水彩画と俳句の世界

自然を愛し、感性を大切にして「水彩画と俳句の世界」を楽しんでいます。

十二の詩(鳥兜)

2020年11月30日 14時24分37秒 | 秋の俳句

  

        弘誓寺の蜜柑かがやきはじめたり(東近江)水彩6F    

      鳥  兜

  鮒ずしや北湖南湖を食べ比ぶ  惟之

  吾子泣ひて尾のなき守宮放しけり

  盆三日帰れぬ子等と絵を交はす

  稲光湖を平らに走りけり

  鳥兜ひつそり郡れし比良比叡

     誌上句会 兼題「秋夕焼」

  特選

  秋夕焼映す川面や風立ちぬ  保子

  山上に祀らるる舟秋夕焼   惟之

  一仕事終へて珈琲秋夕焼   円町

  山山の渓の深さよ秋夕焼   みどり

  すり抜けるスケボーの子や秋夕焼   佳子    

  秀作

  鐘の音の海に出てゆく秋夕焼   京子

  秋夕焼大河の蛇行浮き立たせ   章代

  望洋の高台に酌み秋夕焼   稔

  トロムソを水平移動秋夕焼  胡蝶

  海に沿ふ秋夕焼の五能線   和男

  日照雨過ぐ秋夕焼の嵯峨野かな  美智子

  秋夕焼クラブ帰りの子らのこゑ  靖子

  久に見る秋夕焼の鳰の湖   静風

  秋夕焼真つ只中に漁る    三枝子

  犬吠の波のパノラマ秋夕焼  陽子

  ラクビ―のゴールホストや秋夕焼 恵子

  鳥羽の海の船の行く手や秋夕焼  須磨子

  清閑な鍵屋の辻や秋夕焼   敏子

  秋夕焼子らの約束またあした まこと

  古里に弟ひとり秋夕焼    富治

  秋夕焼天空映える高野山   珠子

  パスポート白きままなり秋夕焼  秀穂

  秋夕焼戦艦大和の如き雲   詔義

  黒雲は火を噴くゴジラ秋夕焼   啓子

  アンコールの仏塔浄土秋夕焼   咲久子

      やまびこ(十月号作品から)感銘・共鳴ーー私の好きな一句

  花栗の濡るるともなく月に濡れ  清次

  若葉風寐てゐる部屋を通りけり  志津

  母の日や千人針の遠き日を    爽見

  十薬の一揆めく香のありにけり  爽見

  衣替へてどこにも行かぬ日の続き  和子

  口端にものらず父の日暮れにけり  素岳

  ふと香る少年の髪夏の雨    久美子

  久久の車窓青葉の迫りけり   東音 

  老ひてなほ夢を追ひたし茄子の花  きぬ

  草笛を吹いて歳月呼び戻す   素岳

  青嵐一過里山裏返る      圧知

  はつなつの百葉箱の白きかな  怜

  心の荷一つづつ解く更衣    近子

  噴水に恋の告白さらはれる   布美子

  遠慮なき母子二人の午睡かな  彩子

  風薫る心に寒くチェロを聞く  英二

      俳誌 嵯峨野 十二月号(通巻593号)より 

 

  

    

 

  

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北国街道今庄宿

2020年11月26日 14時04分33秒 | 低山ハイキング

      北国街道今庄宿(今庄観光協会パンフより)

 北陸の玄関口・今庄宿の街道歩きをしました。短冊状の全長1kmばかりの街道ですが、今庄の歴史を探る楽しい町歩きでした。石山駅から近江塩津、敦賀、今庄駅へ2時間ばかりでしたが、いい一日を過ごしました。

 険しい峠を背にする今庄宿は、京や江戸に行き来する越前国の各藩や旅人が必ずといっていいほど利用しました。江戸時代のある旅日記には、茶店で田楽や蕎麦が売られ、都訛りの言葉で呼び込みをする今庄宿のにぎやかな情景が記されています。幕末の記録では旅籠屋55軒、茶屋15軒、酒屋15軒、娼屋2軒などがあったとされ、大きな宿場町として繁栄した様子がうかがえます(今庄観光協会パンフレットより記載)。

 今庄駅ー御札場跡(北村善六家)-高札場跡ー白駒酒蔵ー吉五商店ー高野由平商店(梅肉)-今庄宿入口(稲荷神社)-昭和会館ー脇本陣跡ー本陣跡ー旅籠若狭屋ー京藤甚五郎家・脇本陣跡ー北陸線踏切ー今庄宿入口ーおばあちゃんの店(そば処)-今庄小学校前ー今庄駐在所前ー北陸線高架橋ー今庄駅

  今庄へ北陸トンネル冬に入る    惟之      

  街道にうだつ連なり柿熟るる

  軒下の杉玉ゆれて新走り(御札場跡)  

  梅肉のひと箸試食生姜味

  大雪は軒うえ越えて御札場跡

  今庄の本陣跡や柿熟るる

  古地図の真中に安土紅葉散る(京藤甚五郎家・脇本陣跡)

  脇本陣に紅葉且つ散り刀傷(京藤甚五郎家・脇本陣跡)

  街道に蕎麦あり酒あり娼家あり

  ゴジラゐるナンバープレート冬日差し

  今庄におろしそばあり友は酒

  そば食へば北陸本線列車ゆく

  冬浅し駅のベンチにゴジラ座す

  校庭に子等の声なき神無月

  高架よりそば工場も酒蔵も

  欄干におろし蕎麦あり楽しかり

  吊るし柿ずらり10連土産とや

  冬に入る北陸トンネルいと長し

 今庄駅ホーム

 今庄駅ホーム2

 今庄駅おみやげ屋

 つるし柿のお土産

 

 秋晴れて今庄駅前清水酌む

 

 街道脇に忠魂碑

北善商店。享保元年(1716年)創業。落札と金銀を両替する御札場を勤めた北村家の造り酒屋。酒銘「聖乃御代」は、戦後、平和な時代への祈りを込めて京都の高僧が命名したと伝えられる。 

 杉玉の小さく揺れて新走り

 大雪の時は小屋根を越えて積もったと北善商店のご主人

 御札場跡の案内

 

 街道行く

元禄10年(1679年)創業。徳川将軍奉行所より「古代酒監札」を交付された京藤家の白駒酒造。

 100年以上変わらないこだわりの味噌つくり。厚揚げや豆腐もおすすめの吉五商店

  梅肉の看板を掲げる高野由平商店

 稲荷神社前(今庄入口)

 冬の日のきららと照りて地蔵尊

 白壁の街道をゆく仲間かな

 新羅神社の鳥居まえ行く

  高札場跡の案内

  街道に柿熟るるなり日を浴びて

 

 街道の昭和会館紅葉晴れ

 昭和会館・脇本陣跡の案内

 明治天皇行在所跡

 本陣跡の案内

 街道に紅葉且つ散る門屋場跡

  京藤甚五郎家の案内

  京藤甚五郎家の脇本陣跡、奥の縁側に刀傷の柱

 酒に酔った浪士がつけた柱の刀傷

  ゴジラがデザインされて福井のナンバープレート

 今庄宿南の入口

 おばいちゃんの店

 北陸本線踏切を行く列車

  今庄小学校前

 

  国道365線沿いを行く

  今庄駐在所

  清らかな流れの日野川

 

 高架橋の欄干の今庄そば

 ベンチの怪獣(敦賀駅)

 江戸時代の今庄の賑わい(今庄駅にて)

 

 

 

 

 

  

  

 

 

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案山子の創作展

2020年11月20日 14時14分18秒 | 展覧会

 

             案山子の創作展(大津市関津) 

  案山子の創作展がありました。案山子は竹や藁などで人の形を造り、田畑に立てて、鳥獣が寄るのをおどし防ぐもので秋の季語。農神でもあった。ここに登場の案山子はあまりに見事で、時を忘れで楽しませて頂きました。   

   老二人手と手を合わす案山子かな   惟之

   かかし村こちらですよと指す案山子

   受付はテントの下の案山子かな

   土手に座し園児見守る案山子かな

   うら若き少し色気な案山子かな

   母と子の仲睦まじき案山子かな

   背の丸き案山子居並ぶ野菜畑

   幸福の亀と一緒の案山子かな

   山並の彼方は比叡すすき原

   

        

 

 

 

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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