水彩画と俳句の世界

自然を愛し、感性を大切にして「水彩画と俳句の世界」を楽しんでいます。

五月の詩(初富士)

2018年04月26日 18時37分57秒 | 新年の俳句

              睡蓮 F40号 水彩

       初富士

  初声は孤高の鳶や遠比叡    惟之

  初富士へあはあはあはと稚児の指呼

  似顏絵の並ぶ羽子板あにいもと

  裏山へ仲間と愛づる初日の出

  刻刻と初日のぼりて黄金満つ

      誌上句会 兼題「薄氷」

  薄氷の薄氷を押す小川かな   基雲

  薄氷の草を残して庭を掃く   敬子

  はらからの病みても長寿薄氷  喜志子 

  薄氷を砕きて空を砕くかな   研二

  薄氷やまだ定まらぬ山の色   静子

  薄氷や十国峠の晴れて富士   弘子

  動き初む薄氷朝の日を返し   篤子

  薄氷や学舎よりの早春賦    靖子

  薄氷を踏みつ快癒のしらせ待つ 博女

  藁しべを掴みてをりぬ薄氷   三枝子

  齢重ね来し道見れば薄氷    詔義

  きのう解け今朝また光る薄氷  隆子

  薄氷の水泡うごく峰おろし   洋子

  順番に薄氷踏んで児が通る   万智子

  薄氷を透かし小石の動きけり  里子

  薄氷を踏めば銀色立ち上がる  奈緒世

  薄氷に乗る一葉や毘沙門堂   初枝

  薄氷の岸辺をくぐる沢の音   珠子

  薄氷の踏み産土の宮参り    幹男

  日の差して切子のやうな薄氷  惟之

  薄氷の田に注ぐ日のやわらかし 近子

  薄氷に遊び心をくすぐらる   一江

  薄氷や絵馬打ち鳴らす風の出て 保子

  池に張る薄氷家の寒暖計    弘子

  薄氷を突くや花たち目覚めよと 洋子

    やまびこ 三月号作品から 感銘・共鳴ー私の好きな一句

  冬立つや聞かぬふりする猫の耳 喜志子

  飛び石は女の歩巾もみじ散る  勢津子

  水音を聞かむと橅にもたれ秋  優江

  いのちなほつづくと思ひ日記買ふ 恵弘

  風鶏忌近し小雨の深大寺    東音

  野菊摘む指に残りし陽のにほひ きぬ

  一族は祖母に従ひ七五三    勝彦

  蓋取れば山の風くる零余子飯  ひさ子

  晩学に燃ゆるものなほ残る虫  篤子

  茶柱を噛めば行く秋ほろ苦し  方城

  冬紅葉夫に似し子と眺めをり  鈴子

  捨て去りて新たなる冬迎へけり 豊子

  秋収夕日を拝す老夫婦     秀子

  銀杏散る空が剥がれて銀杏散る 勇美子

     俳誌 嵯峨野 五月号(通巻562号)より  

  

 

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原谷苑のさくら園

2018年04月13日 19時55分41秒 | 低山ハイキング

          原谷苑のさくら園(京都市北お区大北山原谷乾町)

 洛北のさくら園として人伝えに評判が広がったといわれる原谷苑にいってきました。二十数種の桜を中心に椿、日向みずき、吉野つつじ、馬酔木、木瓜、雪柳、連翹、石楠花などが色々な花を楽しんできました。写真では表現できませんが、ほんの一部を紹介します。アクセスは北大路駅からタクシーで約10分を利用しました。帰りは西口からわら天神までの無料バスがあります。バスを待ってる間、大阪からの二人ずれとの会話が弾みました。バスを待つ一期一会のさくら園  惟之

   さまざまの事思ひだす桜かな   芭蕉

   命二つの中に生きたる桜かな   芭蕉

   どんみりと桜に午時(ひる)の日影かな   惟然

   嵯峨の春竹の中にも桜かな    蕪村

   桜咲きさくら散りつつ我老いぬ   蘭更

   夕桜家ある人はとくかへる    一茶

   死支度致せと致せと桜哉     一茶

   観音の大悲の桜咲きにけり    子規     

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四月の詩(崇福寺)

2018年04月03日 05時02分40秒 | 冬の俳句

 

            半木の道の紅しだれ(京都・鴨川沿い)

      崇福寺

  古墳への山路ゆるやか冬すみれ  惟之

  山肌を斜めに過ぎるしぐれ跡

  三山の尾根に寺跡冬もみじ

  湖の風が頬刺す大根干し

  焼芋の煙燻りて子ら駆ける

    誌上句会 兼題「三寒四温」

  杉玉の影は真下へ四温晴    惟之

  癒え人抱く三寒四温かな    博女

  三寒の葬や園児ら空に泣き   ひさ子

  寄り道を少し四温の海岸へ   京子

  子の支えありし余生や四温晴  三枝子

  見晴るかす七里の渡し四温晴  保子

  土寄せを励む四温の野菜畑   里子

  三寒の日差しのあそぶ花時計  近子

  日日新た三寒四温に歩をのばし 敬子

  四温晴れ溶ける雫のセレナーデ 洋子 

  三寒の四温を待てる雀どち   篤子

  喪の家の三寒四温通り過ぐ   研二

  通院の靴選る四温日和かな   幸子

  貫入りも呼吸している四温かな 秀穂

  四温晴れ友を誘って海辺まで  靖子

  四温雲流るる雲を見上げをり  清彦

  久久の湾に竿振る四温晴    基雲

  三寒も四温も楽し旅程組む   一江

  四温の日待って読みつぐ新刊書 紀久子

  広縁に鳥の餌を摺る四温かな  幹夫

     やまびこ 二月号の作品から 感銘・共鳴ー私の好きな一句から

  舫ひ舟ぎいと相よる星月夜   素岳

  十五夜の雲の波間を月の舟   龍策

  肩へおく子の手のぬくし今日の月 きぬ

  船屋より舳出てゐる月明かり  素岳

  秋澄むや水のやうなる京ことば  耕

  雨の日は村も静かや白芙蓉   志津

  晩秋の雨脚白き波郷句碑    勝彦

  人過ぎて色なき風の残りけり  道子

  寝そびれて独りに惜しき夜半の月 梅子

  石に魔の住みをり古戦場の秋  隆を

  年齢を干支で答える敬老日   淑子

  ご貫主のお下駄今無く秋の暮  啓子

  落栗の蹴れば三つ子の弾けをり  幸子

  かけつこの好きな児秋を駆け抜ける  誠子

  ポケットの団栗捨てて旅終へる  千晶

     俳誌 嵯峨野 四月号(通巻561号)より

  

  

  

   

      

 

 

 

 

    

  

  

 

 

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