九段下の駅に降り立つと、外は一面の蝉しぐれに包まれていた。
「夏しぐれ」 だ、と思った。
作業員のお堀土手の草を刈る、ジージーという音がそれに重なる。
降るように注ぐしぐれ音が、胸に沁みる。
遥か昔の桜の季節と、ここ数年のクリスマスだけで、真夏の武道館に来るのは初めてである。
31年前の武道館も、こんな蝉しぐれに包まれていたのだろうか。
DVDで繰り返し見た映像が、ふと脳裏をかすめた。
今日は、自分がそこに参加できるのだという喜び。
おそらく、31年ぶりとなる “真夏” の武道館でのコンサート、緊張と神聖な気持ちで、お堀脇の坂を上ってゆく。
( 写真上は日本武道館入り口、田安門を望む。 )
田安門をくぐると、
最近はゆっくり見ることもなかったが、
数年前、アルフィーのコンサートとしては、初めて武道館に来たとき、
この、黄金色(きんいろ) に光る 「玉ねぎ」 (八角形の屋根のてっぺんに乗る 「擬宝珠」(ぎぼし) が “大きな玉ねぎ” に見えることから、爆風スランプ15枚目のシングルで大ヒットした 『大きな玉ねぎの下で 〜はるかなる想い』(1989.10.21) の中で歌われたことにより有名になった俗称) を見て、
「たどぉ~り着いたぜ 武道館~」
( 『トラベリングバンド』(1983/09/05) の中の一節 「たどりついたぜ この街」 の 「この街」 の部分をコンサート会場の土地の名前にして歌われ、盛り上がる、その武道館版 )
と、感動したことを思い出す。
2014年8月25日、THE ALFEEの40歳のお誕生日である今日、
THE ALFEE 40th Anniversary ceremony concert が、 Premium Members のみの集まりとして、ここ、思い出の武道館にて開催されるのである。
1983年、なぜかデビュー記念日よりも一日早い8月24日に、
これまたデビューではなく、なぜか “結成” 10周年記念として行われた THE ALFEE 初の武道館ライブは、大成功に終わり、
『ヒット曲もないのに武道館をいっぱいにしたバンド』 と伝説になった。
「コンサートをやれば、そこそこお客さんが来てくれてたし、それがどんどん増えていったから、自分たちは手ごたえを感じていた。だから、ヒット曲とか、自分たちはどうでもよかった。」 と、坂崎。
「あとはヒット曲だけだな、と言われ続けた数年間は、本当につらかった・笑。」 と、高見沢。
ヒットを狙って作った曲がことごとくはずれていたので、初めはアルバム用に書いた 『メリー・アン』 をディレクターからシングルカットしてはどうか、と勧められ、気軽に (やぶれかぶれで? 笑) 「いいですよ。」 と答えてリリースしたのが、1983年6月21日。
その、『メリー・アン』 が徐々に売れ始めたのは、実に武道館を満員にした伝説のライブ後の、9月頃であったという。
そしてそれが、アルフィー史上初の大ヒットとなり、その年の暮れ、初のNHK紅白歌合戦にも出場、
以降、「ベストテン」 などの当時話題の歌謡番組の常連となるなど、ブレイク してゆくこととなった。
しかし、41年前、学生時代の音楽仲間の ノリでスタート したグループが、
翌年のプロデビュー当時も、そしてこの、世間的にブレイクしていたころも、
まさかその後40年も続くとは、当の本人たちも周りのファンも、誰も思っていなかったに違いないのだが、
いまこうやって、気が付いたら 「デビュー40周年」 のお祝いを、
彼らと、ファンにとっても思い出深い、 「真夏の武道館」 で行うまでになっていた。
* * * * * * * * * * * * * * *
当コンサートは、“1年間をかけて40周年をお祝いするために” 募集された会員制の 「Premium Members 」 だけのコンサートだったので、賛否両論あったかもしれませんが、
ファンをことのほか大事にしてくれるメンバーの方々が考えたことなので、それなりの理由があるものと思っています。 ( 募集はきちんとした告知のもとに4か月間していました。 ← インフォメーションははじめマニア会員のみにお便りで通知され、のちにマニア外の人も閲覧できる 「マニア・サイト」 にて告知されました。 )
40thロゴ入りのコンサートチケット
「Premium Members 」 会員特典は、年6回配布の非売品DVD (これまでに既に3回が配布され、40htセレコンDVDも含む) と40th記念セレモニーチケット (プログラム、記念品付) が含まれるとのことで、
通常コンサートのような限定グッズの販売はなく、記念品の引換えだけに行けばよく、しかも会員番号によって配布場所を分けてあったから、混むことはあるまい、とタカをくくっていたら・・・
けっこう並びました。
14時からの配布で、会場に着いたのは15分前。グッズ販売くらいの人が並んでました。
でも、皆の並んでいる列が動いたのはそれからさらに15分が過ぎたころでしょうか?
記念品を交換して時計を見たら、14時半より少し前くらいでした。
いつもなら、この後ホテルに戻って、すでに荷物は預けチェックインのための手続きはしてあるので、荷物と鍵を受け取って部屋でゆっくりできるのですが、今回はちょっと違って・・・
コンサートに着ていく洋服、
いつもなら、普段着に毛が生えた程度のちょっとよさげなものを、新しく買うか、もしくは持ち服の中から、鏡の前であれこれ試して組み合わせて着ていく物を決めるのだけど、
今回コンサート前に怒涛の5夜連続+4夜連続ブログUPをしていて、洋服を決める時間が皆無だったので、
それなら、せっかくの40周年の記念セレモニーだし、あまり改まりすぎない程度の、ちょっとしたよそ行きのワンピ―スを向こうで買おうかしら、と思い立った。
時間があれば、先日タカミーが出たバラエティー番組で紹介されていた 「プランタン銀座」 (かつて通勤の乗換駅だったのでたまに利用していた) にでも行きたいところだったけど、そんな時間はなかったので、
高速バスを利用するようになってから、南口の高島屋、ハンズ、紀伊国屋(本屋さんです) などには行かなくなって、西口の、もっぱら行きつけとなり、カードまで持ってる京王デパートで、バッグ、くつ、ワンピの 「全揃え」、をすることになりました。
もう何年も、ちゃんとしたお洋服は数年前に喪服を買ったくらいで買ってないし、気分的に大変な時期だったので、たまには 「豪遊?」 しようかと。
(ブログ頑張った「ご褒美」 と これから先も頑張るためにも)
で、バッグは、冬にくれよん同期会で上京した時に買って以来のお気に入りブランドになった Think Bee! というところの新作を、7月に上京した時に買おうか迷って結局買わなかったので、この際だから買うことにしたので、
記念品を受け取りに武道館に行く前に寄って、割合すぐに決まったのだが、
問題は、ワンピース。
とにかく、普段は通販か近所のイ○○でしか買わないので、デパートで、しかもちゃんとした洋服を買うことなどめったにないので、広大なフロアの中から探すだけでも手間が取れ、
しまった デパートって、こーゆートコだったんだ、と思いだし・・・
おまけに所要時間が30分くらいしかなかったので、
よくまぁ見つかったものよと思うほど、ぎりちょんの最後の10分ほどで 奇跡的 に、気に入って、しかもピタリとハマったワンピをGet!!
残り時間でヒールのない、多少改まったパンプスを、以前からほしかったので思い切って買ってホテルに戻り(行く前にすこしあたりを付けてたもので、ヒールのないものは品数が少ないため見つけやすかった)、
大急ぎでシャワーを浴び、ちょー遅いお昼兼おやつのおにぎりを2個と、疲れたのでビールを500缶を1本のんぢゃぃまシタ。 (しかも、コンビニで大好きな 「キリン秋味」 を見つけてしまったので、6%とちょっとアルコール高めなんだけど)
記念品はご丁寧に一人分ずつ、
こぉ~ンな紙袋に入っていましたが (写真は家に帰ってベッドわきのクローゼットにつるしてあるものですが(^^;))
何をするものか、イマイチわからない、だけどカワイイこんなものと、
結婚式で乾杯の時に使うような 「記念の升」、 コンサートタイトルと記念ロゴ、
3人のサインが焼き印で入っていて、白いボール箱に包まれていました。
あと、
「メンバーからの指示があるまで開封しないでください」 と書かれた、
卒業証書などを入れておくような 「会員番号入りの筒」 が一本。
今回、チケットが送られてくる際に、会員番号によって分かれている 「記念品の受け取り場所」 を説明してあるチラシが同封されていて、
そのチラシに書いてあったのか、それとも、マニアサイト上に設けられている 「プレミアムメンバーズ専用ページ」 に出ていたのか忘れたけど、
「記念品には 会場で使用するものが“含まれます” ので、開演前の交換をお勧めします」 と指示があったので、
7月の夏イベの際にもそのようなインフォメーションがあったから、きっとまた、サンライトか何かかな、と思い、開演前の交換をしておきました。
それで、交換してもらった際に、ちょっと覗いてみただけでも 数点の品物が入っていたので、
記念品をチケットに書いてある 「会員番号」 と照らし合わせて出してくれたスタッフのお姉さんに、
「この中で会場で使うものってどれなんでしょうね?」( の書き方からして、あくまでも使用するものは1つだけだと思い込んでいたので) と聞こうか迷ったけど、後の人たちも並んでいるし
そういうものはきっと、記念品の袋の中に 「メモか何かで指示が書いてあるのに違いない。」
と思って聞かずに、代わりに?
「こんなに沢山もらえるなんて嬉しい・笑」 と思わず言っちゃったら、お姉さんもニコッとしてくれたので、
気分よくホテルに戻ったのです。
九段下の駅のホームで電車が来るのに少し時間があったので、こっそり紙袋を覗いてみて、
コンサートプログラムをめくってみたり、
時計か何かかな? と思った白い箱の中に記念の升が入っているのと、筒に書かれた文字、メンバーの写真入りのカセットテープ大の箱 (上の写真参照) を確認しました。
で、ホテル (新宿の、今までよく利用していたところより、もっと駅に近いのを今回見つけたのだ。 ) に戻って、これらの品物を改めて広げ、会場で使用するものはどれだろう、と説明書が入っていないか探してみたけど、そういうものは入っていませんでした。
それで、荷物を最低限に減らそうと思っていたので、
会場に電話をして、何を使うのか確かめよう、と思っていたのに、あんな広い会場の、どこに電話したらいいのかなぁ~と思いつつも、他の準備をしているうちに忘れてしまい、
プログラムを会場で見ることはないと思ったから置いていくことにして、
この、卒業証書入れみたいな筒は一番かさばるけど、上記のようなレッテルが貼られていたから、この筒こそ、「会員番号」 もついていたし、会場で使うに違いない、と思い、持っていくことに。
一昨年の1夜限りの夏イベで、危うくペンライトをホテルに置いていきそうになり、結局持って行ったのだけど危機一髪だった経験から、もし、他に使うものがあって、ホテルに置いてきたばかりにあとで後悔すると嫌だな、ということもチラと考え、
バッグは結構大き目だったので何でも入りそうだったけど、散々迷って、
「升、ただの記念品だから、こんなものは絶対使わないよね。かさばるから置いていこう。
この白いカセット大の箱に入ったもの、丸い缶バッチのようなスピーカー? よくわからないものだけどイヤホン?がついているので、会場で聞くと何か効果音が流れるのかもしれない。
小さいから、もしも何かの時にどこかへ落としでもしたら泣いちゃうから、ホントは置いていきたいところだけど、小さいからかさばらないよね。(自分、武道館で手袋を落とすほどの“うっかりさん”だから、落し物とか要チューイなのだ)
絶対に落とすことはない、と信じて、これは持っていこう。」
心の中で、 升は使わないよね と何度も繰り返し、
着替えて、お化粧も直して、チケット、双眼鏡、財布、ホテルのカギ、記念品の筒とカセット大のもの、など、
忘れ物がないかを何度も確認し、いざ、出発。
都営新宿線新宿駅へ向かう構内を歩いていたら、後ろから男の人に声をかけられたので、無視したら
追いかけてきて横から人の顔の前に、手をこうやって振りかざして、
「ずっと見てたんですけど、テレビとか映画に興味ありませんか?」 だと。
「ありませんっ 」 歩きながら顔も見ずに答えて
この忙しいのに、どうせデタラメなんだから、そんな話を聞いているヒマはないのだ、
しかも、53歳のオバサンが、映画やTVになんて出れるわきゃないじゃん、そんなオバサンに声をかけるなんて、どーゆー人?
ま、まさか、オバサン専門のAVとか、太ってるオバサン対象のヌードとかじゃないよね。
し、失礼な。 そんなに太ってる (オバサン体系) かしら!?
あ、それとも、後ろから見たら若そうだったんで、声かけてみて、顔見たらおばさんで ギョッ とか ・・・ありうるかも。 でも、それもシツレイよね。
などといったことを、急ぎ足で歩きながら走馬灯のように考え・・・
去年の冬? あの “おにぎり事件” のときも、アニバーサリー・カフェでビール飲んで歩いて行って、渋谷のストーン・マーケットに入るちょっと前、若い男性に声をかけられたことがあったが、自分、そんなにほろ酔い加減ではなかったと思うのに、
最近はオバサン狙い? の変な人がいるに違いない。 (もちろん、お茶とかじゃなくて、ナンカの変な勧誘に決まってるけど)
これは果たして喜ぶべきことなのか?
買ったばかりのワンピとバッグ、少しは決まって見えたとしたなら嬉しいんだけど、
それとも自分に声をかけられるような隙があったってことだから、気をつけなくちゃってことよね。
隙?
これだけきちんとした格好をして、前向いて脇目も振らず足早に歩いてるのに、隙なんてあるわけないじゃん、ぐ、ぐやじぃ・・・
( ちなみに、髪もきちんとあげていたし、横から見たらお腹は出てたと思うけど、体の線を出したりしない、膝丈くらいの品のいいワンピなのです。 )
これから、40周年の大切な記念セレモニーに、必死の思いで? 出かけるのに・・・
さて、九段下の駅に降り立つと、薄暮の人の群れに、やはり蝉しぐれが、まだ、降るように注ぎ込んでいた。
「いよいよだわ。 」 気を引き締めて、でも、ちょっと心配だったので
先ほどの会場外の、記念品引換所のところに立っているスタッフさんに、
「記念品の中で、コンサート会場で使う品物があるらしいんですけど、どれだかわかりますか?
筒に入ったものですよね?
まさか、升とかじゃないですよね 」
今さら聞いたところで、もしも違うとでも言われたとしても、この期に及んでどうにもならないことだけど (ホテルに戻れる時間じゃないし ) それでもと思って尋ねてみる。
すると、「さあ、ちょっとその辺のところは、こちらではわかりません。申し訳ありません」 ですと。
「そうですよね (今さら聞いても仕方のないことだし ) いいです、いいです。 」
と、会場へ向かう私。
引換所より少し手前の反対側に停まっていた 「40th記念CD&DVD・BOX」 の宣伝トラックや
入り口付近にあった フラワー・スタンドを、パチリ。
2階席だったので、一階入り口の脇の階段を上って行くのだが、既にコンサート開演の15分前くらい、
さすが記念セレモニー、クリスマス・コンサートとは違ってものすごく混んでいて、中々人の列が進まないのだったが・・・
なんとか、東口 (つまり、入り口からしたら一番の奥 ) の自分の席まで、
ぎりちょんで やっとこさっとこ 辿りつきました。
辿り着くまでに、ちょーぐったり・笑。
お・おぉぉぉぉーーーー
今回、シビアにキメるつもりで、 「自称」 かっちよいぃ 冒頭からスタートしたのだが・・・
またしても脱線が・・・
その②へと、 つづく・・・