南禅寺の本堂裏の銀杏
日時:2009年11月19日(木)10:00~17:00
吟行場所:南禅寺・水路閣・南禅院・大方丈・金地院・三門
句会:国際文化交流会館
紅葉の美しい南禅寺で秋の響高槻句会の吟行をしました。ゲストには響関門句会の西村和子さんを向かえて、全員参加の11人でした。吟行はみんなで見た風景、感じた心を共通の土俵で17文字に表現する難しさ、楽しさがある。スケールの大きな句、一枚の絵を見るような句、悟りを知り尽くしたような句など吟行ならではのいい句が沢山でました。選句されなかったなかにも佳句が多くありました。本日の巻頭句は洋子さんの水路閣の句でした。水路閣が近江より冬を運んで来たという全く人を喰ったようなスケールの大きな俳句でした。また、西村和子さん選ばれた3句はまるで「冬初め句会破りの秀句かな」でした。以下、入点句を示します。
10点句 水路閣近江より冬運びおり 洋子
7点句 三門の聳えし果てに冬の天 裕毅
6点句 石庭の砂紋を照らしてつわ灯かり 心太
5点句 人の世は今修羅にあり冬紅葉 よう子
解脱せし心の如く黄落す 久子
4点句 雲流れ巨木の幹に銀杏散る 久子
黄落や鐘楼の鍵古りてをり 惟之
水の音茶室に映える庭紅葉 久子
紅葉見て門を潜ればまたもみじ 捨弘
3点句 秋冷の寺苑にせはし竹箒 和子
2点句 流れ行く水に紅葉の紅おどる 敬子
額縁は寺の山門紅葉燃ゆ 洋子
色変えぬ松に添いける紅葉かな 捨弘
五右衛門の琴線に触れ秋惜しむ 心太
襖絵の虎の水呑む小春かな 照子
1点句 山門を潜る2人や秋日和 捨弘
この門を出れば湯豆腐たのしみに 心太
僧堂の修行の声や新松子 久子
池の面に触るる蔦紅葉 照子
水路閣冬の琵琶湖の創る音 心太
襖絵の仙人黙し冬ざるる 裕毅
小流れの処処に落葉のとどこれり 和子
禅堂に寒気のピンと張り詰めし 裕毅
水底に螺鈿の如き紅葉散る よう子
水路閣上より見むと落葉道 和子
お気に入り 秋晴れや比叡仰げば蹴上照る ひろよし