水彩画と俳句の世界

自然を愛し、感性を大切にして「水彩画と俳句の世界」を楽しんでいます。

一月の詩(稲たわわ)

2021年12月31日 15時33分05秒 | 秋の俳句

            下鴨神社(京都市左京区下鴨)

    稲たわわ

帰京する子に手渡しぬ賀茂なすび  惟之

山並へ子らとスキップ稲たわわ

兄いもと笛吹き合ひて秋の宵

雨上がり子らと摘みゐる秋の花

車椅子テニスに見入る夜半の秋

   誌上句会 兼題「小春」

特選

達磨さん転んだが好き小春の日  廣平

母の紅さして幼の小春かな  文夫

多摩穏やか富士穏やかに小春風  清次

夫の忌の近き窓拭く小春の日  みどり

小春風スキップの子の遠ざかる  洋子

秀作

嬰の瞳の母追ふ縁小春  三枝子

詩集手に日溜りベンチ小春めく  東音

久久の銀ぶら鳩居堂小春  恵子

磯釣りの竿のしなりや小春風  篤子

隣り合ふ畑に小春の立話  和男

縁越えて仏に頒つ小春の日  啓子

小春日の近江富士なり湖ひかる  惟之

同齢の医師の励まし小春の日  秀輔

散髪へと急がす妻ゐる小春かな  稔

新築の小槌の響く小春かな  鈴子

大富士や銀河の海の小春風  信儀

  やまびこ(十一月号作品から)感銘・共鳴ー私の好きな一句

花茣蓙の花を枕にひと寝入り  布美子

どこまでも自転車でゆく夏休み  智子

猛暑日や駄句の自選に悩みをり  靖子

滴りを抱きし岩に神おはす  きぬ

新茶淹れかへて一茶話など  爽見

星今宵少年からの句の届き  洋子

老鶯の声しづけさを深めけり  久子

誰よりも汗光らせて子の帰る  久子

ほとばしる昭和の香り夏蜜柑  方城

朝涼やよべの秀作舌頭に  通幸

白シャツの眩しき少年夏燕  節子

草刈りの音より強し草いきれ  慶子

朝凪の風のささやきひとり占め  京子

万緑の中から列車保津の渓  胡蝶

軒先が呼吸するかに夏燕  まこと

手の皺は人の年齢晩夏光  和男

五十年変わらぬ手順梅を干す  せつ

  俳誌嵯峨野 一月号(通巻606号)より

 

 

 

 

 

 

   

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東海道五十三次土山宿街道歩き

2021年12月01日 15時00分38秒 | 低山ハイキング

           安藤広重「東海道五十三次の内 土山 春の雨」

 東海道五十三次の四十九番目の宿場町、土山宿を歩いてきました。土山へのアクセスはJR南草津駅からのマイクロバス8:00発、田村神社ゆき。乗客は我々の4人のみの貸し切り。乗車50分で、白川橋下車。茶畑を過ぎて静寂の瀧樹(たぎ)神社からのスタートとなりました。以下、出会いの風景を重ね、田村神社までの土山宿を紹介します。

 土山へ貸し切りバスや芒原  惟之

 茶畑を過る静寂や瀧樹(たぎ)神社 

 冬めくや献灯つづく神の道

 茶畑に朝の陽かがよふ土山路

 右ゆかばお伊勢お多賀や小春道 

 田村川やしろに流れ冬紅葉

 境内に渡り廊下や冬日照る

 境内にはためく幟七五三

 振り向かば石灯篭や冬日差す 

 白川橋下車

 冬の朝茶畑きらら神社道

 静寂の鳥居を潜る四人かな

 木洩れ日を浴びて献灯続く道

 振り返る鳥居のひかり冬に入る

 本殿へゆけば牛頭冬陽照る

 朝露の光る茶畑東海道

 道標 御代参街道

 右多賀街道、日野八幡

 屋号看板 東海道土山宿 伊賀屋跡

 東海道土山宿 案内版

 土山の地酒 田村川と出合うお店  初冬や地酒の店舗「田村川」

 街道のマンホールなり山椿

 屋号 千切屋 

 鈴鹿馬子唄 「坂は照る照る 鈴鹿は曇る あいの土山 雨が降る」

 鈴鹿馬子唄 「鈴鹿山には 霞がかかる 可愛い娘にや 目がかかる」

 土山宿陣屋跡

 土山宿 問屋宅跡 

 土山宿旅籠 近江屋跡 このような旅籠石碑は二十九軒設置されている

 土山宿本陣跡

 土山宿 平野屋右衛門跡

 街道屋敷は続く 前方には時おり、御在所岳が見える

 森 鴎外 来訪の地 「小倉日記」に記された土山への来訪の記録が記されている

 東海道伝承館には東海道五十三次の大名行列の様子、切り絵、盆景、御土産など展示

 伝承館に展示の参勤交代大名行列1

伝承館に展示の参勤交代大名行列2

 参勤交代と大名行列(伝承館にて)

 東海道五十三次の切り絵と土産(伝承館にて)

 田村神社参道

田村神社社殿。鈴鹿の鬼を退治した征夷大将軍坂上田村麻呂が祀られ、厄除けの神様として崇められている。

平安時代の創建と伝えられる(土山宿絵図より)。

 田村神社境内

 田村神社の紅葉

 海道橋案内には安藤広重の「土山宿・春の川」は、この田村川を渡る大名行列を東から描いたものですとの記載があります。

 田村川

 海道橋

 廣重作「東海道五十三次之内 土山 春の川」

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