水彩画と俳句の世界

自然を愛し、感性を大切にして「水彩画と俳句の世界」を楽しんでいます。

五月の詩(帆柱)

2017年04月24日 16時03分51秒 | 新年の俳句

 

                                建仁寺の春(2017.4.14) 

      帆柱

 雪中の煤払なり三井の鐘  惟之

 虎河豚の鰭は貼られて売られけり

 群立の帆柱染める初日かな

 初場所の小兵の一本背負かな

 初暦幼の好きなぐりとぐら

    誌上句会 兼題「初蝶」より 

 初蝶や今日は新しき風に会ふ  洋子

 すつと来てすつと去りたり初喋喋  初枝

 諸手あげ初蝶となる幼き子  秀子

 初蝶のたどたどしさや草むらへ  美枝

 初蝶やどこまで飛べる危なげに  テル

 初蝶やつかずはなれず径はさみ  幸子

 初蝶の句碑よむごとく縺れあふ  惟之

    やまびこ 感銘・共鳴ー私のすきな一句より    

 冬の蝶小さな花を選びけり  海男

 純白の富士冬天を引き絞る  勝彦

 健脚の九十歳の冬帽子    近子

 風花や終の握手と知る無言  ちか

 三千歩やつと歩けて赤のまま  志津

 茶柱の立つよろしさや冬の朝  のの女

 山茶花や無一物とはなりきれず  和子

 人声の川に沿いゆく小六月   鈴枝

 乳母車から秋空を蹴ってをり  方城

 初霜や野面の果ての備前富士  収子

 万葉の里を彩る柿たわわ    惟之

 花梨の実触れさせてやる肩車  克水

 一粒の葡萄含みて返事待つ   睦美

 脳外科の入口広し冬大路    つとむ

 水影の杭に降り立つ冬鴉    勝彦

 鈴生りの柿や湖北の観世音   勢津子

 免許証まだ返しかね秋深し   博女       

             俳誌 嵯峨野 五月号(通巻第550号)より  

 

 

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膳所公園の桜

2017年04月22日 15時52分05秒 | 風景

   膳所公園の桜(大津市本丸町) 6F  水彩

膳所公園(膳所城跡公園)の写生会に参加しました。4月13日(木)は絶好の写生日和でした。

目的地までの湖岸風景と花見風景を掲載し、凡句を添えました。

 旅支度終へて寛ぐ百合鴎  惟之

 湖へ向く四高桜の花盛り

 鳩も来て子らも遊びし花盛り

 句座もあり唄ふ人あり花の下

 ハーモニカ吹いて楽しい花の昼 

 春の日を確と受けをり芭蕉句碑

  唐橋公園の桜

  日溜りに列になっているゆりかもめ。遠景は近江大橋と比叡山系

 

  湖岸の四高桜

  四高桜の碑

  膳所公園入口 

出会いの人とおしゃべりしながらここで写生

 それぞれの昼さがり

  先生と園児一行

 句座の風景

 遊具と桜

  唄に合わせてハーモニカ

  幼子も鳩も集いて花の下

  湖南アルプスの見える舟溜り 

  芭蕉句碑 湖や暑さを惜しむ雲の峰

  参加6名の作品を並べてのおしゃべり

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春の鴨

2017年04月04日 11時30分32秒 | 春の俳句

   瀬田川沿いのふくらむ蕾     

さくらの蕾がふくらみ、川辺に山茱萸の花がこぼれ、土手にはいぬふぐりが咲きのぼりました。そして、群遊していた瀬田洗堰の鴨は僅かな番が残こる春の鴨となりました。春らしくなった画像を求めて朝の散歩。歳時記から好きな俳句を探してみました。

山茱萸に明るき言葉こぼし合ふ   鍵和田袖子 

   

  いぬふぐり星のまたたく如くなり  高浜虚子 

 

  連翹の黄に触れ胎の子が動く  樟 豊

  たんぽぽや日はいつまでも大空に  中村汀女

  水仙を剣のごとくに活けし庵   山口青頓

  白い星のような草の花  

  釣鐘のまわりに紫の小花を沢山つけた草の花

  木蓮が頭上にありて胸開く  坪内捻典

 残りしか残されゐしか春の鴨  岡本 瞳

 

  鴨や鳰が見られなくなり、寂しくなった瀬田川洗堰の水辺   

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四月の詩(鴨一家)

2017年04月02日 04時39分53秒 | 冬の俳句

 

         妙心寺・待賢門院桜(京都)2016年

     鴨一家

  タグボート四隅繋がれ冬に入る  惟之

  桟橋は猫の居場所や冬日和

  千尋の谷へ舞ひ下る鷹一羽

  鯛焼きの殿につく京の街

  鴨一家お尻ふりふり行く水辺

    やまびこ 感銘・共鳴ー私の好きな一句

  新米と申し仏飯高く盛る    洋子

  2歳児は競ふことなく運動会  すみれ

  この部屋の止まりし時計鳥渡る  洋子

  生も死も神に委ねし暮秋かな  近子

  添うがごと水引の花師の句碑に  東音

  我が影も掃き寄せてゐる秋の暮  勝彦

  浜菊や切り岸のぼる潮がしら   道子

  佳きことのありそう朝の二重虹  志津

  花薄両手を上げて海を見る    志津

  カンバスの素描へ秋の日差しかな  勝彦

     誌上句会 兼題「野焼」 

  郷愁のまぶたに今も野火揺るる  洋子

  新しき命宿して野焼かな     秀子

  大阿蘇や野焼の跡のなまなまし  初枝

  どこからか風の運びし野焼の香  美枝

  大和路の遠近煙る野焼かな    幸子

  菜焼され新土となりて気も新た  テル

  野火放つ明日の豊作夢に見て   捨弘

  山裾の野焼の煙川わたる     惟之

     俳誌 嵯峨野四月号(通巻549号)より

    

  

    

  

  

  

 

  

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