水彩画と俳句の世界

自然を愛し、感性を大切にして「水彩画と俳句の世界」を楽しんでいます。

九月の詩(御車返し)

2021年08月31日 09時52分10秒 | 夏の俳句

           明智越(京都・亀岡) 40号 

   御車返し

山上に御車返しなる桜   惟之

散る花の一片おほきひらひらと

不動寺に花の絨毯薄明り

鶯の四方に啼きをり遠比叡

新緑のトンネル抜けて山下る

   誌上句会 兼題「青田」

特選

窓四方開けて青田の風に棲む  三枝子

かぎろひの里の朝風青田風  洋子

そよぎ立つ色に力や青田風  みどり

学校田に学年の旗青田風  恵子

十勝野を統ぶるうねりや青田風  泰山

秀作

青田風受けて農具の泥洗う  まこと

旅なかば青田の中の無人駅  文夫

近江路や湖東三山青田中  捨弘

青田見ゆ写経の硯洗ふとき  稔

媼ゆく青田の風に押されつつ  秀子

青田風古きよきもの大世帯  珠子

一枝と見紛ふ青田川向う  詔義

賑やかに青田は子らのビオトープ  清次

青田風遠く列なす小学生  靜風

歓声の子ら水遊び青田風  惟之

  やまびこ(七月号作品から)感銘・共鳴ーー私の好きな一句

伊予和紙の細き罫線春の雨  そよ女

ごろりごろり蓮華畑に転びたし  志津

老い母の守り来し畦蕗の薹  東音

卒寿にて解ることあり梅の花  和子

このままの人生もよし草萌ゆる  道子

引鶴や出羽三山の晴れわたり  怜

猫の耳かすかに動き春炬燵  みどり

白木蓮咲くにためらひありにけり  豊子

みほとけのみほとりつつむ余寒かな  邦弘

啓蟄や居心地のよい地下茶房  アイ子

花大根休みやすみの鍬の音  安惠

春風やビルの谷間の佃煮屋  眞喜子

  俳誌嵯峨野 九月号(通巻第602号)より

 

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