赤い四阿のある風景(栗東自然観察の森) 8号水彩
第16回湖水会水彩画展に出展予定の作品。写生会(2019年6月)を思い出しながら色を重ねました。
あづまやの屋根あかあかと緑さす 惟之
青蘆の日照りを返すカエル池
緑陰に木道つづく写生会
竹林へ清く波打つ夏の菊
笹百合の小さく揺れてさざれ岩
ひつじ草花も付けずに日を照らす
赤い四阿のある風景(栗東自然観察の森) 8号水彩
第16回湖水会水彩画展に出展予定の作品。写生会(2019年6月)を思い出しながら色を重ねました。
あづまやの屋根あかあかと緑さす 惟之
青蘆の日照りを返すカエル池
緑陰に木道つづく写生会
竹林へ清く波打つ夏の菊
笹百合の小さく揺れてさざれ岩
ひつじ草花も付けずに日を照らす
竹生島遠景(長浜市) 6号 水彩
湖北野鳥センターの湖岸からの竹生島。夕陽を背にした景観は奥琵琶湖代表的なカメラスポットといわれる。水鳥の風景には出会えなかったが、竹生島遠景は琵琶湖八景にも選定されているとおり美しい。
竹生島には、724年に聖武天皇の命に行基が建立したといわれる宝厳寺があり、さらに奥に進むと420年に雄略天皇の命により建立された、日本三大弁才天のひとつに数えらている竹生島神社がある。このように竹生島は古来より人々の信仰の対象であり、弁才天の琵琶が琵琶湖の名前の由来と伝えられている。ちなみに琵琶湖と呼ばれるようになったのは江戸時代以降で、古くは近淡湖(ちかつあわうみ)、淡海の湖(あふみのうみ)、鳰海(におのうみ)などと呼ばれていた。(琵琶湖・淀川 里の川をめぐる<総集編>平成28年3月より)
弁才天の琵琶が由来よ鳰の湖 惟之
沖島港(近江八幡市) F6 水彩
2016年に写生会で訪れた沖島を再掲しました。びわ湖に浮かぶ、竹生島、多景島、沖島で唯一人が生活しているのは沖島。居住者は300人あまりで、移動は徒歩と三輪車。信号もない。遠足の子らがいた奥津神社や鮒ずしの倉庫、貝殻の軒下の道が懐かしい、機会を見つけまた訪れたい。
桟橋は猫の居場所よ秋日和 惟之
軒下の神への道や秋桜
軒下は貝殻の道秋の昼
船陰に猫の居眠り秋の午后
さよならと子等と声掛け秋の船
奥津島の絵馬に差しゐる秋日かな
犇めける屋根より望む湖の秋
弁財天の足元揺らす矢車草
鮒ずしの樽はいくつも並びゐて
霊仙山は入江の向かふ秋霞
連翹(京都植物園)6F
連翹の「翹」は枝がすくすくと伸びて花をつけている形を鳥の長い尾にたとえたものといわれている。枝が地に届くと、そこから根を出す。半蔓性の長い枝先まで、むせるような鮮やかな黄色い花をつけている様子は春の象徴のような勢いがある。花が盛りを過ぎる頃から小さな葉が萌えだす(岩淵喜代子)。角川俳句歳時記より。
連翹の一枝円を描きたり 高浜虚子
連翹や真間の里びと垣を結ばず 水原秋櫻子
連翹の綱をほどけば八方に 山口青頓
行き過ぎて尚連翹の花明り 中村汀女
連翹や雨の堅田の蓮如みち 星野麥丘人
連翹の黄に触れ胎の子が動く 樟 豊
連翹の黄にもあれなむヴァンゴッポ 惟之
石山寺本堂前の紅葉
石山寺本堂前の紅葉。大きな絵襖のようだ。お参りの人はこの本堂前の紅葉にたたずみ本堂に入る。紅葉も素晴らしいが、煤けた本堂の天井も描いてみたかった。湖水会の写生会は、本堂右の石段に腰掛けでスケッチしました。石山寺の作品は、春の仁王門、石山の阿形、紅葉の公風園、新緑の本堂についで五作目となりました。
石山の大きな絵襖もみじ照る 惟之
比叡山延暦寺 にない堂 8号 水彩
比叡山延暦寺の西塔には、常行堂(左)と法華堂(右)という同じ形の堂があり、渡り廊下でつながれています。この廊下を天秤棒にして弁慶が担いだという逸話によりにない堂と呼ばれています。常行堂は念佛を、法華堂は法華経をそれぞれ唱えて、修業する道場。法華と念佛が一体であるという比叡山の教えを表し、二つのお堂が渡り廊下でつながっている理由もそこにあるといわれています。親鸞聖人・西教寺真盛上人もこの地で修行され、顕彰碑が建立されています。右手の階段をのぼり渡り廊下をくぐれば、左に鐘堂、正面は釈迦堂があります。2008年の湖水会の写生会はこの比叡山西塔で、あれから丁度10年が過ぎてしましました。
瞬けばもふひとむかし苔ひかる 惟之
彼の人も彼の師も逝きて苔の花
宝塚大橋と大劇場 8F 水彩
梅雨晴れの宝塚大橋と宝塚大劇場の風景。武庫川沿いのホテルであった同窓会翌朝、朝焼けの薄赤い空に劇場の赤い屋根が際立つ願ってもない風景に出会いました。宝塚大劇場へは現役のころ会社のイベントで子らとよく行きました。阪神大震災で宝塚の保養所は閉鎖になりましたが、保養所に泊り7時ごろには劇場前に並んだ懐かしい思い出もあります。
朝焼て劇場屋根も茜かな 惟之
朝焼や始発電車も川渡る
下鴨神社の参道 F50号 水彩
世界文化遺産に登録されている糺すの森の下鴨神社参道。本殿の鳥居前に身丈を超る背高い、竹で編み込んだ害虫除けの薦を巻いた大樹が3本並んでいます。この大樹に魅せられて描きました。新緑のころもいいですが、晩秋はこの通り風情です。構図に人物を入れるか迷うところですが、やはり入れることで絵が生きてくるような感じがします。遠くの人物を白く浮き立てることで、視線に動きが出たと思います.
散紅葉糺すの森の木霊かな 惟之
あちこちに木霊のおわす冬木立
身丈超す菰を纏ひし冬木立
伊吹冠雪 F20 水彩
「この伊吹山を50号にして京都水彩展に出してみたらどうですか。」と湖水会でM氏に助言され、平成18年3月(2006年)の展覧会に50号を出して初入選しました。
蒼穹や「伊吹冠雪」初入選 惟之
そんな強い思いの「伊吹冠雪」です。今年は第35回の記念公募展で、京都文化博物館で開催されます(3月29日・木~4月1日・日)。
この風景との出合いは2004年1月2日。晦日に大雪が降り、勇んで近江長岡に行きました。三島池までは2Kmほど。眼前の伊吹の山頂にはいつまでも厚い雲が張り付いて山容がみえず。1時間ほど待っていたら、突然に空が晴れ渡り、この伊吹山が現れました。ホントに運がよかったです。
御鏡のやうな雲のせ伊吹山(いぶき)かな
山頂へ雪吹き上げて雲のびる
朝日浴び枯木も力授かりぬ
生涯の一画となりし伊吹冠雪
バッタが原の大銀杏(京都御苑) 6F
11月16日(木)湖水会で京都御苑へ写生会に行きました。寒い日でしたが、7名参加。九条池、建春門、大銀杏、紅葉の立木、清水谷家の椋などそれぞれで描きました。余りの寒さで予定を一時間切り上げました。御苑には何本かの大銀杏がありますが、大宮御所を背景にしたこの大銀杏を描きました。
散り初めるバッタが原の大銀杏 惟之
赤帽の子等の声聞く紅葉狩
コップ酒で気合を入れて紅葉描く
大天狗見上げてをりぬ黄葉の樹
写生場所の大銀杏。まだ、みどりが多く、銀杏の葉がすこし散り初めてっている。偶然に大銀杏を見上げている二人をモデルにでき、芝目の刈りこみの跡や背景の大宮御所の塀もアクセントになりました。建春門の東側のこの苑は「バッタが原」と名づけられている。この大銀杏、天狗が大空を見上げているようにも思った。
九条池。写生まえにコップのウイスキーで談笑していた男性グループがいました。ここも写生ポイント
蛤御門を遠くに見ての清水谷家に大椋。
きれいに散り敷かれ紅葉葉。園児らの元気な声がわたる
静岡から来られたカメラマンに教えられ、この大銀杏に出合う
大銀杏の傍をゆく人と比べて幹の太さがわかる
余りに寒く、予定を一時間切り上げての講評
了解を得て、パチリと記念写真
おつかれさまでした。