昨日の夜、残念なニュースを耳にした。
フィギュアスケートの高橋大輔選手が、練習中に右のすね骨を負傷し、全治2週間と診断されたことから、12月5日から福岡にて開催、出場予定だった、ソチ五輪代表選考への重要なカギをも握るグランプリ・ファイナルを欠場せざるを得なくなったというのだ。
なんということだろう。
11月8、9日に開催されたNHK杯では、ショート、フリーを合わせて2度の4回転を成功させ、気迫のみなぎった魂の演技で会場を魅了。
ショートでは歴代2位の高得点をたたき出し、両プログラムダントツの1位で、9度目の出場となる今大会で、2年ぶり5度目の優勝に返り咲いたばかりである。
そしてこの優勝により、グランプリシリーズ・スケートアメリカで4位だった高橋の、グランプリファイナル出場が決まったのである。
そうして、ようやくスタートラインに立てたと語り、ソチで金メダルを取るという、今まで明言を避けてきたかのような具体的目標を、以降言葉にするようになった高橋であった。
当時仙台にいて、若かりし日の荒川静香や本田武史を知る、20年来のフィギュアファンだという、拓同人のTさん (現在は東京在住、長野県栄村出身) は、
「正直高橋はソチはだめかもと、思っていたのに、見事な復活、感動した。」
と、メールをくれた。
フィギュア歴が浅いためか、楽天的なのか私は、高橋は過去、NHK杯に強いし、ジャンプさえ決められたら高得点が出せるはずだから、
また、高橋大輔は浮き沈みの激しい選手だから、きっとNHK杯はイケるんではないか、と本気で思っていた。
高橋大輔なら絶対に大丈夫、何かやってくれるはずだ。
どこまでも信じているのは、ファンの証し、強みである。
そして、このお気楽で能天気なファン(私)はこう思う。
ファンサイトのようなところに寄せられたメッセージを読むと、
「スケートの神様、これ以上彼に試練を与えないで」
とか、色んな心配や励ましが何通も寄せられている。
が、これは、試練ではない。
スケートの神様が彼に与えてくれた、休養なのだと。
4回転を飛び、成功させること、それも、複数回。
それが、優勝を左右するとまで言われている男子フィギュアは、
「4回転を飛ぶか飛ばないか」 で論争が巻き起こるほどであった4年前、バンクーバー五輪のような状況では、もはやない。
成功しても失敗しても、体への負担が大きいとされる4回転。
それを2日間で複数回入れるプログラムというのは、かつて右ひざの大けがを体験、克服している高橋にとっては特に、かなりの負担になるものと思われる。
スケートアメリカでよもやの4位と沈み、アドバイザーのニコライ・モロゾフにも厳しく言われたという高橋が、その後3週間であそこまで立ち直るのには、そうとうの練習やトレーニングを積んだはずである。
NHK杯、大会一日目となる高橋は、気合の入り方がまるで違っていた。
そして、万感の演技を終えた後、高橋は右手で低くて小さなガッツポーズを上げ、すぐにそれを打ち消すかように、腿を叩くようなそぶりを見せた。
湧きかえる場内とは裏腹にリンクでも、高得点で1位を獲得したキスアンド・クライでも、笑顔は一切なかった。
ただ、いつもと違ったのは、演技終了後インタビューで珍しく、「よくやれたと思う」 というような、自分を評価するような言葉を口にしたことである。
そして、まだ明日があるので喜ばないように、気を引き締めて臨みたいと思うと、終始ニコリともせずに足早に会場を後にした。
そんな高橋に、やっと笑顔が戻ったのは、二日目、フリーの演技を終えた後。
場内の歓声に笑顔で応え、優勝に心から喜び、
そして勝利者インタビューでも、やっと満面の笑みを浮かべながら、
自分の演技はまだまだだ、もっとやれるはずだという、お決まりの言葉を口にするのである。
そうなのだ。
自分の演技はまだまだ、決して満足していない、もっとやれるはずだ、
この言葉こそが、彼のいつもの姿なのだ。
かつてないほどに高橋を叱責しながらも、おそらく心の中では案じ信じながら、彼を励まし続けていたモロゾフは、リンクサイドでショートの演技終了後、両手を大きく広げて飛び上がると、思わず涙をぬぐい、長光歌子コーチと抱き合った。
まだ早いよ、明日もあるんだし泣く場面じゃないよ、と冷静な高橋を驚かせたこのモロゾフの行動は、のちに語り草となったが、
それほど緊迫した状況にあったのだろう。
隠そうとしても自分への評価が、静かな中にも湧き上がって出るほどに、高橋のNHK杯ショートでの立直りは、圧巻を極めた。
その緊迫した空気と、演技への集中力、そして体力は、それほど長く持続できるものではない。
スケートアメリカから短期間での、見事な復調を図った高橋は、グランプリファイナルへの切符も手に入れるのであるが、折しもファイナルは、自国開催。
日本男子は、高橋大輔のほかに、新進気鋭の若手が二人、羽生結弦、町田樹の計3人の選手が出場することになっており、
世界選手権3連覇中の絶対王者、カナダのパトリック・チャンも、フランス杯で自分の過去に作った点数を塗り替えた歴代最高得点をたたき出しての、ファイナル出場を決めている。
そのチャンが、唯一自分と互角であり、ライバルと認めているのが高橋大輔なのだ。
これは、白熱しないわけがない。報道も、苛烈を極めるだろう。
だから、スケートの神様は、あえて高橋に、今の時期の休養を与えたのではないか。
このままいったら絶対に、体も精神状態も悲鳴を上げる。
術後を含めた右ひざは、以前から度々、痛みを感じていたものであったという。
ソチ五輪直前でなくて、よかった。
今の時期であったら、充分回復できるであろう。
高橋の、今後を見据えた、ある種勇気を持った決断であろう。
本当のことを言ったら、12月21日から始まる全日本選手権も休んでほしいほどであるが、
最終的な、ソチ五輪の代表選考がかかっているだけでなく、
選手のモチベーションの維持、試合に出続けていないと鈍ってしまう感覚など、あるのだろう。
全日本選手権は見に行くつもりでいたので、私の心中は複雑であるが、
でも、ゆっくり休んでほしいなというのが一番の思いである。
必ず何かあるだろうな、と思っていたが、彼のHPには、昨日11月28日のうちに 『 ~ご報告~ 』 として、以下のようなメッセージが署名入りで載せられていた。
以下はその、抜粋であるが、
今は氷の上に乗らず安静にしている。
練習が出来ない状況を焦らない選手はいないので、自分の気持ちを救うのも追い込むのも自分次第だと思っている。
自分をポジティブに導き、この状況に目を背けずに向き合い、スタッフとも相談しながら今できることを精一杯やろうと思う。
そして関係者やファンのみなさんへのお詫びへと続き、
皆様の前でまたスケートを披露することをモチベーションに治療に専念したいと思います。
という言葉で締めくくられている。
なんという決意であろうか。
GPファイナルのチケットはすでに発売されているから、当然のようにそれを買い求めていたファンたちは皆、氷上の高橋を見るのを楽しみに、その日を待ちわびていたはずである。
ファイナルを欠場せざるを得なくなり、一番心を痛めているのは当の高橋自身であるはずなのに、そのようなことはおくびにも出さず、
関係者やファンのみんなへ詫びを入れ、気遣い、そして、まるで自身を励ますかのような強い決意を語っているのに、胸が詰まるような思いがする。
あれだけのことを成し遂げ、世界中を魅了し続け、怪我をはじめとする幾多の困難を乗り越えながら、長く日本男子フィギュア界をけん引して来た者が、並みの神経であろうはずはないが、
それらのことを思い合せてもなお、その強靭さに驚かされる、高橋大輔というアスリート魂。
休養などという言葉を使ったが、体を休めることの必要性よりも、一日一日が大切である日々に、とりわけ練習の鬼である高橋が練習ができないということのつらさ、そして、出場するはずだった大会で、他の選手がソチへのキップを手にすることに近づいてゆくことをただ見ていなければならない歯がゆさ、焦り。
そのつらい心中をはかり知ることは、とうてい我々にはできないであろう。
だが、スケートのことも、アスリートとして生きることも、何一つとして知らない一ファンとして、それでもあえて何かを言わせていただいてもいいものならば、
私はあなたを信じているから。
願うことはたった一つ。
ソチのリンクで、自分が納得できる最高の演技をして、気持ちよくガッツポーズをする高橋大輔選手の姿が見たいから、
今は自分を信じて、乗り越えてほしい。
あなたなら、きっと乗り越えられるから。
スケートの神様はかつて、バンクーバー五輪金メダルに最も近いといわれていた男に、選手生命を脅かすような大けがを負わせたり、
二連覇のかかる世界選手権が大地震によって延期となった挙句、スケート靴のビスが飛ぶような悲劇を与えたり、いろんな意地悪をしてきたけれど、
それらは皆、結果として高橋大輔というアスリートに、感動的なストーリーと、素晴らしい結末というプレゼントを用意してくれていた。
今度のことも、きっと、そうに違いない。
これは、感動的なストーリーと結末を迎えるための前奏曲(プレリュード)。
そういったら、やっぱり猫田さん、お気楽な素人ファンだからって、みんな言うかな?
大丈夫。
大ちゃん、きっと大丈夫だから。
≪ おまけ ≫
NHK杯、エキシビション当日に会場にて行われた
樋口豊 (グルノーブル、札幌五輪代表の元フィギュアスケート選手、現コーチ、振付師、解説者) さん進行の、『豊の部屋』 に招かれた、NHK杯優勝の高橋選手と同じく優勝の浅田真央選手。
二人並んでいると、お雛様のようにかわいくて微笑ましい。
写真は、二人に、もし生まれ変わったら何になりたいか、との質問に答えたときのもので、大ちゃんの答えをほほえましく笑っている真央ちゃん。
その、答えとはこれでした。
欲張り大ちゃん・笑(*^^)、君は今のままで、十分素敵だよ。
ペア・アイスダンサーで美女の誉れ高いメリル・デイヴィス (米・2010年バンクーバー五輪銀メダル、2011年、2013年世界選手権優勝) のパートナー、なんて、ちょっと面白いけどね。
しかも花丸付きで・笑。
それにしても、スケートでない人生をちょっと体験してみたい、と語った浅田選手に対して、スケートがらみの願望を語っている大ちゃんが可愛らしい。
スケートのない人生は、生まれ変わっても大ちゃんには、きっとありえないんだね。
「4回転決まりました。ありがとうございます。」
そう笑顔で語る高橋大輔選手。
そんな笑顔をもう一度、見たいです。
浅田選手と高橋選手の活躍に、思わず涙したという樋口豊さんは、インタビューの席でも 「本当に良かった」 と感慨深げに繰り返し、 今風の言葉で言ったなら(ヤバイ)、「また泣いてしまいそうです、気をつけなくちゃ。」 と笑った。
大ちゃん、また次の試合で、とっても人が良くて優しい樋口さんを泣かせてしまうような、そんな大復活劇を見せてね。
※ 写真は、TV画面を撮らせていただきました。すみません。
フィギュアスケートの高橋大輔選手が、練習中に右のすね骨を負傷し、全治2週間と診断されたことから、12月5日から福岡にて開催、出場予定だった、ソチ五輪代表選考への重要なカギをも握るグランプリ・ファイナルを欠場せざるを得なくなったというのだ。
なんということだろう。
11月8、9日に開催されたNHK杯では、ショート、フリーを合わせて2度の4回転を成功させ、気迫のみなぎった魂の演技で会場を魅了。
ショートでは歴代2位の高得点をたたき出し、両プログラムダントツの1位で、9度目の出場となる今大会で、2年ぶり5度目の優勝に返り咲いたばかりである。
そしてこの優勝により、グランプリシリーズ・スケートアメリカで4位だった高橋の、グランプリファイナル出場が決まったのである。
そうして、ようやくスタートラインに立てたと語り、ソチで金メダルを取るという、今まで明言を避けてきたかのような具体的目標を、以降言葉にするようになった高橋であった。
当時仙台にいて、若かりし日の荒川静香や本田武史を知る、20年来のフィギュアファンだという、拓同人のTさん (現在は東京在住、長野県栄村出身) は、
「正直高橋はソチはだめかもと、思っていたのに、見事な復活、感動した。」
と、メールをくれた。
フィギュア歴が浅いためか、楽天的なのか私は、高橋は過去、NHK杯に強いし、ジャンプさえ決められたら高得点が出せるはずだから、
また、高橋大輔は浮き沈みの激しい選手だから、きっとNHK杯はイケるんではないか、と本気で思っていた。
高橋大輔なら絶対に大丈夫、何かやってくれるはずだ。
どこまでも信じているのは、ファンの証し、強みである。
そして、このお気楽で能天気なファン(私)はこう思う。
ファンサイトのようなところに寄せられたメッセージを読むと、
「スケートの神様、これ以上彼に試練を与えないで」
とか、色んな心配や励ましが何通も寄せられている。
が、これは、試練ではない。
スケートの神様が彼に与えてくれた、休養なのだと。
4回転を飛び、成功させること、それも、複数回。
それが、優勝を左右するとまで言われている男子フィギュアは、
「4回転を飛ぶか飛ばないか」 で論争が巻き起こるほどであった4年前、バンクーバー五輪のような状況では、もはやない。
成功しても失敗しても、体への負担が大きいとされる4回転。
それを2日間で複数回入れるプログラムというのは、かつて右ひざの大けがを体験、克服している高橋にとっては特に、かなりの負担になるものと思われる。
スケートアメリカでよもやの4位と沈み、アドバイザーのニコライ・モロゾフにも厳しく言われたという高橋が、その後3週間であそこまで立ち直るのには、そうとうの練習やトレーニングを積んだはずである。
NHK杯、大会一日目となる高橋は、気合の入り方がまるで違っていた。
そして、万感の演技を終えた後、高橋は右手で低くて小さなガッツポーズを上げ、すぐにそれを打ち消すかように、腿を叩くようなそぶりを見せた。
湧きかえる場内とは裏腹にリンクでも、高得点で1位を獲得したキスアンド・クライでも、笑顔は一切なかった。
ただ、いつもと違ったのは、演技終了後インタビューで珍しく、「よくやれたと思う」 というような、自分を評価するような言葉を口にしたことである。
そして、まだ明日があるので喜ばないように、気を引き締めて臨みたいと思うと、終始ニコリともせずに足早に会場を後にした。
そんな高橋に、やっと笑顔が戻ったのは、二日目、フリーの演技を終えた後。
場内の歓声に笑顔で応え、優勝に心から喜び、
そして勝利者インタビューでも、やっと満面の笑みを浮かべながら、
自分の演技はまだまだだ、もっとやれるはずだという、お決まりの言葉を口にするのである。
そうなのだ。
自分の演技はまだまだ、決して満足していない、もっとやれるはずだ、
この言葉こそが、彼のいつもの姿なのだ。
かつてないほどに高橋を叱責しながらも、おそらく心の中では案じ信じながら、彼を励まし続けていたモロゾフは、リンクサイドでショートの演技終了後、両手を大きく広げて飛び上がると、思わず涙をぬぐい、長光歌子コーチと抱き合った。
まだ早いよ、明日もあるんだし泣く場面じゃないよ、と冷静な高橋を驚かせたこのモロゾフの行動は、のちに語り草となったが、
それほど緊迫した状況にあったのだろう。
隠そうとしても自分への評価が、静かな中にも湧き上がって出るほどに、高橋のNHK杯ショートでの立直りは、圧巻を極めた。
その緊迫した空気と、演技への集中力、そして体力は、それほど長く持続できるものではない。
スケートアメリカから短期間での、見事な復調を図った高橋は、グランプリファイナルへの切符も手に入れるのであるが、折しもファイナルは、自国開催。
日本男子は、高橋大輔のほかに、新進気鋭の若手が二人、羽生結弦、町田樹の計3人の選手が出場することになっており、
世界選手権3連覇中の絶対王者、カナダのパトリック・チャンも、フランス杯で自分の過去に作った点数を塗り替えた歴代最高得点をたたき出しての、ファイナル出場を決めている。
そのチャンが、唯一自分と互角であり、ライバルと認めているのが高橋大輔なのだ。
これは、白熱しないわけがない。報道も、苛烈を極めるだろう。
だから、スケートの神様は、あえて高橋に、今の時期の休養を与えたのではないか。
このままいったら絶対に、体も精神状態も悲鳴を上げる。
術後を含めた右ひざは、以前から度々、痛みを感じていたものであったという。
ソチ五輪直前でなくて、よかった。
今の時期であったら、充分回復できるであろう。
高橋の、今後を見据えた、ある種勇気を持った決断であろう。
本当のことを言ったら、12月21日から始まる全日本選手権も休んでほしいほどであるが、
最終的な、ソチ五輪の代表選考がかかっているだけでなく、
選手のモチベーションの維持、試合に出続けていないと鈍ってしまう感覚など、あるのだろう。
全日本選手権は見に行くつもりでいたので、私の心中は複雑であるが、
でも、ゆっくり休んでほしいなというのが一番の思いである。
必ず何かあるだろうな、と思っていたが、彼のHPには、昨日11月28日のうちに 『 ~ご報告~ 』 として、以下のようなメッセージが署名入りで載せられていた。
以下はその、抜粋であるが、
今は氷の上に乗らず安静にしている。
練習が出来ない状況を焦らない選手はいないので、自分の気持ちを救うのも追い込むのも自分次第だと思っている。
自分をポジティブに導き、この状況に目を背けずに向き合い、スタッフとも相談しながら今できることを精一杯やろうと思う。
そして関係者やファンのみなさんへのお詫びへと続き、
皆様の前でまたスケートを披露することをモチベーションに治療に専念したいと思います。
という言葉で締めくくられている。
なんという決意であろうか。
GPファイナルのチケットはすでに発売されているから、当然のようにそれを買い求めていたファンたちは皆、氷上の高橋を見るのを楽しみに、その日を待ちわびていたはずである。
ファイナルを欠場せざるを得なくなり、一番心を痛めているのは当の高橋自身であるはずなのに、そのようなことはおくびにも出さず、
関係者やファンのみんなへ詫びを入れ、気遣い、そして、まるで自身を励ますかのような強い決意を語っているのに、胸が詰まるような思いがする。
あれだけのことを成し遂げ、世界中を魅了し続け、怪我をはじめとする幾多の困難を乗り越えながら、長く日本男子フィギュア界をけん引して来た者が、並みの神経であろうはずはないが、
それらのことを思い合せてもなお、その強靭さに驚かされる、高橋大輔というアスリート魂。
休養などという言葉を使ったが、体を休めることの必要性よりも、一日一日が大切である日々に、とりわけ練習の鬼である高橋が練習ができないということのつらさ、そして、出場するはずだった大会で、他の選手がソチへのキップを手にすることに近づいてゆくことをただ見ていなければならない歯がゆさ、焦り。
そのつらい心中をはかり知ることは、とうてい我々にはできないであろう。
だが、スケートのことも、アスリートとして生きることも、何一つとして知らない一ファンとして、それでもあえて何かを言わせていただいてもいいものならば、
私はあなたを信じているから。
願うことはたった一つ。
ソチのリンクで、自分が納得できる最高の演技をして、気持ちよくガッツポーズをする高橋大輔選手の姿が見たいから、
今は自分を信じて、乗り越えてほしい。
あなたなら、きっと乗り越えられるから。
スケートの神様はかつて、バンクーバー五輪金メダルに最も近いといわれていた男に、選手生命を脅かすような大けがを負わせたり、
二連覇のかかる世界選手権が大地震によって延期となった挙句、スケート靴のビスが飛ぶような悲劇を与えたり、いろんな意地悪をしてきたけれど、
それらは皆、結果として高橋大輔というアスリートに、感動的なストーリーと、素晴らしい結末というプレゼントを用意してくれていた。
今度のことも、きっと、そうに違いない。
これは、感動的なストーリーと結末を迎えるための前奏曲(プレリュード)。
そういったら、やっぱり猫田さん、お気楽な素人ファンだからって、みんな言うかな?
大丈夫。
大ちゃん、きっと大丈夫だから。
≪ おまけ ≫
NHK杯、エキシビション当日に会場にて行われた
樋口豊 (グルノーブル、札幌五輪代表の元フィギュアスケート選手、現コーチ、振付師、解説者) さん進行の、『豊の部屋』 に招かれた、NHK杯優勝の高橋選手と同じく優勝の浅田真央選手。
二人並んでいると、お雛様のようにかわいくて微笑ましい。
写真は、二人に、もし生まれ変わったら何になりたいか、との質問に答えたときのもので、大ちゃんの答えをほほえましく笑っている真央ちゃん。
その、答えとはこれでした。
欲張り大ちゃん・笑(*^^)、君は今のままで、十分素敵だよ。
ペア・アイスダンサーで美女の誉れ高いメリル・デイヴィス (米・2010年バンクーバー五輪銀メダル、2011年、2013年世界選手権優勝) のパートナー、なんて、ちょっと面白いけどね。
しかも花丸付きで・笑。
それにしても、スケートでない人生をちょっと体験してみたい、と語った浅田選手に対して、スケートがらみの願望を語っている大ちゃんが可愛らしい。
スケートのない人生は、生まれ変わっても大ちゃんには、きっとありえないんだね。
「4回転決まりました。ありがとうございます。」
そう笑顔で語る高橋大輔選手。
そんな笑顔をもう一度、見たいです。
浅田選手と高橋選手の活躍に、思わず涙したという樋口豊さんは、インタビューの席でも 「本当に良かった」 と感慨深げに繰り返し、 今風の言葉で言ったなら(ヤバイ)、「また泣いてしまいそうです、気をつけなくちゃ。」 と笑った。
大ちゃん、また次の試合で、とっても人が良くて優しい樋口さんを泣かせてしまうような、そんな大復活劇を見せてね。
※ 写真は、TV画面を撮らせていただきました。すみません。
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