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水彩画と俳句の世界

自然を愛し、感性を大切にして「水彩画と俳句の世界」を楽しんでいます。

四月の詩(古墳めぐり)

2019年03月24日 08時43分17秒 | 冬の俳句

                                      劇場の赤い屋根(宝塚市) 8号水彩  

    古墳めぐり 

 山眠る曼荼羅山の古墳群   惟之

 凍雲や横穴古墳の暗き奥

 綿虫のお迎え優し小野神社

 倒木の嘆きをちこち冬の尾根

 羽ばたきて背に立つ鳰の黒十字

    誌上句会 兼題「冬茜」または「風(無季語」)

 冬紅葉巡り主峰の風の中  三枝子

 ビルとビルそれでも空は冬茜  たかすけ

 お年玉貰うて風のごとくゆく  洋子

 冬茜ムンクの人を叫ばしむ  研二

 吉野山渡る列車や冬茜  惟之

 冬茜林を染める夜明けかな  稔

 冬茜追ふかのやうに眉の月  奈緒世

 心地よき松風を聞き初茶席  まこと

 僧正のみ魂安かれ冬茜  博女

 拭き終へし窓にひろごる冬茜  靖子

 比良の山連なる峰の冬茜  静風

 電線に並ぶ烏や冬茜  祐枝女

 冬茜足長おじさん付きまとひ  泰行

 冬茜夕雲に山染めにけり  よう子

 初風や古希の目標踏み出せり  里子

 冬の海風おさまりて船ひとつ  美枝子

 手を振れば光る指輪や冬茜  千代

 手術終へ部屋に戻れば冬茜  秀子

 冬茜ふらりと入る古きバー  仙命

 隅田川の流れおだやか冬茜  テル

 冬茜体操帰りの川上に  啓子

 北風や空回りする換気扇  佳子

   やまびこ(二月号の作品から)感銘・共鳴ーー私の好きな一句

 豊作や開きしままの蔵ひとつ  みどり

 医者の嘘政治家の嘘虫すだく  優江

 紅葉して青空はじく飛騨の山  きぬ

 爪切るも生きる証や残る虫  ひさ子

 先頭を呑み込んでゆく芒山  敦子

 風紋は風の言葉や冬渚  廣平

 白雲は静かに流れ秋桜  志津子

 秋刀魚船喫水深く帰りくる  靖子

 ひと枠は猫の帰り路障子貼る  素岳

 月光や波を鎮めて海の上  久子

 千体の地蔵の影や虫時雨  一雄

 まつすぐの道は淋しや秋夕べ  祐枝女

 秋の蝶見れば亡き友思い出す  悦子

 起伏なき余生賜ひて蒔く大根

 

 

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湖岸の初景色

2019年01月14日 20時24分32秒 | 冬の俳句

 

            タグボートの向こうは大津港マリーナ  

 新春の書道展会場の大津市歴史博物館へ湖岸をサイクリング。初春の景色にジョギング、散歩、凧揚げなどの人達やゆりかもめ、鴨、かいつぶり、群鳩との出会いがありました。

    群立の帆柱そめる初明かり    惟之

    比良望む水上消防出初式

    素潜りの名人なりしかいつぶり

    次々に飛び来て並ぶゆりかもめ

    群鳩の仲睦まじき日向ぼこ

    逆光の冬日波打つ湖岸かな

    タグボート新装なりし三日かな 

    きらきらと光る湖面や魞を挿す                    

 

逆光の湖面にあそぶ鴨の群れ  

 

次々に飛び来るゆりかもめ      

膳所公園東の舟溜り

鳩の群れ

鴨の群れと比叡・比良の山並み

大津市水上警察署

消防艇

大津港

新装されたビアンカ

大津港マリーナ

 観音寺近くの琵琶湖疎水の入江

 

 

 

             

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十二の詩(大船鉾)

2018年12月02日 09時42分37秒 | 冬の俳句

 

                 永観堂の紅葉

      大船鉾

 山頂へ蟻の門渡り人の列   惟之

 凱旋旗はためく取りの大船鉾

 煌煌と火星接近夜の秋

 響きの後の拍手や大花火

 土器をみづうみに投げ秋にいる

     兼題「月」

 特選

 鹿遊びくる月明りの音楽堂  肇

 月光に崩れし古墳の吉備の山  京子

 湖渡る三井の晩鐘盆の月   静風

 暈かかる月端然と雲早し   啓子

 明り窓に母の声きく良夜かな  敬子

 秀作

 十六夜や塔を要に吉備の里  みどり

 災害の傷跡照らす月青し  弘子

 宵月や櫓音の滑る瀬田の川  惟之

 満月かざす腕や阿修羅仏  博女

 母を抱き湯舟の月明り  睦美

 月明や非常呼集の練習船  ともはる

 空襲を一人眺めし月明り  たかすけ

 サハラの月駱駝の背のVサイン  胡蝶

 まどかなる朝の月あり巌島  一江

 再開を待つ月光のエアポート  洋子

 人悼む心いだきて月の道  和子

 月光に恥じぬ己を問うてみる  万智子

 空耳に立ち上る夫月今宵  珠子

 妻の歩のテンポの緩し月の道  仙命

 病む友に月の姿を教へけり  三枝子

 月昇り静かに月をひとり占め  近子

 月浮かべ近江の湖の平らなる  捨弘

 写経の手休めて仰ぐ月まどか  咲久子

 子守唄の種の尽きたる星月夜  敦子

 望月の光さし来る欅坂  信儀

   やまびこ(十月号作品から)感銘・共鳴ー私の好きな一句

 水を打つ石のほてりの消ゆるまで  惠弘

 宿下駄のゆるき鼻緒や蛍の夜  ひさ子

 実梅落つ己が重みを音にして  廣平

 万緑に吸はれゆくかに寺詣  靖子

 橋渡りきて薫風の母の里  東音

 緑さす先師の句碑を排しけり  勝彦

 老鶯に気配はなかりけり  海男

 病んで知る家族の絆梅雨晴れる  道子

 従兄弟らと余生持ち寄り川床料理  素岳

 ほつほつと増ゆる里の灯新茶汲む  懋

 夏の朝バス通りゆく若き医師  近子

 亀鳴くや日記は愚痴の捨てどころ  方城

 夏萩や老いても捨てぬこころざし  みどり

 息吸うて吐いて緑の限りなき  安恵

 垂直にすする水稲夏の雲  睦美

 樟脳の匂ひ取り出す更衣  研二

 父の日や写真の父に頼みごと  美幸

   俳誌 嵯峨野 十二月号(通巻第569号)より

 

 

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六月の詩(薄氷)

2018年06月02日 10時40分28秒 | 冬の俳句

 

                                英国庭園の鴨小屋のある池(大津市)

     薄 氷

  雪山に爪跡しかと獣道   惟之

  樹氷咲く祠に一礼いただきへ

  山頂は雪の煌めく四畳半

  耀うて波の形に薄氷

  稜線に数多の古墳春あられ

    誌上句会 兼題「菜の花」

  特選

  妖精のタクト一振り花菜風   洋子

  菜の花や古刹の塔の高からず  篤子

  菜の花は菜の花色の月浮かび  葵堂

  靴紐は蝶蝶結び花菜道     咲久子

  どの道も花菜明かりの島のバス 近子

  秀作

  なだらかな径は古墳へ花菜風  ひさ子

  菜の花の吉備路や風のやわらかし よう子

  船笛の膨らみ来たる花菜畑   京子

  比良からの風に溢るる花菜かな 惟之

  比良を背に菜の花畑と志賀の湖 静風

  菜の花の波立つ伊吹下ろしかな 恵子

  総武線菜畑へ海へ走りゆく   信儀

  菜の花は故郷の色電車来る   睦美

  菜の花の映ゆる河内や菜の花忌 捨弘

  菜の花の黄の絨毯も村起し   幹男

  富士山の脇役風の花菜畑    京子

  菜の花や知覧に残る武家屋敷  仙命

  下田路のをちこち菜の花明かりかな  佳子

  菜の花の彼方や光る太平洋   ともはる

  菜の花の中より犬の現れる   山女魚

  菜の花や妻をたよりに起き上がる  優

  菜の花にふくらむ羽音浜離宮  奈緒世

  一面の花菜畑やかくれんぼ   敏子

  菜の花に触れ憂ひごとほどけゆく  純代

  川沿ひつづく菜の花路線バス  加代子

     やまびこ(四月号の作品から)感銘・共鳴ーー私の好きな一句

  炭を足し言葉足らずを補ひぬ  方城

  晩年の或る日沖ゆく鯨かな   勝彦

  湧きいでし谷水抱き山眠る   きぬ

  歌やがてハミングとなる枯野道 優江

  白杖の友を案ずる御祭     和子

  あの頃と戦後を語る冬帽子   爽美

  暁闇の星のもちくる霜のこゑ  爽美 

  野仏の御手を離れぬ冬の蝶   素岳

  問われたる答へ探しつ炭をつぐ 素岳

  障子なき家に住み慣れ年用意  隆を

  いつからか夫唱婦随や石蕗の花 近子

  先ず夫を使ひに出して煤払   洋子

  小春日や姉の形見の靴磨く   節子

  悔いなしと言ひたし独り枯葉径 翠

  八十路超へまだ現役と冬迎え  満枝

     俳誌 嵯峨野 六月号(通巻563号)より

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四月の詩(崇福寺)

2018年04月03日 05時02分40秒 | 冬の俳句

 

            半木の道の紅しだれ(京都・鴨川沿い)

      崇福寺

  古墳への山路ゆるやか冬すみれ  惟之

  山肌を斜めに過ぎるしぐれ跡

  三山の尾根に寺跡冬もみじ

  湖の風が頬刺す大根干し

  焼芋の煙燻りて子ら駆ける

    誌上句会 兼題「三寒四温」

  杉玉の影は真下へ四温晴    惟之

  癒え人抱く三寒四温かな    博女

  三寒の葬や園児ら空に泣き   ひさ子

  寄り道を少し四温の海岸へ   京子

  子の支えありし余生や四温晴  三枝子

  見晴るかす七里の渡し四温晴  保子

  土寄せを励む四温の野菜畑   里子

  三寒の日差しのあそぶ花時計  近子

  日日新た三寒四温に歩をのばし 敬子

  四温晴れ溶ける雫のセレナーデ 洋子 

  三寒の四温を待てる雀どち   篤子

  喪の家の三寒四温通り過ぐ   研二

  通院の靴選る四温日和かな   幸子

  貫入りも呼吸している四温かな 秀穂

  四温晴れ友を誘って海辺まで  靖子

  四温雲流るる雲を見上げをり  清彦

  久久の湾に竿振る四温晴    基雲

  三寒も四温も楽し旅程組む   一江

  四温の日待って読みつぐ新刊書 紀久子

  広縁に鳥の餌を摺る四温かな  幹夫

     やまびこ 二月号の作品から 感銘・共鳴ー私の好きな一句から

  舫ひ舟ぎいと相よる星月夜   素岳

  十五夜の雲の波間を月の舟   龍策

  肩へおく子の手のぬくし今日の月 きぬ

  船屋より舳出てゐる月明かり  素岳

  秋澄むや水のやうなる京ことば  耕

  雨の日は村も静かや白芙蓉   志津

  晩秋の雨脚白き波郷句碑    勝彦

  人過ぎて色なき風の残りけり  道子

  寝そびれて独りに惜しき夜半の月 梅子

  石に魔の住みをり古戦場の秋  隆を

  年齢を干支で答える敬老日   淑子

  ご貫主のお下駄今無く秋の暮  啓子

  落栗の蹴れば三つ子の弾けをり  幸子

  かけつこの好きな児秋を駆け抜ける  誠子

  ポケットの団栗捨てて旅終へる  千晶

     俳誌 嵯峨野 四月号(通巻561号)より

  

  

  

   

      

 

 

 

 

    

  

  

 

 

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六月の詩(しづり雪)

2017年05月30日 20時16分36秒 | 冬の俳句

    早苗田に映る建設中の吊り橋(大津市太子)

 

   しづり雪   

 雪吊の松を見上げて鼓門  惟之  

 懐子となりて子犬の雪解道

 大寒に忽と垂れをり右手首

 指先の痺れは癒えてしづり雪

 寝返りはもう間近なり梅ひらく

    

   誌上句会 兼題「落花」より

 惜しまれつ散るが桜よ潔く  捨弘

 自転車の兄へいもとへ落花かな  洋子

 一片の落花の行方水流る  秀子

 花吹雪逆らふやうに車夫来る  初枝

 浮御堂庇の遠く花吹雪  惟之

 干し傘の落花を払ひたたみ込む  美枝

 疎水通る舟にひとひら落花かな  テル

   

   やまびこ 感銘・共鳴ー私の好きな一句より

 溢れさす柚湯や余生幾年ぞ  東音

 日だまりは神の懐冬すみれ  きぬ

 ちよつと嘘ついてショールに身を隠す  利里子

 元朝や百歳句集に挑まむと  淨山

 マフラーで子に送る荷のすきま埋め  節

 出会ひより別れ増えきて年の暮  治子

 枇杷咲きて長き留守なる母の家  洋子

 風に耐へ風にきらめく冬桜  久子

 初猟のエンジンの音つぎつぎと  通幸

 山山は日暮れのいろぞ枇杷の花  みどり

 日向ぼこ会釈かへして出ぬ名前  美枝

   俳誌 嵯峨野 六月号(通巻第551号)より

    

   

 

 

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四月の詩(鴨一家)

2017年04月02日 04時39分53秒 | 冬の俳句

 

         妙心寺・待賢門院桜(京都)2016年

     鴨一家

  タグボート四隅繋がれ冬に入る  惟之

  桟橋は猫の居場所や冬日和

  千尋の谷へ舞ひ下る鷹一羽

  鯛焼きの殿につく京の街

  鴨一家お尻ふりふり行く水辺

    やまびこ 感銘・共鳴ー私の好きな一句

  新米と申し仏飯高く盛る    洋子

  2歳児は競ふことなく運動会  すみれ

  この部屋の止まりし時計鳥渡る  洋子

  生も死も神に委ねし暮秋かな  近子

  添うがごと水引の花師の句碑に  東音

  我が影も掃き寄せてゐる秋の暮  勝彦

  浜菊や切り岸のぼる潮がしら   道子

  佳きことのありそう朝の二重虹  志津

  花薄両手を上げて海を見る    志津

  カンバスの素描へ秋の日差しかな  勝彦

     誌上句会 兼題「野焼」 

  郷愁のまぶたに今も野火揺るる  洋子

  新しき命宿して野焼かな     秀子

  大阿蘇や野焼の跡のなまなまし  初枝

  どこからか風の運びし野焼の香  美枝

  大和路の遠近煙る野焼かな    幸子

  菜焼され新土となりて気も新た  テル

  野火放つ明日の豊作夢に見て   捨弘

  山裾の野焼の煙川わたる     惟之

     俳誌 嵯峨野四月号(通巻549号)より

    

  

    

  

  

  

 

  

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雪の毘沙門堂

2017年01月19日 15時24分43秒 | 冬の俳句

 

        雪の毘沙門堂へf石段をのぼる

新年句会の集合時間に少し時間があり、会場近くの毘沙門堂を参拝しました。本堂の大屋根は雪で真っ白。境内の枝垂れも雪が被っていました。春には疎水桜が開花、菜の花も咲き誇りますが、今はひっそり。雪解道や参道での凡句と句会での袋廻しの混迷句を紹介。画像は句友の捨弘さんより提供いただきました。     

  雪解道これより三丁毘沙門堂  惟之

  雪掻きの人と声掛け参拝す

  幼稚らと声掛け逢ひて雪の道

  雪しずくぽたぽた浴びて石段を

  参道や犬も転びし雪解道

  のびのびと疎水桜の冬芽かな

  初句会袋まわしに四苦八苦

  香の物色鮮やかに赤かぶら

  青々と澄まし彩る花菜かな

  会席の料理のデザート冬苺

 本堂の大屋根は雪で覆われ真っ白

 

 

 

 

 

 

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近江町市場の界隈十三句

2017年01月08日 12時00分21秒 | 冬の俳句

 

       「市民の台所」として親しまれている近江町市場

 京都発7:29発のサンダーバード3号に乗り、金沢に行ってきました。義兄の法事を終えて近くの近江町市場や主計町茶屋町、ひがし茶屋街を散策。4年前は雪で列車が遅れましたが、一月七日のこの日は、気温が10度まであがり、暖かい一日でした。

  朝日受け降り立つ人の息白し(敦賀駅)  惟之

  白山の雪の連山晴れわたり

  手取川渡り冬日の車窓かな

  雪吊りの松もお迎え鼓門

  冬ぬくし同胞集ふ古館

  格子戸の老舗の軒や冬簾

  輪唱の読経続きぬ七日かな

  海鼠噛み会話和みぬ僧ふたり

  ずわい蟹山と積まれて売られけり

  のど黒の尾ひれ背ひれや日脚伸ぶ

  日脚し伸ぶ暗がり坂の主計町(かぞえまち)

  冬日差す暗がり坂の石碑かな

  あかり坂暗がり坂や冬うらら

  浅野川桜冬芽の未だ固し

      JR金沢駅東広場に構える鼓をイメージした「鼓門」 

 老舗の料理屋 寿屋

 寿屋の前の道まっすぐにぬけ宮さんの辻階段をおりる

 主計町にある暗がり坂の石碑

 

  主計町茶屋街の町並み

 浅野川沿いの主計町茶屋街 桜冬芽が未だ固い

  泉鏡花記念館の近い茶屋街と浅野川大橋

  弁柄塗りの螢屋と柳   なつかしの景色となりぬ冬柳

 ひがし茶屋街と卯辰山。 幼きの日々は微睡み冬日差す。

  冬日差す屋根の高きや古館

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十二月の詩(夏の灸)

2016年11月30日 15時34分31秒 | 冬の俳句

 

          青空に無患子の実の彩りて 

  山麓の緑雨にけぶる牧場かな   惟之

  ミニカーをリュックに詰めて夏帽子

  おおうれし逆児もりし夏の灸

  蹴り上げて花火聴いてるお腹の児

  黒焦げの写真は兄ぞ原爆忌

  後の月亡夫の能管聞こえさう   初枝

  ビルに出てビルの谷間の十三夜  捨弘

  十三夜明かりいただき母のこと  幸子

  十三夜仁王の小指欠けてをり  惟之

  恙なく一日安らぐ十三夜    美枝

  戸を開けて友を待ちをり十三夜  テル

  遅咲きの笑顔の女十三夜   秀子

      俳誌嵯峨野 十二月号(通巻第545号)

 

 

 

  

 

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