冬の湖家路を急ぐ家鴨かな(大津港にて)
日時:平成21年12月17日(木) 13:30-17:30
場所:高槻市立総合交流会館 遊の工房
師走の午後、ことし最後の句会がいつものように楽しく、にぎやかに開催されました。今月の巻頭句は好調の捨弘さんでした。「星留る」とはすばらしい発見。まるで一枚の切絵のような名句でした。「枯野の臍」も心太さんの充実ぶりを示された一句でした。そして、心太さんは響関門句会の西村さん浦さんと共に今月、響同人に推薦されました。誠におめでとうございます。「出航やデッキに群れる百合鴎」は同人門出の祝いの句とか。句会あと「源八」で忘年会が行われ、盛り上がりのなか、年間の最高得点賞(135点)と最多選賞(77%)の発表があり、抜群の成績のよう子さんが選ばれました。来年もよき年であることを祈り散会しました。
10点句 星留る欅の枝の寒夜かな 捨弘
8点句 いちめんの枯野の臍となる仏 心太
6点句 師走くる老いの仕草のゆるゆると ひろよし
極月や火焔の中に不動尊 惟之
5点句 見はるかす枯野の果ての伊吹山 照子
4点句 極月や風に揺らぎしカレンダー 洋子
吹く風に東奔西走落葉かな ひろよし
丁稚羊羹蒸して近江の冬ぬくし よう子
3点句 出航やデッキに群れる百合鴎 惟之
2点句 蓬莱を探し求めて大枯野 裕毅
石段の数数えれて七五三 心太
レジ前の列長くなる師走かな 敬子
しぐれ虹四季の橋に人溜り 心太
1点句 枯野ゆく訓練犬の足疾し 心太
寄り合いへ足早に行く師走かな 捨弘
冬ざれや千手観音湖へ向き 惟之
白鳥の湖に遊ぶや富士を背に ひろよし
山裾の枯野広がる富士の山 敬子
母の忌や姉妹六人冬座敷 久子
葉の落ちて足元装う銀杏かな 洋子
色おとし眠る山にも夢ありて 照子
枯尾花逆光のなか銀となる 敬子
かいつぶりひょいと首出すえりの前 惟之
世は移り電飾の街師走かな 久子
性格は亡母似て思う凍豆腐 よう子