猫田ジャレの 『 天然!にゃー語 』

~ 見ネコ聞くネコ言うネコの とびきり天然な日常 ~

神になった男 ~ 高橋大輔伝説 ~ ソチ五輪男子フィギュア

2014年02月17日 | フィギュア(高橋大輔等)
※ その後いろいろ削除、加筆訂正いたしました。   もう一度お読みいただけると幸いに存じます。   





男子シングルフィギュアスケートFPは、日本時間で15日の深夜0時から行われました。



前日はあまりにも長い時間緊し続けていたのだけど、この日は若干気持ちにゆとりが出て来た感じで、第3グループまではゆったりと鑑賞しました。

ですが、第3グループあたりからは、誰がメダルを取ってもおかしくない状況で、ハラハラドキドキ。

いよいよ最終グループ、
ここまでの成績で、町田樹の順位を見守りつつ、トップのデニス・テン(カザフスタン)のもつ255、10より上に行かなければ、
高橋の後にショート、トップの羽生結弦と2位で世界選手権3連覇中のパトリック・チャン(カナダ)が控えているのでメダルはないな、と思いつつ、

息をのんで高橋の演技を見守る。




『 ビートルズ・メドレー 』 優しく清廉な調べが流れていく。

今日は泣くまい、と決めていたのだが、昨日のように溢れはしなかったが、やはりじんわりと涙が。

すると、どうしたことだろうか。



「 ラヴァース&フレンズ 」終盤あたりから、高橋が、演技をしながら笑っているのである。



もう、だめだ。  それを見て、号泣。          


「 イン・マイ・ライフ 」 へと続く音に乗り、ずっと笑みを浮かべながら気持ちよさそうに滑っている高橋を見て、

もういいよ、
メダルなんてどうでもいい。

こんなに私たちのことを、ずっと感動させてくれたんだから、
大ちゃん、それだけで充分だよ。         

劇的な 「 ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード 」 のメロディーにのってクライマックスへと突き進み・・・









高橋得意の、私も大好きなレイバック・スピンから、感動のフィナーレ 



演技終了直後にも笑みを浮かべたまま、


高橋の口元が、「終わった」 と安どのため息を漏らしていると読み取れた。


すぐにそれは、 「ありがとうございました」 に変わり、場内四方に向かってお辞儀をする。



高橋大輔は、最後のオリンピックを笑顔で気持ちよく滑り、
そして場内と、TVの前で釘付けになっている我々を感動の涙でぐしゃぐしゃにして、終えたのだった。

こんなにも気持ちよく、何ものかを超越して滑り終えた高橋は、 
やはり今宵、神になったのだ。  



演技後のキスアンドクライでも、終始にこやかだった高橋は、
ファンから渡されたであろう、ソチ五輪のマスコット 「ミーシャ」 を抱えながら、ミーシャにお辞儀をさせたり、
中々でない点数に場内の拍手に応えるかのようにミーシャの手で手拍子をしたり、のかわいらしいしぐさを繰り返す。  


点数が出る直前


この時点ですでに4位。
メダルへの夢が潰えると、もうメダルなんてどうでもいい、と思っていた自分がうそのように、
え゛~~~  そんなぁ~        

コーチの一人、ニコライ・モロゾフは、
昨日のSP直後は終始ニコリともせず無言で点数の出る電光掲示板を見つめるだけであったが、
この日はやけに、いつもするように、まるで恋人にでもささやきかけるかのように、高橋の耳元に何やら優しいことばを囁き続ける。
モロゾフのこの仕草は、点数が出て、高橋の順位が決定した直後。 


メダルへの夢がついえた直後にもかかわらず、この笑顔。
まるで何かをすでに悟っていたのか、あるいは点数など超越していたのか。
それとも安堵なのか。




こうして、高橋大輔のソチ・オリンピックは終わった。


そのあとに続く羽生、チャンともに転倒を含む細かなミスがあったが、
前日SPの貯金があった羽生結弦が何とか逃げ切り、日本男子初となる金メダルを19歳で獲得した。

パトリック・チャンが2位で3位はデニス・テン、

高橋の最終結果は6位 (入賞) となった。 (町田樹は5位)




点数やメダルばかりにこだわるのもいけないかもしれないが、
そして羽生結弦の金メダルは喜ばしいことであるが、

やはりファンとしては高橋大輔に金メダルを取って欲しかったし、
金がダメでも、何とかメダルを、それもバンクーバーよりいい色のものを、と願ってしまうので、
高橋がメダルを取れなかったのは、やっぱり悔しいなぁと思ってしまう。

( 個人競技なので、その辺はお許しいただきたいかと思います。すみません。  )




     * * *   * * *   * * *   * * *   * * * 



落胆と口惜しさを抱えながら一日を過ごした、
明けて2月16日、ブログに載せるための写真を録画の中から選んでカメラに収めようと思いTVをつけると、

葛西紀明選手が、ジャンプのラージヒルで、ついに念願の、個人としては初メダルとなる 銀メダルを取った  とニュースでやっていた。

葛西選手は41歳。
リレハンメル五輪でジャンプ団体で銀メダルを取ったが、翌長野五輪では個人ノーマルヒルに出場後、怪我で団体メンバーには入れず、
8年越しの悲願の金メダルメンバーには入っていなかったという苦い経験を持つジャンパー。
その悔しさをバネにして現役を続け、今回は連続で最多の7度目の五輪に出場。
今大会最年長出場者であることはもはや知らないものはないであろう。

この葛西紀明が、つい最近までは、
「まだやっているのか、いいかげんやめれば?」などと揶揄されていたらしいのだが、

次第に実績を残すようになると “レジェンド(伝説)” と呼ばれるようになり、 何と銀メダルを取った直後にも、

嬉しいけれど、まだ目標だった「金」を取っていないので、 次こそは金メダルを目指して頑張る 
( つまりは、次のオリンピックにも出る気でいるということ。    その後葛西はソチ五輪で団体にも出場、見事銅メダルを獲得した。 )

と語ったというのだが、なんという精神力、向上心、そして明るさ、前向きさなのだろうか。  

その他にも、最近では本人のツイッターで 「長年の腰痛が治った!\(^o^)/」 とも明かしているなど、超スーパー・ポジティブ・シンギング 

昨今の注目を一身に集めている “オジサンの星”  でもあるのだ。


そんな葛西がオリンピックでメダルを取ってほしいなぁと切に願っていたので、   ニュースを見て
ついにやったのだ。          

と思うと、涙が出た。


同時に私は、これだっ   と思った。

もちろん、ジャンプとフィギュアは違うので、ジャンプより長くはできないのかもしれないが、
それでも、


高橋大輔にも、レジェンド、
フィギュア界の 「おじさんの星」 に、ぜひなってほしいものである。   




また、「皇帝」 と呼ばれたロシアのエフゲニー・プルシェンコが31歳で、今大会で4度目の五輪出場を果たし、
団体男子シングルでSPとFPを一人で滑り切って総合1位、ロシアの団体金メダル獲得の大きな原動力となっている。

プルシェンコは、世界選手権で3度優勝の他、これで出場したすべてのオリンピックで男子シングルで銀と金のメダルを交互に取り (2002年 ソルトレイク 銀、 2006年 トリノ 金、2010年 バンクーバー 銀)
最後の出場となるソチを金の色のメダルで飾ると、
おそらく団体で力を出し切ってしまったのであろう、男子シングル個人のメダル候補とされながら、SPのリンクに立つも腰痛を訴えて、滑ることなく棄権、そのままリンクを去って現役を引退するという、実に劇的な終わり方を見せた。

いろいろ賛否両論あるかもしれないが、まさに彼らしい最後ではないか。

31歳になっても五輪に出られたのは、ロシアで後に続くものがいなかったからと言えなくもないし、
団体戦は、男女のシングル、ペア、アイスダンスの全4種目の総合力なので、彼の力だけでメダルが取れるというものではないのだが、

それにしてもSP、FP、各1つずつの4回転を含め、全てのジャンプをほぼミスなく着氷し、完璧に近い演技をしてのけただけでなく、他を圧倒するような存在感は、未だ健在であった。

高橋大輔も、だいぶ前にプルシェンコがソチに出るのでは? とうわさされた時、
「正直、もういいでしょう(笑)」 と思ったと漏らしているが、

個人戦のみだったので、一人遅れてソチ入りし、団体戦の男子フリーより応援に合流、参加した際に、
プルシェンコの演技を見て感動し、自分も勇気づけられた、と語った。



プルシェンコと言えば前回のバンクーバー五輪で4回転を飛ぶことにこだわり、4回転論争を巻き起こしたことでも有名だが、
 
高橋大輔もまた、あれだけ芸術的な踊りで人々を魅了し、演技構成点で高い評価を得ながらも (今回も演技構成点はチャンに次ぐ第2位である)、
右ひざの大けがを乗り越える前には飛べていたとの意地もあるのかもしれないが、スポーツ競技として4回転を飛ぶことにこだわり続ける男でもある。




     * * *   * * *   * * *   * * *   * * *




男子シングル、フリー競技が終わった日、会場出口付近で取材に応える高橋は、意外にも晴れやかであったが、
今後のことを聞かれるとさすがに苦笑いして ( だってそうでしょ、いつも思うのだが、たった今試合を終えた人間に今後につい聞くのは無神経すぎるというものだ  )

「とりあえず世界選手権はメンバーに入っているが、その後のことはわからない。もう体は限界なので・・・」

というようなことを漏らしている。


フリーの翌日2月15日に行われた、テレビ東京のソチ・スタジオに日本人選手3人を招いて、荻原次晴 (1992年アルベールビル、1994年リレハンメル両冬季五輪・ノルディック複合団体2大会連続金メダリスト。現スポーツキャスター) を司会に行われたインタビューでは

高橋はとても晴れやかないい表情を見せており、荻原からも 「ずいぶんと表情が晴れやかですね」 と向けられると、

「自分ではそう思わないが、みんなからそう言われる。」 と笑って答えた。

初めて聞いたとたんに 「これだ!」 と思い、特別な思いで臨み、大切に滑りたいと語った 『 ビートルズ・メドレー 』 終盤で見せた、何かを突き抜けた笑顔の演技と関係があるのか、

高橋のこの試合終了後の清々しさは、総てをやり終えた充実感と見て取れなくもない。



また、ソチ・スタジオと東京スタジオを結び、東京にいる織田信成と対談、
織田は高橋の最後の演技を見て泣けた、同じリンクでずっとつらいことも見てきたからと、この日も思わず 「思いだし涙」 してしまい

(先に泣かれてしまい、それでは) 「俺、泣かれへんやん・笑」 と高橋につっこまれ、
帰ったらメシ行こうな、飲もうな、と約束を交わした。

現役時代は、ちょっと色々と情けない気がしていたが (失礼 

ノブりん、 君はなんていいやつなんだぁ~~~      


「このあとも、ソチを楽しんでくださいね。」 との荻原の言葉に 「めちゃめちゃ楽しみますよ。   」 と大ちゃん他うなづく3人。


3人そろうと、年長者ということもあるかもしれないが、やはり話題の中心になるのは高橋大輔である。



五輪はソビエト開催であったにもかかわらず、スタンドは日の丸と 「D1sk」 のバナータオルで埋め尽くされ、大ちゃんコールが飛び交った。
高橋自身も、「アウェイ感が全然なく、日本からもたくさん応援に来てくれたのがうれしかった。日本みたいだった。」 と言ったほどで、

高橋の人気の高さがうかがえるエピソードであるだろう。


また高橋は、5位入賞までとされているエキシビションに、6位ながらも、 「招待選手」 として出場が決定。

世界中の人々が、高橋の演技をもう一度見たいと思っている、何よりの証拠であり
たいへん名誉なことであると思う。



 このたびのソチ五輪で男子フィギュアは、

優勝(金メダル) 羽生結弦
5位入賞     町田樹
6位入賞     高橋大輔

と出場3選手総てが入賞するという快挙を成し遂げました。

そして、出場した3人全員がエキシビションに出られるのは、史上初めてである。
( EX参加選手6人のうち、半分が日本人なのだから、これはすごいという何物でもない。  )

改めて、おめでとうございます。 




「記録よりも、記憶に残るスケーターになってほしい。」 

そう恩師であり、中2の頃よりずっと陰ひなたなく見守って来てくれた長光歌子コーチに言われ、自分でも目指してきたように、

高橋大輔は、数々の記録も残したが、それ以上に我々の心に深く刻み込まれる選手となった。



欲を言えば (気になるのは) さぁ、
幼き日に、羽生は 「金メダルを取りたい」 と将来への夢を語っていたのに対し、大ちゃんは 「オリンピックの上位3位になる」 と言ってたことなんだよねー。

その通りになっちゃって・・・、 

大ちゃんも遠慮しないで、「金メダル」 って言っときゃよかったのに・笑。




     * * *   * * *   * * *   * * *   * * *




アイスショーよりも試合の方が好き、あの緊張感がたまらない。


と、かねてより語っていた高橋は、
引退後フジテレビに入社し、一般の仕事をしている中野友加里が、かつてのスケート仲間らにインタビューしたものをまとめた 『 トップスケーターの流儀 』(双葉社2013年12月刊、取材は同年夏から秋にかけてと思われる) の中で、

「許されるならば、ずっと現役をやっていたいな」 と、1つ違いの同期の気安さもあってか本音をのぞかせている。


フリーから一夜明けた会見では、世界選手権に出る気が満々、とまで気持ちが回復した (と私は見たのだが) 高橋だが、

果たしてその後はどうするのだろうか。



かつては、4回転さえ成功すれば羽生にも負けることはない、と語っていたといわれる高橋だが、

五輪を終えてみて、「これが自分の今の実力」 といい切るのは、あまりにもいさぎよすぎはしないか?

それでも、我々が知らなかっただけで、本当に体がぼろぼろだったとしたならば、もう、これ以上無理しないでほしい  

とも思うし、ゆっくり休んでほしいという思いもある。 



高橋が金メダルを取れなかったこと、五輪に参加した日本人選手の中で、なんと最下位になってしまったことなどが、この期に及んでもまだ悔しい自分であるが(勝負事なので、ごめんなさい)、

その惜しさだけでなく、勝負の世界に 「たられば」 は禁物であるとわかってはいるものの、

あの右すね骨の怪我 (完治したとの情報だったが、本当は直前まで水を抜く治療をするほどだったらしい) さえなかったら、とか、もっと万全な状態で試合に臨めていられれば、など、

なんというか不完全燃焼のような気が、どうしても拭い去れないでいる。



単に高橋のいない日本フィギュア界なんて考えられないから、さみしいみたいな、
アイスショーに行かれれば見られるとしても、もっとまたまだ、彼の演技をTVでずっと見ていたいような、

当の高橋は、やり切った、やり終えた満足や安堵から、もう悔しさも悔いもないのだとすると、
そんなことを思うのは、ファンの我儘に過ぎないのだろうか・・・。


いずれにせよ高橋自身の、なにか吹っ切れたような清々しさに安心するとともに、

一ファンとして、今後の去就に注目しないわけにはいかない。


世界選手権では、万全でサイコーの大ちゃんが、ぜひ見たいな。

それが終わったら、ゆっくりと休んで、そうしてゆっくりと考えて、答えを出してほしいと思う。( 負担の大きいオリンピックは、もういいから・笑。・・・でも、ね。 )



「 ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード 」 ・・・・・  長く曲がりくねった道の、その先の、

彼がどのような道を歩むと決めても、私たちはそれを受け入れ、ずっと応援し続けていくであろうことは、変わりのない事実である。



大ちゃん、

4年間、いっしょになってハラ2ドキ2しつつ、共に闘ってこられて、いい夢を見させてもらって、
ファンとしてサイコーに幸せでした。      

本当に どうもありがとうございました。 


大ちゃんのお母さんじゃないけど、
私たちファンにとってもそれは 金メダルと同じ   とても大きな贈り物 だよ。  
              


ありがとう   高橋大輔選手       






※ 冒頭写真:中京スポーツより、
オリンピックパークにて、お土産用の 「金メダルチョコ」 を、売ってる全部を大人買いしたという大ちゃん。
もらった人は、大ちゃんからの金メダル、本当に喜ぶだろうと思います。
だってみんな、高橋大輔こそが金メダルだ  って信じてますから。

4年間頑張ったご褒美に、ご自分にも一つ、プレゼントしてあげてくださいね。  




その他の写真は、全てTV画面より、自分で写真に撮らせていただいたものを使用しておりますことをお詫びいたします。 








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2 コメント

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Unknown (ほたる)
2014-03-07 00:27:03
はじめまして
FP直前の大ちゃんの表情を久々にみて、またあの夜明けの胸が締め付けられる感情が蘇りました

勇気をもって、ご自分の気持ちを赤裸々に綴られていますね
全く 同感です
転倒したわけじゃないのに、エキシビションに招待されるほど感銘をあたえる表現力なのに、なぜあの点数?!
ただジャンプ、回転を無難にこなしただけで、なぜ大ちゃんとあれほど点差があるの?

「まだまだ見ていたいですね」と八木沼さんに言わせた吸い込まれるような彼の演技は4回転を超えていると思う

ワールドは小塚君が代わりにでるから、彼の演技だけみたいな(笑)

プルシェンコも大ちゃんも現役続行かも?
一生懸命応援したいです

胸のすく記事と素敵な画像をありがとうございました
長々とごめんなさい
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ほたるさんへ (ネコタ)
2014-03-07 15:37:24
初めまして。ご訪問ありがとうございました。
そして、コメント、とてもうれしかったです。
こちらこそ、ほたるさんの素敵な文章に、ちょっとうるっとしました。
同じお気持ちでいらした方がいる、というのは何だかうれしいです。ホタルさんの想いを書いてくださったおかげで、こちらも勇気をもらいました。

フィギュアのどこに主点を置くかというのは、難しいですよね。
私もそんなに詳しくないので、自分の主張を裏付けるべく色々勉強しようと思うのですが、中々・・・(^^;)

でも、葛西選手のような例もありますから、年齢を重ねてこそのものが大手を振って歩けるといいなあと思うのですが、スポーツという枠がある以上、難しいのでしょうか?

私は自分がそれなりの年齢なので、そこを超えようとしている人たちに、より共感を覚えます。

大ちゃんがまたリンクに戻ってきてくれる日が来るようにお祈りしましょうね。

ほたるさん、また時々訪ねてくださるとうれしいです。(*^^*)
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