水彩画と俳句の世界

自然を愛し、感性を大切にして「水彩画と俳句の世界」を楽しんでいます。

第87回高槻句会

2011年07月21日 19時35分54秒 | 句会・吟行
                    畑の棚田 2008年6月 6F

 台風明けの今日、月例の句会が開催されました。心太さん、照子さんお休みでしたが、いつものとおり和気藹々でした。兼題は「金魚」「百日紅」。本日の最高点は好調お続きの久子さん。思い切ってショートヘアにされた「せっかちな夏到来」。おめでとうございました。次点句は3句。「金魚の鉢」の洋子さん5人の選が入る、尾鰭に動くニャンコの眼を楽しく謳われました。よう子さんの「下町の御僑」、ご自身のお若いころの浴衣姿を粋に。そして惟之さんの「枇杷熟るる」も二人の特選が入りました。以下、万緑、額の花、緑陰、寝茣蓙、松魚(カツオ)、雷、青蛙、夏料理、夏の雲、蝉の殻、クーラー、羽抜鶏、ねじり花、風鈴など夏満載の楽しい句会でした。来月の兼題は「木槿」「墓参り」。さあ、次回の句会が楽しみだ。それまで、ご健吟を。

 9点句 せっかちな夏到来に髪を切る 久子
 8点句 金魚鉢尾鰭に動くニャンコの眼 洋子
     下町の御僑(おきゃん)でありし藍浴衣 よう子
     枇杷熟るるクララ・シューマン子だくさん 惟之
 6点句 万緑の谷へ落ち入る棚田かな 惟之
 5点句 雨に咲き散らずに枯れる額の花 洋子
 3点句 緑陰に村の神事の進みけり 照子
     大の字にならせてくれる寝茣蓙かな 久子
 2点句 松魚来るご祝儀相場仮設市 ひろよし
     通り雨雷連れて来たりけり 捨弘
     青蛙手水鉢より大ジャンプ 照子
     汁の実の清しく見えて夏料理 心太
     叡山に袴つけおり夏の雲 洋子
     教室の椅子に三つ四つ蝉の殻 惟之
     クーラーを好まぬ夫と暮らしおり 久子
 1点句 かわいいと喋るインコも羽抜鶏 心太
     どこまでも空を目指してねじり花 照子
     職工街河内風鈴軒並に よう子
     どくだみや見山の里に白十字 心太
     刈り込み込みし紫陽花に風嬉々として 裕毅
     闇の国生まれいずこよ蝉の声 洋子 
夏雲やマップ片手に東山 捨弘
     節電で日の目を見たる古扇 裕毅
     出棺の後追い白き蝶の飛ぶ 敬子
     子のもとへ鞄の中の夏野菜 照子
     百日紅太陽光に焼かれ咲く 敬子
     網破れ掬えぬ金魚また追ひし 惟之
     金魚三匹終の棲家の手水鉢 照子   
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

石山寺の仁王像(阿形)

2011年07月11日 18時47分47秒 | 風景
                     石山寺の阿形(10号水彩)

 この仁王さんは石山寺の山門の右におわす阿形。大きく口を開けている見事な金剛力士像である。迫力満点。全国の仁王のポーズに得点をつけるとしたらきっと人気度の高い点数になる。この前はよく通るので以前から描いてみたかったが、やっと実現した。大変に傷みが激しく痛々しい限りである。壊死を起こしたように両脇の下部や右の前腕のふくらんだ筋肉が一部剥がれている。高さは3mくらいだろうか。縦に縞模様が見られるが、これは樹の年輪であろう。胴と頭部はいったいの樹で彫り上げられ、左の腕は肩の付け根で接がれている。右の腕は肩とはいったいのように見えるが、手は接がれている。運慶らの仏師によるものと思うが、800年の風雪に耐えてきたことになる。因みに、左の吽形は小指がかけている。この作品は10号であるが、いずれもっと大きな作品に挑戦したい気持ちもある。

    暑き日や阿形の叫び800年 惟之
    十三夜吽形の小指欠けてをり

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする