梅雨最中に久方ぶりの全員参加でした。兼題は「青梅」「田植」。本日の最高点は先月に続き、よう子さんの「武者返し」。島津家の武家屋敷だろうか、緑雨が利いている。特選2点入りました。次点は好調続きの久子さんの「時計草」。ああこんな季語があったのだ。一日の無事を思う心に何かすくわれた気がしました。また、捨弘さんは城北公園の菖蒲園での一句。紫に勝るものなしと言い切られた。兼題も生活句、写生句、心象句などいい句がうまれました。そして、節電、流浪の民、復興、避難所など今月も震災句が多く出ました。東日本大震災から3か月。俳句を通して彼の地に声援を送り続けたい。今月から句会名は「高槻句会」となりました。
9点句 武者返し隼人の国の緑雨かな よう子
7点句 時計草きょうの一日も無事に過ぎ 久子
6点句 紫に勝るものなき菖蒲かな 捨弘
卯の花の散りて岸辺に白き帯 洋子
5点句 節電やさらなる工夫夏衣 ひろよし
万緑や復興前進底力 ひろよし
4点句 萍や流浪の民の涙載せ よう子
みちこくの空を眺むる木下闇 久子
成長の早き初茄子神棚へ 捨弘
3点句 前線の西より追われ梅雨の空 敬子
蔓をもて宙をまさぐるゴーヤかな 裕毅
田植終え水田のつなぐ村と村 惟之
一つずつ青梅拭いてへそとって 照子
2点句 夫かえり来よ向日葵の種をまく 洋子
はかなさは今も昔も沙羅の花 敬子
山の田の角の二筋手植えかな 捨弘
梅の実の落つる音して夜の明ける 敬子
平然と薔薇師の素手で剪定す 裕毅
1点句 被災地や終戦の日と重なりぬ 裕毅
薫風や大劇場の屋根赤き 惟之
「月光の夏」弾き逝きし特功隊 よう子
地蔵さま見てる避難所額咲けり 惟之
太竿に掛け玉葱や里の軒 照子
朝日浴び産毛の光青き梅 洋子
津波禍の浅蜊語れる斑かな 惟之
枝払い終の棲家に風入るる 久子