水彩画と俳句の世界

自然を愛し、感性を大切にして「水彩画と俳句の世界」を楽しんでいます。

十一月の詩(蝉しぐれ)

2017年10月31日 14時02分58秒 | 夏の俳句

           乙女が池の太鼓橋(高島市勝野)

      蝉しぐれ

 近江富士見上げて匂ふ椎の花   惟之

 池底に影と動きし井守の掌

 万緑に見えつ隠れつ番鳥

 あの山とこの山競ふ蝉しぐれ

 木から木へ蝉飛び交うて子らの声

     誌上句会 兼題「草の花」

 微笑みの童地蔵や草の花     惟之

 草の花遙かに地平を風渡る    洋子

 行き帰る路傍の割れ目草の花   秀子

 草の花歩き出す影やはらかく   美枝

 踏まれてもまた立ち直り草の花  初枝

 草花の宝庫となりし河川かな   捨弘

 引き抜いてもまた草生える草の花 テル

     やまびこ(九月号の作品から)感銘・共鳴ー私の好きな一句)

 百僧の居て音もなし風薫る    恵弘

 夏帽子リボン違えて姉妹     敏子

 葉桜や予防注射になく子犬    満子

 薔薇園の少年となる白昼夢    龍策

 鯉幟小さな村のひとところ    志津

 山つつじ数え始めて止めにけり  紫魚

 そのことは忘れてゐたし更衣   勝彦

 豌豆の剝き実こぼしぬ案じごと  素岳

 嘘はうそ殻の透けたる蝸牛    素岳

 解く紐の長さ楽しむ笹ちまき   ひさ子

 ひとり湯の落してよりの蟇    みどり

 母の日の花束溢る墓前かな    久江

 昭和の日母の気品を懐かしむ   君代

 それぞれの小屋に山羊の名若葉風 弘子

 茶摘みしてかわいい笑みの八十路かな 孝子

 高原の風の一戸の鯉のぼり    盛美

 敷石の定家の塚に青時雨     洋子

 夕暮れの海を見に行く夏帽子   近子

 母の日や一つピアノに姉いもと  憲勝

 父逝くや里の田植えの終はるころ 照子

 父還る五月の空のその奥へ    照子

    俳誌 嵯峨野十一月号(通巻第556号)より   

 

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笠置山ハイキング

2017年10月19日 14時48分58秒 | 低山ハイキング

 

  笠置山から笠置の町並みと木津川流域、右上は鈴鹿山系、伊賀上野方面を望む 

 美しい笠置の町並みと木津川の流れが一望できる笠置山(288m)は、京都府立自然公園に指定されています。春は桜、秋は紅葉などさまざまな風景が楽しめます。笠置山にある笠置寺は、国内最大の磨崖仏などの巨石奇岩があり、見どころが豊富。1300年まえ、笠置山全体が修験行場として栄え、その後、宗教の山、信仰の山として全盛と極めたといわれています。まだ紅葉には早かったですが、後醍醐天皇が行在所を置いた史跡にも立寄ってきました。

 石山(9:07)ー京都ー木津ー加茂ー笠置(10:49)ー笠置山ー笠置(15:28)-加茂ー木津ー京都ー石山(17:07)

 秋の空また乗り換えて一両車   惟之

 柳生への小道に群れる曼珠沙華

 山門の葉陰に朱き水引草

 竹の杖かりて登りぬ秋の山

 丁石の読めぬ一字や秋陰り

 秋天へ弥勒ぼとけの大磨崖

 ゆるぎ石少し動きて落葉ふる 

 行在所の真中の大石こけの花

 木津川の流れゆるやか初紅葉

 木津川の水面のひかり秋の駅

JR木津駅で関西線に乗換え

JR加茂駅で一両車に乗換えてJR笠置駅へ

JR笠置駅を下りて笠置山へ

 

出会いの奈良街道から旧登山道へ 

余り踏まれていない登山道(東海道自然道)

 

三丁石 頭の一字は「笠へ」と読めそうだがーーー

柳生街道から笠置山古道へ

笠置寺山門に到着 

修行場入口で水引草を見つける 

笠置寺の本尊弥勒像菩薩。度重なる火災で表面が焼け崩れている   

特殊カメラの技術で残った線から彫刻線をさがし1300年前の弥勒菩薩を見つける

 

本尊弥勒磨崖仏は高さは五十尺(16.5m)あり、国内最古、最大といわれている

正月堂まえから虚空像菩薩への道、大岩石に圧倒され、人は蟻の様にみえる

大岩石がつづく 

虚空蔵菩薩を見上げる。弘法大師が一夜にして彫り上げたといわれる

少し角度をかえて拡大した虚空像菩薩、左下に刻線が見える

先年、拓本にこの8m×10mの大掛軸を作製したと記されている

先手屈

 胎内くぐり

笠置山修験道の入口にある胎内くぐり

笠置山には滝がなかったことから、この胎内くぐりをとおり、身を清めたといわれる。

 ゆるぎ石。元弘の変のおり、攻めあがる鎌倉幕府軍にこの石を落して戦うために倒討幕側(後醍醐天皇側)が準備したといわれる大石。押し込むと動きました。

平等石の間を何とか抜ける

蟻の戸わたり

蟻の戸わたりからの見た北方面の景色

紅葉には早いが、林間の木洩れ日がきれい

行在所への石段

後醍醐天皇行在所跡。元弘の変で敗れた天皇は隠岐の流刑(1332年)となるも

1333年、鎌倉幕府は崩壊し、復帰。1339年没。墓は奈良、吉野町にある塔尾陵。

後醍醐天皇の歌碑 「うかりける身を秋風にさそわれて おもわぬ山の紅葉をぞ見る」。「うかりける身」とは、どのような身辺だったのだろうか。 

 笠置駅への道路脇に「笠置寺絵縁起」が描かれている。

「笠置寺絵縁起」の部分 

元弘の変(1331年~1333年)の一幕を語る人形(JR笠置駅付近にて)

 

笠置駅ホームから木津川を見る

JR笠置駅からJR加茂駅への一両車にて

一枚の記念写真、蟻の門渡りにて

 

 

 

 

 

   

 

 

 

 

 

 

 

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第12回青いアトリエ水彩画展のご案内

2017年10月15日 08時40分36秒 | 写生会・展覧会

 第12回青いアトリエ水彩画展を下記のとおり開催いたします。

ご高覧いただきますようご案内申し上げます。

  日時:平成29年11月7日(火)~11月11日(土)

     AM10:00~PM16:00

  場所:大津市生涯学習センター1階ギャラリー

     大津市本丸町6番50号 TEL 077-527-0025

     京阪電車石坂線 膳所本町下車 湖岸方面へ徒歩数分

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賤ヶ岳の見えるの酒蔵(木之本)

2017年10月04日 10時35分21秒 | 風景

 

   賤ヶ岳の見える酒蔵 F6  

「木之本のお地蔵さん」で名高い、木之本地蔵院の門前町の木之本にゆきました。北陸街道沿いに酒造りの老舗「富田酒造」と「山路酒造」があります。この「賤ヶ岳の見える酒蔵」は北近江の地酒「七本槍」の蔵元、富田酒造です。1583年(天正11)の賤ヶ岳の戦いで羽柴秀吉が柴田勝家を破る以前からつづく、470有余年の老舗。白壁のつづく酒蔵の背後に賤ヶ岳の見える構図です。木之本のまちあるきを合わせてご紹介します。「木之本まちあるきMAP」参照      

 地蔵尊見守る町や秋桜   惟之

 秋日和杉玉の影動きをり

 古戦場の山頂ふはり秋の雲

 桑酒の徳利に魅入られ秋みやげ

 陶かえる片目瞑りて秋愁ふ

 陶蛙の絵馬のカラカラ秋の風

 酒蔵の白壁長き秋の影

 人気なき札の辻なる秋の昼

 秋日和赤きポストの影のびる

 古の牛馬市や馬肥ゆる   

七本槍の看板のある富田酒造

  杉玉のぶら下がる老舗「山路酒造」 

山路酒造は480年余りの桑酒・清酒の蔵元です。ここに座ってOさんと描いたが、逆光のこの構図はスッケチはできても色付けがむづかしく未完のまま。 

 街道沿いの郵便ポストと郵便車 

 富田八郎家と大きな杉玉と車輪の背のある長椅子。

 木之本地蔵院本堂と蛙の絵馬。木之本地蔵院は日本三大地蔵の一つ。賤ヶ岳の合戦では秀吉の本陣が置かれたといわれる。

 地蔵院本堂前の陶蛙。蛙のお腹に願いを書いて地蔵尊にお供え。

 本殿まえにつまれた寄進瓦。家内安全、無病息災、心願成就、延命長寿、眼御守護など。

 竹内五左衛門家と本陣薬局。浅田飴、ばいどく(梅毒)など古い薬看板がぶらさがっている。

 竹内薬館の重厚な登録商標「百毒下し」。

馬宿平四朗の家。山之内一豊の名馬ゆかりの家。

地蔵院まえの札の辻跡。「札の辻」は藩の禁止または公示事項を知らせるために目抜きに立てた制令という立札を立てた場所と云われる。

木之本牛馬市跡。室町時代から昭和の初めまで毎年2回牛馬のせり市が開かれた。

元床屋 上阪五郎右衛門家。江戸末期弘化四年の建築 二階を低くした典型的な役人家屋

江北図書館。明治39年設立、滋賀県下でもっとも古い。中に入るとなつかいレトロな感じ。

賤ヶ岳の山並が見える踏切。 

 JR木之本駅

 木之本地蔵院まえのスナップ

 お土産やに並んだ地酒の七本槍。でっち羊羹や水飴も木之本のお土産。

 にぎやかに写生会の講評会

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