水彩画と俳句の世界

自然を愛し、感性を大切にして「水彩画と俳句の世界」を楽しんでいます。

八月の詩(鉄砲の里)

2022年07月28日 17時40分54秒 | 春の俳句

           由布岳の夏 8号 水彩

     鉄砲の里 

涅槃会や木に掛けられ鉢と杖  惟之

国友の鉄砲の里花吹雪

姉妹都市キーウに支援花ミモザ

卒寿ゆく句友三人リラの花

そら豆の花つぎつぎと目を開く

     誌上句会 兼題「卯の花」

特選

ふるさとに近き谷川花卯木  紀久子

球場へ卯の花垣をガイドにし  歌蓮

柳生みちはここより険し花うつぎ  三枝子

復員の父も迎へし花うつぎ  秀子

卯の花や昼を静かに和紙の里  和男

秀作

卯の花や阿闍梨京へのけもの道  胡蝶

貴船路の流れの清し花卯木  惟之

好ましやうつむき加減の花卯木  啓子

一病を癒す卯の花明りかな  みどり

卯の花や夕風かろき川堤  靖子

父の忌を終へて卯の花明りかな  美智子

卯の花やどの道行くも雨もよひ  文夫

からころと沢音軽し花卯木  三郎

高野山詣での車窓花うつぎ  洋子

卯の花の山河明るしるし峡の村  藤子

欄干の朱色背に花卯木  恵子

卯の花に見送られをり小さき旅  泰山

花うつぎ言葉少なの山男  廣平

卯の花や古墳へたどる垣根径  まこと

伸びやかに下校チャイムや花うつぎ  洋子

八重うつぎ金平糖の白き星  秀輔

郷愁の卯の花匂ふ屋敷跡  敏子

川音に宵の卯の花白白と  洋子

卯の花のかはいさ交わすおつきあひ  陽子

かやぶきの旧家の垣根花卯木  祐枝女

入選

雨の中卯の花垣根の友を訪ふ  翠

さよならと卯の花垣の曲がり角  珠子

ゆるやかな坂の小藪や花うつぎ  克彦

花卯木日差し集めて山の道  篤子

卯の花に歌ふ幼の夕べかな  ともはる

しっとりと雨の風情の花うつぎ  靜風

卯の花の咲く土手道や水に雲  正和

手水鉢へしだるる庭の花うつぎ  須美子

卯の花や我はひたすら畑に立ち  博光

卯の花の香り広ごる朝の風  信義

卯の花の匂ひかすかや振り返る  博女

これ以上咲く余地はなし花卯木  美代子

選者吟g王

卯の花垣や隠し念仏の里  東音

  やまびこ(六月号作品から)感銘・共鳴ーー私の好きな一句

手のひらにつつむ命や寒卵  勝彦

ただいまの声一人づつ日脚伸ぶ  清次

雪形の駒痩せてゆく遠嶺かな  怜

山里に古代の神や木の根聞く  優江

俳縁を大事に菊の根分けかな  近子

告白はしてきたかりき囀れり  史子

蒼海へなだるる崖の野水仙  咲久子

白といふ寂の明るさ春の雪  杏花

水仙に有無を言はせぬ海の風  鈴枝

掴みたるノブのぬくもり春の夜  爽見

春炬燵聞こえぬふりの地獄耳  方城

献立も昔のままに雛の膳  京子

太極拳春の扉を押し開く  捨弘

熱さまし与へてみたき恋の猫  廣平

春の雪降りては消ゆるロダン像  多喜子

かばんから春を小分けに旅土産  耕憲

   俳誌嵯峨野 八月号(通巻613号)より

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

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