goo blog サービス終了のお知らせ 

水彩画と俳句の世界

自然を愛し、感性を大切にして「水彩画と俳句の世界」を楽しんでいます。

京都府立植物園の吟行

2012年11月22日 14時15分38秒 | 句会・吟行

             京都府立植物園の温室  

11月15日(木)雨模様の京都府立植物園に吟行に行ってきました。メンバーは欅句会の8名。菊花展もありましたが、銀杏の黄葉と、ながらぎの森の紅葉が見事でした。ややシーズンオフ気味とはいえ、コスモス園やバラ園もよかった。鈍色の空に咲いていた冬薔薇。でっかい獅子柚子も見ました。また、ヒマラヤ杉や樟並木を見上げて、鳥の鳴き声も聞いてきました。水車小屋の屋根の黄葉もきれいでした。温室は駆け足で10分。枯蓮も小春日に揺れて印象的でした。こんな風な10時から11時30分までの吟行でした。そして、洋子さんの一声で、お隣の陶板名画の庭も拝見しました。昼食は、回廊でつながった京都コンサートホール1Fのレストラン、ラ・ミューズ。ランチのあと、円卓を囲み、コーヒーをいただきながらリッチな気分で句会がはじまりました。幹事の裕毅さん、お疲れさまでした。「円卓やコーヒーを手に秋句会  裕毅」

  寒禽の声のあふるる楠並木    惟之

  獅子柚子の雨の雫や鳥の声

  風揺れて見えつ隠れつ枯はちす

  鳥啼きて黄落屋根の水車かな

  温室の屋根かがようて小春かな

  比叡を背に銀杏の黄葉散りいそぐ

  冬空へヒマラヤ杉の聳えけり

  幾重にも弓の枝張る大銀杏

  紅葉のコトコトコットン水車小屋

    

なからぎの森の紅葉。池には紅葉が映り、見事に美しい光景でした。植物園ではこの森が唯一のこされた自然林で、そして、なからぎの由来は流れ木からと記されていた 近くには、半木神社の赤い鳥居があり、少しゆくと水車が回っていた。 「水中に燃ゆる宮あり冬紅葉  よう子」

水車小屋は植物園の開所まえからここにあったらしい。この水車が周りの景色とぴったりあっていて、静かな空間を感じました。屋根には落ちた紅葉が積もっていて、鳥の声があちこちに聞こえていました。

洋風庭園ではピンクと白のコスモスが咲いていた。背景の赤色はサルビアで夏の花である。手入れが良いので見事な取り合わせで咲き誇っている。11月15日は俳句の世界ではもう冬となる。

ししゆず(獅子柚子)が雨の雫にゆれて実っていた。大きさは10センチくらいだったが、大きくなると20センチ以上になるらしい。原産は中国で、奈良時代に渡来とのことです。文旦の仲間で別名でおにゆず(鬼柚子)ともいわれる。ジャムやママレード、ゆず酒などに利用される。焼酎のロックに輪きりをいれて一杯やれば忽ち、名句が生まれる。

洋風庭園では何本かのヒマラヤ杉を見つけました。銀杏と同じく雌雄があって、この木は雄らしい。樹齢は90年とあった。「時雨してヒマラヤ杉を傘にして よう子」。 まさに、この傘の下をよう子さんたち3人が歩いていました。植物園正面入り口に近くの洋風庭園入口にて。

この銀杏のなんとすばらしい枝振り。天高く弓を幾重にも張ったようでもあり、聳え立つ幹も悠々としている。ここを通りかかる人は皆さん見上げて感動の様です。この大銀杏をぎりぎりまで観察していたのは照子さんでした。「大銀杏葉裏に残るうす緑 照子」

 

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大山崎山荘(入口)

2012年04月25日 15時46分21秒 | 句会・吟行

                  山荘の入口

 なんと開放的な山荘の入口だ。橙色の瓦のある塀がとても印象的。右側に下ると庭園に出る。左側は緩やかな登り坂になっていてシャガ、満天星、白蓮、馬酔木が見られる。海老根が咲いていたとのことだが、残念ながら見落した。新緑の木々や樹の陰のシルエットが陽の輝る道に投影して初夏のような景となる。

      またたける星にスイング花馬酔木   中島秀子

      新緑や木の陰描くシルエット      惟之

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大山崎山荘(花の径)

2012年04月25日 15時24分00秒 | 句会・吟行

                    枝垂れ桜の径

トンネルを過ぎて、シャガの花がいっぱい咲いていた坂道を上り、レストハウスの前にこの枝垂れ桜が待っていた。青天から降るようにーーー。「まだ咲いていてよかったわね」「ほんとにね」

     山荘へ会話の弾む花の径    惟之

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大山崎山荘(三川合流)

2012年04月25日 14時29分28秒 | 句会・吟行

                    山荘のテラスからの眺望

加賀正太郎は若き日欧州に遊学し、ウィンザー城を訪れた際に眺めたテムズの流れの記憶をもとに木津、宇治、桂の三川が合流する、ここ大山崎にこの山荘を建てといわれている。現在喫茶室として使用する2階テラスからは当時そのままに壮大な風景を眼下にすることができます。大山崎山荘美術館パンフレットより。

     寒晴や淀川蛇行するところ    山口誓子  

      

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大山崎山荘吟行記

2012年04月25日 14時07分07秒 | 句会・吟行

                    大山崎山荘の全景

  今年の春の吟行は、山崎の合戦で名高い天王山の南麓に位置する大山崎山荘。高槻句会メンバー10名と関門句会2名の12名。山荘へは、JR山崎駅から踏切を渡り、急坂をのぼりきって徒歩15分くらい。煉瓦と巨石のトンネルを潜り、著莪の花咲く丘をのぼる。空から降るような枝垂れ桜を見上げながら、やがて入口に来た。正面には加賀正太郎(1888~1954)が建てた英国のチューダー様式といわれる山荘。こんもりと木々に囲われ、入り重なった屋根とそそり立つ煙突が印象的。美しく整然とした別荘(本館)である。館内は撮影禁止で、ボールペン使用不可(鉛筆使用)。スコットランド製といわれる時計を見て、居間として使われていた部屋に入る。暖炉上部には古代中国の画像石(墓石)が使われいた。ここには、加賀正太郎と交流があったといわれるアサヒビールの初代社長の山本コレクションが工芸の名品が置かれている。2階へは階段のステンドグラスのマリア像に魅せられた。踊り場にはドイツ製のオルゴールが設置されていて、11時にその音を聞く。まさに100年の時空を超えた音色である。喫茶室からのコーヒーの香りにつられテラスに出た。木津川、宇治川、桂川の3川が淀川へ合流する風景が見られ、土手には、桜並木見る。正面右に男山八幡を望み、遠くに生駒山を霞見る。安藤忠雄設計の新館には、モネの睡蓮の絵が掛けられている。庭園に出て、枝垂れ桜、菫、椿、連翹、山吹、馬酔木など春の苑を満喫した。予定の時間が近くなったので急いで本館のスケッチを2枚。昼食のレストランtabitabiでは生ビールで乾杯。句会は公共の会館でゆったりと楽しませていただいた。幹事の洋子さん、会場設定頂いた久子さんありがとうございました。また、遠路より参加いただいた浦さん、和子さん、2次会にもご一緒いただきありがとうございました。
 おわび: これまでの吟行記では選句された句と得点を掲載していましたが、都合により、ブロガーのみとさせていただきました。
 
 山荘へしゃが咲きのぼる丘の上  惟之
 
  硝子絵の聖母を抱く春の光   
 
  見霽かす三川合流土手桜

 宝寺のぞむテラスや雪柳

 山荘へ春の音響くオルゴール 

 
 

  

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第91回高槻句会(嵯峨野吟行)

2011年11月20日 16時40分25秒 | 句会・吟行

  秋の吟行は嵯峨野路、そして、句会はなんと落柿舎で行われた。天候にも恵まれ、最高の気分で俳句三昧の一日を過す。集合は阪急嵐山。参加は山口の和子さん入れて9名。よう子さん、捨弘さんは、残念にも都合で参加されず出句のみでした。渡月橋からの嵐山や小倉山の緑に映える紅葉は、すこし早いが、すがすがしく美しい。また、遠景の山容もよく、そして、大堰川の流れは迸り、鳩の群れが自在に飛んでいる。すっかり俳句モード。やがて天龍寺の入口近くにきた。敗荷の池に日が差している。大方丈では、縁に座してしばらく見事な庭園に目を奪われる。紅葉が映り込んでいる曹源池には、錦鯉が悠々と泳いでいる。大襖には雲竜図が描かれ、どの方向からも竜の目に睨まれているように感じる。八方睨みとはこれなんだ。庭園を周遊して、北門から竹林の小道をゆく。「竹の春」「神無月」が兼題。誰かれとなく句帳にペンを走らせている。竹林を抜けるとのどかな田園風景が開けてきて、やがて藁ぶきの屋根の落柿舎だ。柿の実がたわわに紅を散らす。平日なのに人が多い。写真のクループか大勢たむろしていた。受付を済ませ、去来の在宅のしるしと言われた蓑と笠を見とどける。去来墓の横を通り、お食事処「あだし野」は意外と近い。よく歩いたので腹ペコだ。あらかじめセットされた湯豆腐鍋に湯気が立ってきた。短冊に書き始める人がいたり、ビールをのみはじめたりで、瞬く間に時間が来た。「一時から句会ですからーー」と幹事の心太の声。清記の人以外は、落柿舎に急ぐ。句座は本庵の隣の次庵で実施される。床の間にはずらりと先達が持参したとおもわれる句集が並んでいる。桂信子氏の句集もあった。床上の分厚い板の落柿舎制令には、我家の俳諧に遊ぶべし、世の理屈を謂うにべからず、雑魚寝には心得あるべし、大鼾をかくべからず、朝夕かたく精進を思ふべし、魚鳥を忌むにはあらず、煙草を嫌ふにはあらず、などと刻まれてあり、俳諧奉行向井去来の名前が最後にある。まるで元禄時代にタイムスリップである。「俳諧奉行」とは、芭蕉の戯言によると季刊誌「落柿舎」にある。やがて、準備が整い、句会がはじまった。

  結果は以下のとおり。最高点は特選2票が入り、よう子さん。「行く秋」と「過客」に魅了され、次点も特選2票のよう子さん、上位独占に苦笑されているかもしれません。次々点も落柿舎の蓑の久子さんの句で、季語の「初冬の日差し」がぴったりである。遠来の和子さん、「神の留守」の合間に寺社を修理するという巧みな一句でした。また、心太さんの「竜の玉」は竜の眼の方がいいのではと議論となる。ひろよしの「風はたとやみ」は瞬間を捉えられてとてもいい句と思った。「竹林透けて照り紅葉」の心太さん句、綺麗な嵯峨野路の吟行句でした。 「草紅葉足の短い犬連れて」敬子 「天辺へ節目の白き竹の春」惟之 「渡月橋立てば四方は紅葉かな」捨弘 など紹介出来なかった句が沢山ありますが、嵯峨野路を満喫し、落柿舎で楽しく句会ができた吟行会でした。幹事さんありがとうございました。帰りは、駅2階の百足屋のはんなり御膳で一杯やって散会した。また、機会をつくり訪れたい。             

  11点句 行く秋の我も過客のひとりかな よう子
   8点句 落柿舎の秋の客待つ蓑と笠 よう子
  6点句 落柿舎の蓑に初冬の日差しあり 久子
  5点句 修復の檜皮の匂う神の留守 和子
  4点句 竜の玉襖絵脱けて天龍寺 心太
      渡月橋過ぎる群鳩山粧ふ 惟之
      落柿舎の次庵の句座や芭蕉の忌 久子
      わびさびを今こそ継がん嵯峨小春 裕毅
      竹春の風はたと止み天龍寺 ひろよし
  3点句 敗荷の残る一葉に陽のさして 惟之
      落柿舎の柿を落として名を残し 心太
      落柿舎へ意気込む小道竹の春 裕毅
  2点句 落柿舎や柿の古木の語り顔 裕毅
      あだし野の湯豆腐温し句座熱(あつ)し 捨弘
      嵯峨野路に竹の私語(ささや)く神無月 よう子
  1点句 水底に沈みし一葉枯もみじ 洋子
      日向ぼこのごと方丈の縁に座し 和子
      小春風小話溢る嵯峨の道 ひろよし
      鯉跳ねて池面の紅葉乱れけり 和子
      風吹きて石蕗の黄揺れる水の面 洋子

      湯豆腐や肩触れ合うて句友どち よう子
      風吹けば土に還りし落葉かな 洋子
      底冷えの方丈のぞく雲竜図 和子
      嵯峨野道竹林透けて照紅葉 心太
      雲竜に見つめられけり大襖 惟之
      柿たわわ人もたわわや嵐山 照子
      吟行の嵯峨野さわさわ竹の春 捨弘
      竹の春風と遊びて嵯峨野行く 洋子                 
  

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第90回高槻句会

2011年10月21日 16時56分33秒 | 句会・吟行
                   京町通りを行く曳山(大津祭)

 爽やかな秋空の午後、高槻句会が開かれました。参加は少しさびしい7名。兼題は「やや寒」「鹿」。本日の最高点は、なんと出句のみのでお休みの久子さんにさらわれました。少しひんやりした朝、久々に割烹着をつけて朝食の準備ーーー。この何気ない日常の一句に過去には例がない特選4名がつきました。おめでとうございました。次点は、鯔背(いなせ)な一句の捨弘さん。季語もぴったり嵌りました。次々点は、3句。なかでも心太さんの「独り住まい」は男性には堪え難い生活句ですが、目くらましの一句でもありました。「小牡鹿(さおじか)」は春日大社の参道でのよう子さんの一句で、「さ」は牡鹿の接頭語でした。美しい響のことばありがとうございました。また、照子さんからは、とれとれの黒豆をみんなに頂き、ありがとうございました。いよいよ来月は秋の吟行(嵯峨野)です。兼題は、「神無月」「竹の春」。さて、どんな句が待っているでしょうか。
 
 16点句 やや寒し今朝久々の割烹着 久子
  6点句 秋高し今日の車屋鯔背なり 捨弘
  5点句 蒲生野のレモンイエロ-稲の秋 惟之
      日替わりに姿を替えて秋茄子 照子
      やや寒や独り住まいの卓の辞書 心太
  4点句 蚯蚓鳴く「僕は大人になれますか」 よう子
  3点句 ひとかどの庭師気分や松手入れ 照子
      除去されて土に還れぬ落葉かな 洋子
      弁当にぬっと顔出す鹿がゐて 捨弘
      絡繰のくるりと廻る秋祭 照子
  2点句 台風圏子が駆け回る家の中 心太
      大寺の黄落しきり大遠忌 惟之
      稲稔る中にぽつんと無人駅 洋子
      角切られながら鹿は眼見開いて 心太
  1点句 校庭の除染見つめる曼珠沙華 照子
      ふるさとへ還るフライト天高し よう子
      すぐそばの尾花が遠し崖の上 心太
      秋高し宇宙船一日本地球号 裕毅
      独り居の仮設に今日も秋の暮 久子
      台風の過ぎし静寂や虫の夜 裕毅
      桃太郎生れて拍手や秋祭 惟之
      秋桜湖国に揺れて三姉妹 久子
      小牡鹿や音無く濡るる裏参道 よう子

          
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第89回高槻句会

2011年09月16日 14時19分23秒 | 句会・吟行
                    満月に照らされた高田松原の一本松 朝日新聞9月13日朝刊

節電も半ば厳しき残暑かな 心太  
残暑のまだ厳しいおり、久しぶりの全員参加の句会でした。今日の最高点は弘毅さんの「稲の花」。稲の穂を見ると頴(えい)からこぼれるように白い糸のようなものがこぼれている。これが稲の花。秋の季節感がいっぱいとはいえ、余りに身近すぎて、普段は見ていないこの「稲の花」を句にされた。高槻句会も見識が高い。次点は心太さん「花野」。逆光で大山の花野はあまり見えなかったが、浮雲が通る下が影となり、その花野は色を拾うように際立って美しくみえた。色を拾うという言葉を発見された。次々点は「満月」の惟之さんと「飛蝗」の照子さんの2句。13日の朝刊には、満月に照らされた高田松原の一本松が掲載された。数万本あった松でたった一本残された奇跡の松。復興のシンボルともいえる松だが、衰弱が進み危ない状態とのことである。また、2か月振りの照子さんが参加され、こころの和む句をお示し頂きありがとうございました。「飛蝗」という漢字も魅力的です。兼題は「枝豆」「秋鯖」。身近な季語なので、楽しい句が沢山生まれました。来月の兼題は「鹿」「漸寒」。さて、どんな句が待っているだろうか。

  13点句 稲の花その小さきを侮(あなど)らず 裕毅
  10点句 雲の影花野の色を拾うなり 心太
   7点句 満月やただ一本の松耐える 惟之
       飛蝗(ばった)追ふ子らの姿も飛蝗かな 照子
   5点句 すい芙蓉誰に出会いて恥じらいぬ 裕毅
   4点句 好きだった鶏頭選び今日の供花 久子
       枝豆をチョキチョキ幼のお手伝い 照子
   3点句 まず夫に走りの秋刀魚求めけり 照子
   2点句 節電も半ば厳しき残暑かな 心太
       枝豆を抓み初恋談義など よう子
       秋鯖の艶よく焼けて二人膳 惟之
       枝豆やたちまち皮の山となり 敬子
   1点句 十五夜の労苦しまいて至福かな 善
       軽トラに積まれて重き今年米 照子
       蒼穹に雪渓映えるスイスかな 捨弘
       ねこじゃらし子の歓声に揺れやまず 惟之
       秋鯖を買う値段見て産地見て 心太no
       天空のまんまるく足止める 敬子
       敬老のあるがまんまを受け入れる 久子
       うたた寝のふと目をさまし良夜かな 捨弘
       紀伊をなめ破壊激甚野分かな 善
       満月の中で餅つく干支うさぎ 敬子
       溜池や鉄条網に葛の花 心太
       農道をコンバイン行く豊の秋 照子
       タイガース秋声空し断末魔 善
       切株に座せば寄り来る赤とんぼ よう子
       枝豆に塩振りながら小言いふ よう子
       店頭の黒目澄んだる秋の鯖 捨弘
       籠盛の枝豆一番人気かな 敬子
       枝豆や酒酌み交わす国訛 久子
       枝豆に下戸も誘惑されにけり 裕毅
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第88回高槻句会

2011年08月19日 21時50分07秒 | 句会・吟行
                   陸前高田の七夕まつり

 終日をどかと居座る残暑かな 洋子。このところの残暑は正にこの一句。こんな残暑の最中、8名が集まりました。兼題は「花木槿」「墓参」。本日の最高点は、「万の魂」。特選2人が入り9点。陸前高田のがれき野をゆくを七夕祭りを詠まれました。体調不良で来られた甲斐ありと喜んでおられた。次点は6点の3人。「穂を伸ばし」の裕毅さん。芒原の大自然を童心にかえり詠まれました。「泊るのは」は、法事などで実家にかえることが多い心太さん。その様子を兼題に上手く詠まれました。さらに、「きはちす」というきれいな季語で、深眠り稚児を詠まれたよう子さん。次々点は5点の3人。甲子園で今夏、ベスト16へ進出した八幡商の奇跡の逆転ホームランの試合を詠まれた捨弘さん。とても気持ちがよかったですね。瀬田川の舟から上がる「大花火」をさりげなく詠まれた心太さん。そして、秋暑しの季語をうまく使われて、薬師寺の鴟尾を詠われた洋子さん。推敲を重ねられた重い一句。このように今月は、5点句以上の句が7句あり、しのぎを削る句会でした。次回の兼題は「秋鯖」「枝豆」。お盆もおわり、これからは、すこしづつ凌ぎやすくなることを期待して作句に励みたい。

 9点句 万の魂共に引きをり山車の綱 惟之
 6点句 穂を伸ばし天を掃きたき芒かな 裕毅
     泊るのはいつも仏間や花木槿 心太
     きはちすの風に稚児(ややこ)の深眠り よう子
 5点句 大花火川より揚がり川に尽く 心太
     秋暑し鴟尾を動厚き雲 洋子
     夏清か逆転満塁ホームラン 捨弘
 4点句 忘れもの取りに来ました終戦日 久子
     八月や昭和を語る老し母 洋子
 3点句 頭垂れ判定待ちの稲穂かな 洋子
 2点句 終日をどかと居座る残暑かな 洋子
     韋駄天の俥夫の素足を見たりけり 惟之
     西瓜割り指図の声に右ひだり 敬子
     柄よりも白が勝れり夏衣 捨弘
     送り火の願い叶わず被災松 惟之
     点されてゆるり筆太大文字 善
 1点句 妻よ子よ祭太鼓が聞こえるか よう子
     殻ふたつ見つけし後の蝉時雨 敬子
     百日草百日咲ける花の妙 心太
     四代目が小さき手合せ墓参り 久子
     辻馬車の走る湯の町白むくげ 惟之
     白木槿旅立つ母の指白し 久子
     夕暮れに色を貰ひし白木槿 洋子
          
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第87回高槻句会

2011年07月21日 19時35分54秒 | 句会・吟行
                    畑の棚田 2008年6月 6F

 台風明けの今日、月例の句会が開催されました。心太さん、照子さんお休みでしたが、いつものとおり和気藹々でした。兼題は「金魚」「百日紅」。本日の最高点は好調お続きの久子さん。思い切ってショートヘアにされた「せっかちな夏到来」。おめでとうございました。次点句は3句。「金魚の鉢」の洋子さん5人の選が入る、尾鰭に動くニャンコの眼を楽しく謳われました。よう子さんの「下町の御僑」、ご自身のお若いころの浴衣姿を粋に。そして惟之さんの「枇杷熟るる」も二人の特選が入りました。以下、万緑、額の花、緑陰、寝茣蓙、松魚(カツオ)、雷、青蛙、夏料理、夏の雲、蝉の殻、クーラー、羽抜鶏、ねじり花、風鈴など夏満載の楽しい句会でした。来月の兼題は「木槿」「墓参り」。さあ、次回の句会が楽しみだ。それまで、ご健吟を。

 9点句 せっかちな夏到来に髪を切る 久子
 8点句 金魚鉢尾鰭に動くニャンコの眼 洋子
     下町の御僑(おきゃん)でありし藍浴衣 よう子
     枇杷熟るるクララ・シューマン子だくさん 惟之
 6点句 万緑の谷へ落ち入る棚田かな 惟之
 5点句 雨に咲き散らずに枯れる額の花 洋子
 3点句 緑陰に村の神事の進みけり 照子
     大の字にならせてくれる寝茣蓙かな 久子
 2点句 松魚来るご祝儀相場仮設市 ひろよし
     通り雨雷連れて来たりけり 捨弘
     青蛙手水鉢より大ジャンプ 照子
     汁の実の清しく見えて夏料理 心太
     叡山に袴つけおり夏の雲 洋子
     教室の椅子に三つ四つ蝉の殻 惟之
     クーラーを好まぬ夫と暮らしおり 久子
 1点句 かわいいと喋るインコも羽抜鶏 心太
     どこまでも空を目指してねじり花 照子
     職工街河内風鈴軒並に よう子
     どくだみや見山の里に白十字 心太
     刈り込み込みし紫陽花に風嬉々として 裕毅
     闇の国生まれいずこよ蝉の声 洋子 
夏雲やマップ片手に東山 捨弘
     節電で日の目を見たる古扇 裕毅
     出棺の後追い白き蝶の飛ぶ 敬子
     子のもとへ鞄の中の夏野菜 照子
     百日紅太陽光に焼かれ咲く 敬子
     網破れ掬えぬ金魚また追ひし 惟之
     金魚三匹終の棲家の手水鉢 照子   
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする