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水彩画と俳句の世界

自然を愛し、感性を大切にして「水彩画と俳句の世界」を楽しんでいます。

第78回響高槻句会

2010年10月24日 10時29分16秒 | 句会・吟行

           大津祭(大津市京町)

今月の兼題は朝寒と紅葉でしたが、秋が満載のにぎやかな句会となりました。最高点の句は「梨齧る」でした。小さなお口で梨をかぶられたよう子さん、大きな夢の続きをまた聞かせてください。「唐辛子」の久子さん、きれいな美山の句をありがとうございました。自宅近くで子狸と目が会った句もかわいい。熊でなくよかったですね。土瓶蒸しの中味は収穫が多いといわれるマッタケでしたか。ノーベル平和賞、国勢調査、運動会、ダメ虎ーーーーー。楽しい句会でした。来月は「海遊館」での吟行です。果たしてどんな俳句ができるか。お楽しみ、お楽しみ。

9点句 大それた夢もまたよし梨齧る よう子
7点句 茅葺の美山の軒の唐辛子 久子
6点句 土瓶蒸し秋の香りを封じ込め 洋子
    うそ寒や狸と目会う日暮れ時 惟之
4点句 あの山のゆき会いの空薄紅葉 ひろよし
    小さき手の団栗三つ転がりて 久子
    十月や人権ここにノーベル賞 ひろよし
    朝寒の犬小屋に射す朝日かな 洋子
3点句 北国の旅情をそそる紅葉かな 捨弘
2点句 秋晴れや真っさらな靴履いて出る 捨弘
    わが町を一望の丘木の実降る よう子
    秋燈や刺繍で綴る遣唐船 よう子
1点句 隠れ湯に湯煙漏るる初紅葉 心太
    新米を食べにおいでと子にメール 心太
    嵯峨野には風の遊びて竹の春 洋子
    じんと来る映画すたれし文化の日 裕毅
    秋の森研ぎ澄まされる五感かな 裕毅 
    ダメ虎のここぞ脆過ぎ秋淋し ひろよし
    コスモスやちくりと胸の疼きあり 照子
    運動会青空に声充ちてをり 照子
    朝寒の卓に国勢調査票 洋子
    庭紅葉小さな鉢の木の化粧 敬子
    紅葉映え波に煌めく逆さ比叡 惟之
    朝寒の胸に抱き寄す肩鞄 心太
    境内の錦刺繍や床もみじ ひろよし

 
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第77回響高槻句会

2010年09月18日 01時30分38秒 | 句会・吟行
新緑の恵那峡(長野) 長井房枝

日時:2010年9月16日(木)13:30-17:30
場所:高槻市総合交流会館 5階 和室

 朝夕はやっと涼しくなりましたが、日中はまだまだ秋暑し。句会は記念すべき77回(喜寿)となる。本日メンバーは照子さんを除く9名で、兼題は鰯雲、花野でした。全員はなかなか揃いませんが、いつもの如くわいわいがやがやと賑やかな句会でした。今日の最高点は「阿波踊り」。裕毅さんは徳島に住んでおられたとかで、指先までの踊りの動きを見事詠まれました。次点は「新蕎麦」と「蚯蚓」の二句がは入った惟之さん。ご機嫌でした。「新蕎麦」は7年前の出石での思い出の句とか。「蚯蚓」は皆さんの実感と共感を得たようです。
  世界の長寿国に疑問符がでるような戸籍上の不備を詠われた心太さんの「幽霊花」の季語(曼珠沙華)には一同、勉強させてもらいました。「青天」も不思議な感じを抱く俳句の世界。その他、良い句が沢山あり、お気に入りにも追加させてもらいました。なかでも、敬
子さんの「鰯雲空の景色の模様替え」は子規なら特選句としたかもしれません。夏の入道雲が秋の鰯雲に替わったのだからーーー。また、照子さんの「トラックで冬瓜二つ置いてゆき」は心太さんの解説をきいて感動がしずかに湧き上がってきました。
 本日の捨弘さん、恵那峡四句で勝負されたとか。捨弘さんの意気込みに敬意を表し、手元に友人が描かれた恵那峡の絵がありましたのでUPさせていただきました。万緑を底に沈めたダム湖かな。おっと、失礼しました。

9点句 阿波踊り指先までも浮かれけり 裕毅
8点句 新蕎麦やまだまだ喰える十五皿 惟之
    聴き直すこと多くなり蚯蚓(みみず)鳴く 惟之
5点句 秋の水静かに使う夜の厨 よう子
    千羽鶴一千万羽の原爆忌 裕毅
    青天のどこかが濡れている花野 心太
    幽霊花戸籍に潜む二百歳 心太
4点句 それぞれに想うことあり花野道 よう子
遺すもの子のみわが身は曼珠沙華 敬子
2点句 待ち人を今かいまかと秋扇 久子
    移り来し里の狭庭(さにわ)に女郎花 照子
    電車待つ手元せわしく秋扇 洋子
1点句 鰯雲うろこ散らして消えゆきぬ 洋子
    稲刈りや体験の田に声はずみ 久子
    音も鳴く霧涌き上るダム湖かな 捨弘
    澄む水の音を奏でるヴァイオリン よう子
    雲中の伊吹山頂大花野 照子
    足元の水溜りにも鰯雲 捨弘
    花野ゆく子供の声のはじけとび 洋子
    頬撫でて色なき風や流れ橋 裕毅 
お気に入り トラックで冬瓜二つ置いてゆき 照子
      朝霧の恵那峡橋を潜りけり 捨弘
      鰯雲空の景色の模様替え 敬子 

      
    



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第76回響高槻句会

2010年08月20日 12時07分16秒 | 句会・吟行
                      富士登山8合目付近 武田捨弘さん提供

 35度前後の異常な猛暑が続くなか、いつもの遊の工房で第75回響高槻句会が開かれました。敬子さん、久子さんがお休みでしたが(敬子さん出句あり)、いつものとおり楽しい賑やかな句会となりました。兼題は「稲光」「芭蕉」。「芭蕉」はあまり馴染みがなくむずかしい。そんな中、アバターの句は心太さんの意気込みを感じた。本日の最高点は心太さんの「遠花火」。「創作です」と照れておられたが、しみじみとした夫婦愛が詠われた心情句だ。こんな句はなかなかできないなあー。不在だった敬子さん3句が入りましたが、今日は心太さんの日でした。捨弘の「ビール腹」はみんな笑ってしまいました。捨弘さんから富士登山の写真を提供いただきアップしました。富士登山は十度目で通過点だそうです。

7点句 お前とはまだまだ一緒遠花火  心太
6点句 大花火星ふるごとく湖に散り  惟之
5点句 遠山に奥のありけり稲光    心太
    愛読書心の栞はさむ秋     敬子
4点句 夏まつり男らしさの見せどころ 敬子
    ひまわりや孫の笑顔と重なりぬ 敬子
    アバターになりて芭蕉の陰の中 心太
    子軽鴨ひいふみよう八羽かな ひろき
3点句 いなびかり湖を平らに走りけり 惟之
2点句 富士山の山頂(うえ)より暑中見舞いかな 照子
    門火焚く生まれ変わりの嬰(やや)抱きて よう子
    お地蔵の花も萎れる残暑かな 照子
    赤提灯隣の客も冷奴 捨弘
1点句 秋暑し佛花の水の早く減り 洋子
    ビール腹揺すりて急ぐビヤホール 捨弘
    真夏日の異常と言えぬ様変わり ひろよし
    十度目は通過点なり富士登山 捨弘
    向日葵や未だ開かず顰めっ面 ひろき
    平和への祈りの鐘の音蝉時雨 洋子
    芭蕉揺れ恵みの雨を思いけり よう子
お気に入り 乳は出ず牛も垂れをり猛暑猛暑 惟之
      
    
      

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第74回響高槻句会

2010年06月18日 20時14分22秒 | 句会・吟行
                   近江路の麦秋

梅雨晴間の今日、響高槻句会がおこなわれました。バイク事故で肋骨6本折ってしまって皆に心配掛けた心太さん。2-3ヶ月は合えないと思っていましたが、回復の早さに驚き。久子さんが欠席でしたが、アマリリスの句は可愛い一句でした。本日の最高点はひろよしさんの路次地蔵の語部の句でした。次点はよう子さんの麦笛の句。相変わらずよう子さんすごいです。バイク事故の一句の心太さん。季語の夏霞がひったりでしょうか。心太さんの渾身の句です。本日の兼題は「五月雨」「栗の花」。すてひろさんの「龍のごと」は迫力満点でした。カツオ釣りの句も実感の溢れた敬子さんの俳諧風の楽しい句でした。

10点句 西日照り語部のごと路次地蔵 ひろよし
 9点句 麦笛や田と田を繋ぐ石の橋 よう子
 6点句 転倒のバイクあの日の夏霞 心太
 5点句 梅雨入りや四方の牛啼く口蹄疫 惟之
     五月雨や龍のごとなる山の道 すてひろ
 4点句 梅雨晴れや窓という窓開け放ち すてひろ
     麦秋や新幹線の通過音 惟之
     日輪に無言の行や花菖蒲 ひろき
 3点句 故郷は疎遠となりて栗の花 よう子
 2点句 コンバイン止まってをりぬ麦の秋 照子
天と地を繋ぎとめおり五月雨 洋子
 1点句 廃館の扉の前や夏落葉 洋子
     草の色ぽつぽつ見えて麦の秋 照子
     カツオ釣り黒い目玉のエビが餌 敬子
     天の川過ぎり帰還のはやぶさよ 惟之
     喧嘩した姉妹のごときアマリリス 久子
     素人が裁く危うさパンに黴 心太
     枇杷の実や現の夢の母ありて 久子
     五月雨や百度参りの石濡らす 敬子
     竹の皮脱ぎし片肌朝日さす 洋子
     紫陽花に雨脚繁くなりにけり よう子
     五月雨や一天一色何時果てる ひろき
     五月雨や古寺の庭陰善意傘 久子
                
      

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第73回響高槻句会

2010年05月22日 18時15分12秒 | 句会・吟行
                    湖西線北小松の内湖からの比良山系
                    「はつ夏や湖水を汲みて比良描きぬ」  

日時:平成22年5月20日(木)13:30-17:00
場所:高槻総合交流会館 

 ゴールデンウィクは快晴が続いたが、以降はぐずついた日が多かった。今日もカラリとは晴れず、くもり空。心太さんと裕毅さんが欠席。何と心太さんはバイク転倒で肋骨を5本も折る重傷で入院とのこと。一同驚きである。当分は元気な顔は見られないようだ。一日も早い回復を祈ります。裕毅はご不幸があったとのこと、お悔やみ申し上げます。
 さて、本日の兼題は五月または芍薬。合計40句は良い句が多く選句にこまった。こんな当月の最高点は最近好調の捨弘さんの「ふところの五月の風を入れて往く」。お二人の特選も入ってダントツの12点。他の3句も全て得点されて満点でした
 ひろよしさんの句「竹の子の土割る音か耳澄ます」は選句外だったのが不思議でした。お気に入りにさせて貰いました。

12点句 ふところに五月の風を入れて往く 捨弘
 5点句 田の中の早苗縦横陣を取る 敬子
     嵩張りしもの片付けて夏に入る 心太
     樹の上(え)にも静かなバトル実落つ よう子
     芍薬の花に重たき雨滴 洋子
 4点句 青々と山膨らます若葉かな 洋子
     葉桜の川面を滑る舵手の声 惟之
 3点句 水芭蕉戸隠背負い咲き競う 洋子
     三毛猫のタマが駅長五月かな よう子
 2点句 穂高湖に白雲渡る五月かな 捨弘
     カーテンもなくて新居に風薫る 照子
     ポン菓子の釜音高く五月来る 惟之     
 1点句 欲(ほ)る人のありて早めの豌豆摘む 心太
     連山の四方の新緑果てしなし 捨弘
     母の日の花に寄り添う縫いぐるみ 敬子
     一年生君の写真と柏餅 久子
     航跡に時を残して春惜しむ 裕毅
     蕗味噌の一味春の隠し味 敬子
     寄り添って羽繕いする目白かな 裕毅
     大輪の芍薬似合う九谷焼 久子
     鴟尾高く五月の空にきらめけり 捨弘
     原色を画紙に収めて子の五月 心太     
 お気に入り 竹の子の土割る音か耳澄ます ひろよし

     


    
            
         
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長岡天神の吟行会

2010年04月16日 20時20分45秒 | 句会・吟行
                      長岡天神 八条ヶ池の桜

日時:2010年4月15日(木)10:30-17:00
場所:長岡天神
句会:長岡市労金ビル

響高槻句会の吟行が長岡天神で行われました。敬子さんが来られず参加は9名。春時雨が時おり降り、霧島躑躅はまだ蕾だったのは残念でしたが、八条ヶ池の周りにはまだ桜が残っていました。そして、天満宮の赤い社、池面の池屋敷、大鳥居、撫牛、からくり人形、いくつかの句碑など句材はたくさんありました。吟行は約60分。池を背景にを桜の下で記念写真、そして朝掘りの筍と麦酒を買って句会場へ。捨弘さんは遅れて会場にこられたが、お酒などの差し入れもいただきり盛りあがる。巻頭句は6人を独占(特選3人)したよう子さんの「通りゃんせ」。まさにこの一句という吟行句が選ばれました。思わず、歌を口ずさんでしまいました。本日の幹事・久子さんありがとうございました。

15点句 「通りゃんせ」唄う絡繰(からくり)春しぐれ よう子
 8点句 春らしく私らしく髪染める 敬子
 6点句 葉桜となりて閑かや天満宮 照子
     竹の里京しを偲ぶ春時雨 ひろき 
 5点句 遊ぶ子のあら届かなや春の撫牛(うし) 惟之
 4点句 池屋敷点々として躑躅も燃ゆ 惟之
 3点句 惜春を詠み残し公大宰府へ 心太
 2点句 万景を水面に浮ぶ春の池 捨弘 
     赤々と天神護る躑躅かな ひろよし
     霧島を震わせ季節後退り よう子
     気だるさや吾も桜も峠過ぐ 捨弘
 1点句 池めぐるつつじが染めし緋鯉かな 弘毅
     対岸の夫遠く立ち霞見ゆ 洋子
     朝掘りの筍並ぶ神社道 惟之
     撫牛の眼指遠く春惜しむ よう子
     花冷えや片付けしものまた出さむ 心太
     菅公も牛も眠たき春の昼 捨弘
     八条の池ひろびろと残る花 惟之
     大鳥居潜れば古社の花吹雪 捨弘
     行く春に歌碑にも辞儀や天満宮 心太
     小雨降る水上橋や桜散る ひろよし
     池の面のさざ波に揺れ竹の秋 よう子
     さくら咲く時間よ止まれそう思う 敬子  
     
     
          
     
 
 
  
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第71回響高槻句会

2010年03月18日 20時20分53秒 | 句会・吟行
日時:平成22年3月18日(木)
場所:総合市民交流センター、遊の工房

 陽春のあと天気予報があたり午後は冷たき雨となりました。今月は先月同様に全員参加は適わず、敬子さん、照子さん、ひろきさんがお休みされました。よう子さんには喪の明けやらぬも座主をしていただきありがとうございました。今月の兼題は春の海とたんぽぽでした。来月はさくら咲く長岡天神で句会です。全員が元気に参加されること祈ってーーー。
今月の巻頭句は心太のたんぽぽの「夢乗せて」の句でした。どんな夢をのせて絮はとんでいったんでしょうか。また、余呉湖の句は160円切符の逆廻りコース(茨木ー大和路線ー奈良線ー加茂ー柘植ー草津ー米原ー塩津ー山科ー茨木)の車上で詠んだ句とか。一度やってみたいですね。

9点句 夢乗せてたんぽぽの絮吹く子かな 心太
7点句 全身を耳にて聴く初音かな 捨弘
5点句 瀬戸内の島々にじむ春の海 照子
4点句 遠き日へたんぽぽの絮ただよひぬ よう子
陽春や心の窓も全開に よう子
3点句 引鴨の羽音ののこる余呉の湖 洋子
2点句 さまざまなこと報告に彼岸かな 照子
    小さき沓揃えてありぬ雛の客 惟之
    突として入社取り消し冴え返る 心太
撫牛の瞳やさしく梅ひらく 惟之
    山々の噴出す息や杉花粉花粉 洋子
    たんぽぽやママと一緒の散歩道 照子
    春の湖黄金の鍵投げ入れて 捨弘
1点句 一角を締めて釘煮の天下かな 捨弘
    夕暮れて満天星の花灯のともす 洋子
    昨日今日春は名のみや雲り空 洋子
    憂国の志士待ち望み臼ら梅 祐毅
    水温む食器洗いも鼻歌で 敬子
    春場所ひとり横綱心技体 ひろよし
    朝まだき音一つ無き冴返る 裕毅
    仙台へ転居の友や名残り雪 敬子
    京一望春の色して将軍塚 ひろよし
    足跡を波が消し行く春汀 心太
      

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第70回響高槻句会

2010年02月20日 07時19分04秒 | 句会・吟行
             
日時:2010年2月18日(木)13:30~17:30
場所:高槻市民総合交流会館 5F和室

三寒四温の寒極まった午後、集まったメンバーはなんと6名。お孫さんの入試や体調不良などで4名が不在でした。さびしくもありましたが、心太さんの座長役も慣れてこられ、いつもとうり賑やかな句会となりました。松本清張の「点と線」で春の旅を詠った洋子さん、「馬糞」の遠い昔のリアル表現のよう子さん、そして「春一番」に日常の買物風景をおり込んだ心太さん、それぞれ特選が入り、本日の巻頭3句でした。また、よう子さんの百万遍の「ありがとう」の句、いろいろ憶測がありました。では、来月の句会をたのしみに。

 5点句 点と線点を求めて春の旅 洋子
     馬糞まだ湯気立ており雪解道 よう子
     確と抱く春一番のレジ袋 心太
 4点句 流れ来て岩に留まる落椿 洋子
     まいまいと着地探りし小雪かな 裕毅
     春淡し朝の挨拶京ことば 久子
 3点句 風船や解き放たれて真一文字 裕毅 
     モシモシと独り芝居の春オウム 裕毅 
 2点句 焼立ての粗目せんべいぬくし味 惟之
     鶯のもう一鳴きにバスの来し 心太
     春遠し延びし退院主夫奮励 ひろよし
     鬼は外うらはずかしく声ひそめ 裕毅 
     寒月の靴こつこつと遠ざかる 捨弘
     魞挿して比良の裾野を沈めけり 惟之
     冬晴れを二つに割りて飛行雲 捨弘
     谷間の水ぶつかりて春は来る 惟之
     老の身のへっぴり腰や雪解道 照子
 1点句 おなな児の飽かずに遊ぶゴム風船 照子
     春浅し味噌を仕込む日ま近かな 久子
     冬菊や百万遍の「ありがとう」 よう子
     一粒の泪のごとく梅ふふむ よう子
     入学試験子の朗報や声弾む ひろよし
     賑やかに長ぐつふんで雪解道 久子
     雪解晴白さ消えゆく山の肌 敬子
     雪解や蒼天に鳶舞い遊ぶ 洋子
     雪解田の雲解れつつ流れけり 心太  
 お気に入り 命この愛しきものよ春満月 よう子     


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第69回響高槻句会

2010年01月23日 14時24分03秒 | 句会・吟行
                          日吉大社の絵馬(大津市坂本)

日時:2010年1月21日(木)13:30~17:30
場所:高槻市総合交流会館  

 今月の句会はよう子さんがご家庭の事情で欠席され、心太さんが進行役をされました。はじめて経験された心太さんは少しく脱線されながらも上手に進行され、いつもながらの賑やかな句会となりました。わずかの時間に8句を選ぶのは大変と跡話ですが、心太さんの本音をききました。兼題は「初夢」「山眠る」。巻頭句は照子さんの特選2票の入った「晴れの膳」でした。照子さんらしい品格のある句。次点は「雲海はなる」の惟之さん。若い頃、槍が岳で見た雲海をのぼる御来光を初日に替えて詠まれた壮大な句。最高点(4人)は「年の夜」。よう子さんが来られなかったことがひしと伝わる一句です。この場をお借りしてお見舞い申し上げます。

 9点句 千両を一枝添えて晴れの膳 照子
 8点句 はい然と雲海はなる初日かな 惟之
 6点句 初夢に嘘一つ入れ飾りけり 心太
     四代が揃って祝う雑煮かな 久子
 5点句 窓に射す朝日に掬う七日粥 よう子
     さまざまな雲を行かせて山眠る 照子
 4点句 祇王寺を抱きて眠る小倉山 惟之
     ふる里に凧を揚げむと抱え来し 心太
     年の夜の母を連れ去る救急車 よう子
 3点句 身震いを一つして起つ寒の入り 捨弘
     山眠る窓辺に嬰の深眠り よう子
 2点句 比良颪眠れる山の鼾かも 心太    
 1点句 初詣恋占いは吉をひき 惟之
     初夢や若さの残るクラス会 敬子
     夕映えや水面揺らして鴨の影 ひろよし
     初夢は良い夢なりや今朝の顔 久子
     山眠る峠の茶屋の灯も絶えて 捨弘
     骨格の美競い会う冬木立 敬子
     煤逃げのダンスシューズと会館へ 久子
     何処にも自慢の富士や凧揚る よう子
     三角点撫でし周りや山眠る ひろよし  

 お気に入り 里住みの夢の近づく去年今年 照子

     
                
 
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第68回響高槻句会

2009年12月19日 15時56分33秒 | 句会・吟行
              冬の湖家路を急ぐ家鴨かな(大津港にて) 

日時:平成21年12月17日(木) 13:30-17:30
場所:高槻市立総合交流会館 遊の工房

 師走の午後、ことし最後の句会がいつものように楽しく、にぎやかに開催されました。今月の巻頭句は好調の捨弘さんでした。「星留る」とはすばらしい発見。まるで一枚の切絵のような名句でした。「枯野の臍」も心太さんの充実ぶりを示された一句でした。そして、心太さんは響関門句会の西村さん浦さんと共に今月、響同人に推薦されました。誠におめでとうございます。「出航やデッキに群れる百合鴎」は同人門出の祝いの句とか。句会あと「源八」で忘年会が行われ、盛り上がりのなか、年間の最高得点賞(135点)と最多選賞(77%)の発表があり、抜群の成績のよう子さんが選ばれました。来年もよき年であることを祈り散会しました。
 
 10点句 星留る欅の枝の寒夜かな 捨弘
  8点句 いちめんの枯野の臍となる仏 心太
  6点句 師走くる老いの仕草のゆるゆると ひろよし
      極月や火焔の中に不動尊 惟之
  5点句 見はるかす枯野の果ての伊吹山 照子
  4点句 極月や風に揺らぎしカレンダー 洋子
      吹く風に東奔西走落葉かな ひろよし
      丁稚羊羹蒸して近江の冬ぬくし よう子
  3点句 出航やデッキに群れる百合鴎 惟之
  2点句 蓬莱を探し求めて大枯野 裕毅
      石段の数数えれて七五三 心太
      レジ前の列長くなる師走かな 敬子        
      しぐれ虹四季の橋に人溜り 心太
  1点句 枯野ゆく訓練犬の足疾し 心太
      寄り合いへ足早に行く師走かな 捨弘
      冬ざれや千手観音湖へ向き 惟之 
      白鳥の湖に遊ぶや富士を背に ひろよし
      山裾の枯野広がる富士の山 敬子
      母の忌や姉妹六人冬座敷 久子
      葉の落ちて足元装う銀杏かな 洋子
      色おとし眠る山にも夢ありて 照子
      枯尾花逆光のなか銀となる 敬子
      かいつぶりひょいと首出すえりの前 惟之
      世は移り電飾の街師走かな 久子
      性格は亡母似て思う凍豆腐 よう子
      
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