水彩画と俳句の世界

自然を愛し、感性を大切にして「水彩画と俳句の世界」を楽しんでいます。

杏の実

2008年07月02日 20時57分02秒 | 春の俳句
長命寺の紫陽花2

命惜し青きまま落つ杏の実  中嶋秀子
親舟が子舟曳きゆく花くもり
初蝶の命溢るる羽使い    大立しづ
出港の汽笛を運ぶ春一番   除田兎城
春の夢忘れまいとて眼を開けず 柏木とよ太
春かすみ舟と小佐渡をかくしけり 坂本愛子
背くらべした日は遠きつくしんぼう 池田暎子
いかなごの釘一寸の箸の先  村西徳子
スーホーの白い馬駆け霾ぐもり 池田洋子
花えごの匂いの風と仰ぎけり 神山桂子
百日紅夜は白蛇の滑り台   佐藤洋子

    句誌「響」6月号 No263より

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雪解水

2008年07月02日 20時54分32秒 | 春の俳句
長命寺の紫陽花1

分水嶺飛騨へ美濃へと雪解水 田中いく
梅挿せるぽろりと一輪日溜りへ 内田光子
囀りに始まる峡の一日かな  西沢照子
水蹴って水蹴って鴨帰るかな 杉本正光
陽炎や土手一せいに滑る子ら 近藤節子
花は葉に子はそれぞれの道選ぶ 村山直朗
正座してしばらく雛と語らえり 富沢栄子
空っぽの埴輪のまなこ黄砂降る 天野厚子
庭隅のはっとまぶしきクロッカス 白井芳子
ほんのりと椿化粧をして開く  池田暎子
おとうとの遺愛のギター春埃  池田洋子
春月や病の窓に傾きぬ     浦 純爾
暮そめて沈むことなく白き梅  奥村洋子
すと伸びて喇叭水仙ぱっと咲き 武田捨広
子沢山春泥の着く靴並ぶ    森本敬子
かたはらに語る人なく初音かな 西村和子
そこかしこ花の名札や土の上  朝倉哲雄
剪定を待ちて飛びくる雀かな  伯耆惟之
親子ふね切裂く艦や冴え返る  伯耆惟之
天草のパールラインや風光る  舘 善
春雷の一喝に数珠目覚めけり  足立心太

          「響」2008年6月号より転載
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