京都府立植物園の温室
11月15日(木)雨模様の京都府立植物園に吟行に行ってきました。メンバーは欅句会の8名。菊花展もありましたが、銀杏の黄葉と、ながらぎの森の紅葉が見事でした。ややシーズンオフ気味とはいえ、コスモス園やバラ園もよかった。鈍色の空に咲いていた冬薔薇。でっかい獅子柚子も見ました。また、ヒマラヤ杉や樟並木を見上げて、鳥の鳴き声も聞いてきました。水車小屋の屋根の黄葉もきれいでした。温室は駆け足で10分。枯蓮も小春日に揺れて印象的でした。こんな風な10時から11時30分までの吟行でした。そして、洋子さんの一声で、お隣の陶板名画の庭も拝見しました。昼食は、回廊でつながった京都コンサートホール1Fのレストラン、ラ・ミューズ。ランチのあと、円卓を囲み、コーヒーをいただきながらリッチな気分で句会がはじまりました。幹事の裕毅さん、お疲れさまでした。「円卓やコーヒーを手に秋句会 裕毅」
寒禽の声のあふるる楠並木 惟之
獅子柚子の雨の雫や鳥の声
風揺れて見えつ隠れつ枯はちす
鳥啼きて黄落屋根の水車かな
温室の屋根かがようて小春かな
比叡を背に銀杏の黄葉散りいそぐ
冬空へヒマラヤ杉の聳えけり
幾重にも弓の枝張る大銀杏
紅葉のコトコトコットン水車小屋
お
なからぎの森の紅葉。池には紅葉が映り、見事に美しい光景でした。植物園ではこの森が唯一のこされた自然林で、そして、なからぎの由来は流れ木からと記されていた 近くには、半木神社の赤い鳥居があり、少しゆくと水車が回っていた。 「水中に燃ゆる宮あり冬紅葉 よう子」
水車小屋は植物園の開所まえからここにあったらしい。この水車が周りの景色とぴったりあっていて、静かな空間を感じました。屋根には落ちた紅葉が積もっていて、鳥の声があちこちに聞こえていました。
洋風庭園ではピンクと白のコスモスが咲いていた。背景の赤色はサルビアで夏の花である。手入れが良いので見事な取り合わせで咲き誇っている。11月15日は俳句の世界ではもう冬となる。
ししゆず(獅子柚子)が雨の雫にゆれて実っていた。大きさは10センチくらいだったが、大きくなると20センチ以上になるらしい。原産は中国で、奈良時代に渡来とのことです。文旦の仲間で別名でおにゆず(鬼柚子)ともいわれる。ジャムやママレード、ゆず酒などに利用される。焼酎のロックに輪きりをいれて一杯やれば忽ち、名句が生まれる。
洋風庭園では何本かのヒマラヤ杉を見つけました。銀杏と同じく雌雄があって、この木は雄らしい。樹齢は90年とあった。「時雨してヒマラヤ杉を傘にして よう子」。 まさに、この傘の下をよう子さんたち3人が歩いていました。植物園正面入り口に近くの洋風庭園入口にて。
この銀杏のなんとすばらしい枝振り。天高く弓を幾重にも張ったようでもあり、聳え立つ幹も悠々としている。ここを通りかかる人は皆さん見上げて感動の様です。この大銀杏をぎりぎりまで観察していたのは照子さんでした。「大銀杏葉裏に残るうす緑 照子」