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水彩画と俳句の世界

自然を愛し、感性を大切にして「水彩画と俳句の世界」を楽しんでいます。

六月の詩(鴨の陣)

2016年06月01日 19時58分17秒 | 冬の俳句

 

 校庭に雪合戦の声はずむ   惟之

 マタニティマーク付けゐて冬ぬくし  

 この先の航行禁止鴨の陣

 五羽六羽水輪かさねて鳰くぐる

 デコポンの大きな出べそ春隣

 茎立や背のランドセル小さくて  秀子

 茎立ちて葉牡丹くらり傾ける   捨弘

 茎立も雨をもらいてかがやけり  アイ子

 茎立の蕊の力の頼もしく    幸子

 みずうみと川の境界茎立てる  惟之

 茎立ちて粗末に置ぬ鉢一つ  美枝

 茎立ちて借畑はみな整理され  テル

 茎立やランナー過ぎる湖畔道  洋子

 茎立ちて忘れられたる畑の隅  初枝

       俳誌 嵯峨野六月号(通巻539号)より

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五月の詩(二年坂)

2016年04月23日 18時33分10秒 | 冬の俳句

 

          春祭(大津市唐橋)      

 船溜り茜に染めて初明り  惟之

 鳶舞うて遠山くきり初句会

 席題に狸とび出で初笑

 孫三人みんな二歳の初詣

 初髪の人とゆき交ふ二年坂

 大泣きてにつこり笑つてしやぼん玉

 しやぼん玉幼の駆ける赤い靴  美枝

 しやぼん玉飛んで子供の笑顔かな  テル

 ふるさとへ飛ぶ夢毀れしやぼん玉  洋子

 息一杯吸ひふくらますしやぼん玉  初枝

 しゃぼん玉夢の続きをせがまれて  秀子

 しゃぼん玉われの行方も風まかせ  捨弘

 風に乗り形いろいろしゃぼん玉  アイ子

     俳誌 嵯峨野 五月号(通巻538号)より

 

 

 

 

 

 

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四月の詩(初冠雪)

2016年03月30日 13時39分59秒 | 冬の俳句

 

            雲厚く春風頬を突き差しぬ(大津港) 

 楓の木の紅葉且つ散る鏡池   惟之

 焼芋の煙いぶりて坂のぼる

 初冠雪やうやく見せて比良遠見

 ふぐ鍋を囲みて明日の釣談義

 店先に棒鱈吊るし客を呼ぶ

 シクラメン真中を占めて生花店  捨弘

 シクラメン一人出窓に定まりて  幸子

 多種あるも炎のやうなシクラメン アイ子

 シクラメン葉陰に蕾五つ六つ  惟之

 会釈して駆けだす少年シクラメン  美枝

 店先に鉢植ゑ並ぶシクラメン  テル

 シクラメン日差し移らふ飾り窓  洋子

 口ずさみ一句授かるシクラメン  初枝

 シクラメンあれは二十歳の誕生日  秀子

    俳誌 嵯峨野 四月号(通巻第537号)より

    

 

 

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三月の詩(鳰と鷺)

2016年02月28日 07時24分24秒 | 冬の俳句

 

                       瀬田川の瀬に群れる鳰と白鷺

  ひざまずき僧の掌に聴く秋の鐘   惟之

  夜泣きの子あやし月下のひと回り

  秋の駅保線車入り来る没日中

  鴨の尾の湖面に浮きてまた沈み

  あかときの瀬音に群れる鳰と鷺

  水木しげる天に招かれ冬銀河   秀子

  冬銀河ジングルの鈴つけて    テル

  齢重ね見ゆるものあり冬銀河   洋子

  冬銀河孫の靴音遠くなり      初枝

  ありがとうと口ずさむなり冬銀河   幸子

  冬銀河櫓音だんだん遠くなり   惟之

  冬銀河母の年忌も無事終り    美枝

         俳誌 嵯峨野 三月号(通巻536号)より

 

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水仙花

2016年02月01日 09時02分17秒 | 冬の俳句

                可憐な水仙

   水仙や白き障子のとも映り    芭蕉

   水仙に狐遊ぶや宵月夜      蕪村

   水仙や古鏡の如く花かかぐ    松本たかし

   水仙花三年病めども我等若し  石田波郷

   水仙の花のうしろの蕾かな    星野立子

   水仙を剣のごとくに活けし庵   山口誓子

   海明り障子のうちの水仙花    吉川英治

   水仙を活けてピアノと別れし日  惟之

   

        

 

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四月の詩(冬ぬくし)

2015年04月03日 10時25分06秒 | 冬の俳句

      

                      桜満開の哲学の道

 まほろばの仁王の親指冬ぬくし  惟之

 朱雀門見えつ隠れつ冬すすき

 寒禽の声あふるるや二の鳥居

 気高くも冬鶏の声暁の空

 冬紅葉玻璃戸に映す神輿蔵

 三井の鐘湖面に響き野水仙   

 荒れ果てし庭に水仙咲き初むる  幸子

 川の面に響く鳥声野水仙   美枝  

 母逝きし日なり水仙そつと挿す  洋子

 雪中花取らないでねと咲き誇る   アイ子

 水仙を活けて玄関香り満つ  初枝

 父の忌や供花は狭庭の水仙花  秀子

            俳誌 嵯峨野 四月号(通巻525号)より

  

 

 

 

 

 

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冬の大津港

2015年01月11日 19時47分50秒 | 冬の俳句

                       大津港マリーナ風景  

   マリーナ付きつ離れつ番かも    惟之

   行儀よく一列が好き百合鴎

   雲垂るる水上消防出初式

   比叡見ゆ瞬の青空冬の湖

   鈍色の湖に鳰の尾浮き沈み

   鈍色の空と湖鳰の声                    

               出航まえのビアンカを背景に一列に並ぶユリカモメ

                   水上消防署の出初式の準備風景

              湖岸風景Ⅰ 背景は比叡山の山裾 湖面には鴨が浮き沈み 

             湖岸風景Ⅱ 大津プリンスホテル びわ湖ホールを望む

 

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一月の詩(花八手)

2014年01月17日 22時08分47秒 | 冬の俳句

              

                                               朝日に輝く花八手

  新年の鐘きいてをり腹の子も    惟之

  水晶玉数えていくつ花八手

  段ボール抱えて配らる里みかん

  古希と謂う門に立ちゐて年迎ふ

  魞挟み対峙の気配鴨の陣

              俳誌 嵯峨野 平成25年4月号より         

 

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一月の詩(破魔矢の子)

2013年01月26日 10時32分04秒 | 冬の俳句
                          湖岸の春(守山)  水彩 F40    

  比良よりの風より生るる菜花かな   惟之

  一月の白山かがよふ車窓かな

  べその顔すぐに笑顔や破魔矢の子

  飴食ぶるその手で抱く破魔矢かな

  新年の鐘きひてをりお腹の子

  三人の孫を授かる年迎ふ

  誠実に生きて七十路花八手

  花束を手に機へ向ふ冬の朝

 

  

  

  

  

  

  

  

 

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ゆりかもめ

2013年01月04日 07時16分16秒 | 冬の俳句

                   びわ湖漕艇場近くのユリカモメ

   わが旅も家路をさしぬ都鳥   下村梅子

   都鳥何求(と)めこゑをこぼしけり  渡辺二三雄

   ももいろの雲あれば染み都鳥  山口青頓 

   キュウポラの空にありけり都鳥   吉田鴻司

   肩車の子に群れて来る百合鴎  惟之 

  

 

  

 

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