追記:北香那ちゃん、ユリちゃんの「広島シャンゴ」に出てたんや!?自分のブログを読んで気付かされた(汗)完全に失念しておりましたm(__)m
安達祐実ちゃん、出てくるの遅すぎ!と思ってしまったくらい、
いったい私は何を観させられているのだろうか??と暗中模索状態だった。
まだ昨日の「月」の余韻が残る中観てしまったことに、チケットの取り方を失敗したと後悔するほどだった。「月」も本作も事前にネット購入していたが、まさかこんなに「月」が余韻たなびくとは思ってなかった…。
ということで、予告編を観たときに、春画を巡る愛憎コメディーものだと思って観たら全然ちがった。祐実ちゃんが登場してからは娯楽作品として楽しめたので、早く登場してほしかった。
祐実ちゃんは子役の頃から全然歳を取らないキュートさがあるのに、演技力や表現力はめちゃくちゃ素晴らしい。ユリちゃんのドラマでのバトルシーンが本当にリアルな感情をユリちゃんにぶつけていて、凄い女優さんだと思った。だから、早く祐実ちゃんに登場してもらって安心感が欲しかったのに…。
てっきり、ウッチー演じる春画先生を巡って北香那ちゃんと安達祐実ちゃんのバトルが繰り広げられる内容なのかと思いきや、
香那ちゃんと柄本佑君が!!な見せ場と
香那ちゃんと祐実ちゃんが!!な見せ場と
香那ちゃんとウッチーが!!な見せ場が、
春画の世界観を遥かに超えてきた。
北香那ちゃんの最初の登場シーンでは、めちゃくちゃ清純なイメージしかなかったのに、春画との出会い、先生との出会いによって淫靡な世界に覚醒されていく様であったり、先生に対する狂気的な執着心であったり、先生の亡くなった前妻に対する嫉妬心の表現が、まるで道成寺の清姫が乗り移ったかのようで、清楚さとのギャップが凄まじかった。
香那ちゃんの、体当たりとは言いたくないが、役に対する覚悟と根性は称賛ものでした。新人賞を狙えるくらいのものはあった。
個人的には、まさかの柄本佑君演じる編集者とのシーンにドン引きしてしまって、いったい何を観させられているのか?なぜ平然と先生と編集者とドライブできるのか?香那ちゃん演じる弓子の心理状態が全く分からなくなって、早く祐実ちゃん出てきて!と思ったわけであります。
最初の10分ほどで、春画作品のディテールの細かさであったり奥深さの説明があって、ドラマと同時に春画の紹介があるのかと思いきや、それこそ浮世離れした恋愛関係を描いていたり、弓子の淫靡さと狂気さが際立ちすぎて、春画との直接的な関連性が全く見えてこなかったのが残念だった。ただの春画大好きとしか登場人物を描いていないように感じてならなかった。
ウッチー演じる春画先生は、由々しき肩書きがあろうとも、結局はただの変態。
柄本佑君演じる編集者も真面目そうではないが、チャラくもないが、男女相手問わず淫靡な世界の住民。
祐実ちゃん演じる春画先生の元嫁の双子の姉は、ラスボス的に登場し、結果的に弓子に新しい淫靡な世界へと導く。まるで春画先生が望むがごとく。
最後まで観たら、様々な愛の形を描いたミュージカル「アスペクツ・オブ・ラブ」みたいな内容です。良く書けば。
悪く書けば、金持ちの変態娯楽にしか感じなかった。
春画のどこに淫靡さがあって、浮世離れした恋愛関係になるのか私には全く理解できなかった。
あ、ちなみに、私は、淫靡とエロスは同じだとは解釈してません。
好きな相手がいて、他の男と寝るか!?それを繰り返すか??
その2人の目合いを音声で聞いて楽しいか?
男2対女1の3P楽しいか?
好きな相手ならなんでもできるんか?
女王様に目覚めて楽しいか?
奴隷になって楽しいか?
「月」のR15指定は納得できないが、この作品はR15で納得。
役者さんは本当に良く頑張って演じられていましたが、作品としては、メッセージ性がなくてイマイチだった。
春画といば、蛸と海女の絵。
小学生の頃に観た、緒形拳さん主演の「北斎漫画」で衝撃的だった海女と蛸の絡みのシーン。当時は、映画タイトルが分からずそのシーンの記憶しかなく、長い年月を経て再見することができた。
改めて絵を見た時は、やはりなんとも言い難い究極のエロスを感じたね。あの絵には最高級のエロスが棚引いている。映画は、小学生の頃は衝撃的シーンだったけど、大人になってから観たら、卑猥でしかなかった。蛸の中に人が入ってるんやろな〜的な着ぐるみ感に興ざめした。着眼点はいいんだけどね…。←何様や!?
絵には、見る者の想像力によって、実写では表現できないエロスが更に充満している。
海女と蛸の春画ではないが、「ニンフォマニアック」でも春画絵が登場してた。西洋ではどう解釈されているのか興味深いところ。
春画って、江戸時代の、写真がない時代のエロ本としての意味合いが強いのかな?と思ったけど、西洋絵画にも裸体を描写した作品は多いが、目合い描写は見たことないから、そういう意味でも、日本の春画は究極のエロス作品だと思った。
春画作品を見て感じるのは、接続部のディテールがあまにもリアルなのに、男性の局部が異常に大きかったりと、そんな人いるん?と思うくらいデフォルメされている。
映画では女性の爪先のことを言及されていましたが、私は、男女の絡みでお尻の位置や向きがあまにも不自然すぎて、それが身体の曲線美に繋がっていると思った。
浮世絵画の大作も数多くありながら、対照的に存在する春画の数々。浮世絵という遠近法のない平べったい描写で平べったい顔族の男女のくんずほぐれつを生々しく描いている様は、元々日本は、性に対して欧米よりはるかに寛容だったことがわかる。
なのに明治維新後から、男は男らしく、女は女らしくといった多様性の微塵も感じないしきたりを押し付けられて、ホンマ迷惑極まりない。
かといって、性に寛容すぎるのも問題があると思うが…。
ぶっちゃけ書くと、映画にはR指定があるのに、美術作品にはR指定がない矛盾に納得いかないんだけどね。その判断基準が知りたい。
以前はR18だった作品が、今ではR15になっていたり、成人映画と区別すればいいだけのことじゃないの?って思った。っていうか、そもそも成人映画って何?っていう疑問があるが。
映画はAVじゃないなら、芸術作品として解釈すべきだと思う。
女優さんのヌードシーンが多い寺山修司映画作品なんて、意味不明な内容だけどアート作品にしか思えない。
人間は、ルールに縛られると、裏でコソコソルール違反したくなるからある程度は緩和すべきだと思う。
っていうか、性に対して発言することに羞恥心ありすぎ。どうやって子供作るねん!そんなに恥ずかしことか!って言いたくなる。
大人が子供たちに何が芸術で、何が芸術じゃないのかちゃんと教えられるようにならないと、いつまでもたっても性犯罪は減らないよ。って私は思うけどね。
何が芸術で、何が芸術でないかは、やはり作者の意図を聞くべし。
ということで、つまらない作品と書いてしまったら、演者さんの努力が報われないので、頑張って膨らませて書きました。
いつものごとく、理解不能で下手な文章だけど…(汗)
まだまだ「月」の余韻に浸りたいので、文庫本を買ったので読んでいきます。