水彩画と俳句の世界

自然を愛し、感性を大切にして「水彩画と俳句の世界」を楽しんでいます。

10月の詩(頬の花)

2022年10月01日 18時17分18秒 | 夏の俳句

           懐かしい林檎 6F 水彩

     朴の花

通学の子らの見上げる朴の花  惟之

やはらかに両耳撫づる青田風

鎮魂の知床岬朴散華

曾良の墓詠ひし友よ沙羅の花

ゆっくりとお前も生きろ大蚯蚓

    誌上句会 兼題「爽やか」

特選

爽やかや風尖りゆく石切り場  洋子

爽やかに父とハミング赤とんぼ  治子

爽涼や天使の眠る乳母車  珠子

病癒ゆる人見送りぬ爽やかに  博女

爽やかや琵琶湖に浮かぶヨットの帆  靜風

秀作

爽やかや湖へ裾曳く近江富士  三枝子

爽やかに富士垣間見る小海線  啓子

爽やかなしぶきに黙す摩崖仏  みどり

山腹に一湖の澄みて爽やかに  紀久子

爽涼の風と走るや若き車夫  文夫

爽やかに挨拶散歩の顔なじみ  洋子

爽やかや藍染浴衣発表会  招義

爽やかや屋根から屋根へ大鉄塔  三郎

産土を風爽やかに吹く日かな  泰山

爽やかや海を遠見の牧に立ち  稔

伎芸天へ一礼深く爽やかに  洋子

爽やかに十国見ゆと言ふ峠  和男

爽やかや信州山清路の旅  秀輔

さやけしや今朝の目覚めの気持ち良き  祐枝女

爽やかや風吹き抜ける武家屋敷  敏子

整列の球児の涙爽やかに  まこと

爽やかやリズム刻んで山の雨  翆

風の吹く朝の牧場や爽やかに  美智子

爽やかや読経流るる九品仏  万智子

爽やかやお守り光るランドセル  博之

入選

せせらぎのひびき爽やか峡の谷  靖子

シュワ―シュワ―と炭酸水の爽気かな  恵子

爽涼や蘆を濡らして渚駆け  蒔子

爽やかや逆転満塁ホームラン  捨弘

爽やかや湖畔のテラス彩深め  克彦

土器を未来へ投げる爽やかさ  胡蝶

学僧の礼深深と爽やかに  廣平

爽やかにクラリネットのブラスかな  惟之

爽やかや嵯峨野を過る川の風  信義

爽やかやラのハミングの歌ひ出し  歌蓮

爽やかな目覚めの断捨離今日こそは  陽子

登校の朝の挨拶爽やかに  美代子

選者

平泉文化の里や爽やかに  東音

   やまびこ(八月号作品から)感銘・共鳴ーー私の好きな一句

藤房や風のもつれを風のとく  きぬ

ゆく雲に一句のそだつ暮春かな  きぬ

余命など人ごととして青菜飯  爽見

野仏の石にかへるやすみれ草  そよ女

逃げ水を追ってハーレーダビットソン  胡蝶

この家のものにござると軒燕  節

葉桜や戦火かなしきくにのあり  東音

春雨にゆるにきつたる水面かな  爽見

鳥帰る見知らぬ空へ身を任せ  道子

振り向けば今日が暮れゆく山桜  千代

空き家にも残りし屋号燕来る  節子

絵画展余韻の胸へ花吹雪  美枝

副作用と治療の狭間春帽子  紫陽

春北風や青き地球に戦下の火  咲久子

野に山に光撒きゆく若葉風  つとむ

   俳誌嵯峨野 十月号(通巻615号)より

  

 

 

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