当に学びと感謝しかなかった。

親父の存在を許すことが出来てからは、人生がめちゃくちゃ生きやすくなった。

それまでは、いっぱいいっぱい嘘をついてきた人生だったから。世の中をナメて生きていたから、人間関係もいっぱいトラブルを起こしてきた。もちろん親父だけでなく兄貴とも仲が悪かったし。他人様なんてなおさら。

親父から生きることの意味をたくさん教わった。認知症じゃなかったらたくさん聞きたいことがあったのに…。

そこからの本題。

なぜ人を殺したらいけないのか?

今の私が言えることは、自然死だったら心からご冥福を祈ることができるが、殺されたら、たとえ自死であっても、誰か必ず心に深い傷を負う人物が現れるから殺してはいけない、と。

無念とは一生付き合っていかないといけない苦しみ。愛情が深ければ深いほど、傷も同じくらい深く切り刻まれてしまう。悲しみだけじゃなく怒りも。残された人間も報われないんだよ。

その人たちの傷をどうやって治すの?必ずしも時間が経てば解決する問題ではない。心の闇は、ふとしたきっかけで蘇ってくる。

謝って済む問題じゃない。お金で解決する問題でもない。セラピーを受けたら治る問題でもない。

その残された人たちから、亡くなった人の命だけでなく、一緒に育んでいく未来の時間と喜びの時間を奪ったんだよ。命と時間は失ったら二度と戻ってこないんだよ。

生きていても未来は暗い?

と思ってるのはあなただけ。どうして未来は暗いと決めつける?未来のことは誰も分からない。自分の価値観と他人の価値観は同じじゃないんだよ。

って言うかもね。

この作品には、奪われた時間だけでなく、映画は2時間で終わりだけどこれから育んでいくであろう未来時間も見える内容だったので、

R15の縛りは不必要だと思う。直接的グロいシーンは一切ない。石井監督の優しさしかない見えてこない。

そうそう、石井監督の、尾野真千子さん主演の「茜色に焼かれる」を配信で観たが、やはり私が女優でも惚れてまう監督の優しさを感じた。ダークな内容かと思いきや、結構ほのぼのシーンも多く良い作品だった。

昔の映画は、たとえ映像の世界といえども、子役に対しても虐待ととれるシーンがたくさんあった。今ならコンプライアンスで訴えられるシーンが多々あった。例:「鬼畜」

それに比べたら、俳優の演技の素晴らしさしか伝わってこない見せ方になってる。

物語の背景や内容がR指定だと思わない。R指定をもらうくらい俳優陣の演技がリアルだった証拠だと思ってる。

むしろ、この作品を観て命について語り合うべきだと思う。自分自身についてもっともっと内観すべきだと思う。自分の中にいる醜い悪魔の存在に気づくべきだと思う。



りえちゃん、ホンマええ仕事選んだ!石井監督もよくぞりえちゃんをキャスティングした!私なら女優賞あげたい!文句なく素晴らしかった!

オダジョーさんがめちゃくちゃ癒やされる。「湯を沸かすほどの熱い愛」のリベンジのような、りえちゃんとの夫婦役がめちゃくちゃ和ませる。ふと「血と骨」のチンピラ役がフラッシュバックされたけど、全然癒やされる役だった。

テーブルで向き合って、小さなこと(決して小さなことではないが)を喜びあえる2人のシーンが最高に良かった!

りえちゃんもオダジョーさんも過去1の最高の表情だった。

磯村勇斗君もホンマ天才!完全なるサイコパスではなく、環境によって崩壊された人格を丁寧に演じていて、人間の本当の怖さは、外見ではなく内面にあることを伝える説得力がありました。

二階堂ふみちゃんも、ちょうど予告で「翔んで埼玉」が流れたあとだったから、育ちはお嬢さま風だけど内面の脆さをふみちゃんも丁寧に演じていて素晴らしかった。

個人的には、板谷由夏さんが出られていて、たまたま今期のドラマ「ブラック・ファミリア」を観ていたのでめちゃくちゃ嬉しかった。ブラックシリーズ第三弾、3話以降も楽しみ!

それから、高畑淳子さん。チョイ役だけど大事な存在。

未来のことは誰もわからない。生まれてくる子供が健常者か障害者かも分からない。

私に言わせれば、健常者だって障害者だよ。性格が悪い人間、心が汚い人間は、心の障害者だと思うよ。

皆、皆、某の障害者なんだから、お互い労り合わないとね。戦争してる場合じゃないよ。

向き合わないといけない現実。目をそらしたくなる現実。苦しい時は、逃げることも大事。でも、現実と向き合うことも大事。というか、いつか必ず向き合わないといけない日がくる。

喜びも悲しみも分かち合える相手がいるだけで十分幸せだと思うんだよ。

りえちゃんとオダジョーさん演じる夫婦は理想の夫婦像だと思う。

人生、山あり谷あり。困難も1人じゃ難しくて乗り越えられなくても、2人なら出来ることもある。


できれば、世界の賞レースで女優賞、男優賞を獲って欲しい。もちろん作品賞も監督賞も脚色賞も!