ゴンが、血尿が出たり、おしっこのキレが悪くなったり、今まで、朝晩の散歩のときに外でするしかしなかったおしっこを、ガマンできずに、そこらへ漏らしちゃう、
という事態になったため、膀胱炎を疑って、あわてて医者に行ったのが、1月30日。
その後、そのとき採取できなかったおしっこを持参して、再度検査を受けに行ったのが2月9日。
そして、今年に入って、3度目の医者に行ったのは、先週の月曜日、20日のことである。
血尿を止めたり、炎症を抑えるために処方された薬を飲んでいる間は、抗がん剤はやめてください、と言われていたので、それを忠実に守っていたのだが、その間に急激にガンが進んだと思われたため 、もう、血尿も収まったことだし、一刻も早い抗がん剤投与の再開を願ってのことであった。
が、結果から言うと、私たちの願いは、一瞬にして打ち砕かれてしまった。
医者はひと言、
「これ以上抗がん剤を使うと、今度は犬自体の体力や正常な機能を奪うことになるので、もう、抗がん剤を使うのはやめたほうがいいです」。
一瞬にして体が凍りつき、返す言葉が見つからなかったが、それでも、と思い、しつこく食い下がってみたが(どんな質問をしたかは、はっきりと覚えていないが)、
要するに、「抗がん剤」というのは、がん細胞を殺すだけの力があるということだから、健康な細胞まで殺してしまう恐れもあるのだということ、
なので、最初に血尿が出たのは、おそらく抗がん剤の副作用であろうということ、
( え゛~~~、なによ、今まで一度も、そんなこと言ってなかったじゃぁーーーん !!! )
「もう、ガンの末期ですから、あとは、静かに見守ってあげてください。」
え゛っ!?
そぉなの?
うそだ、うそだ、ひどいじゃない。
そんなことって・・・
( 実は、2/9に、夫だけで尿検査の結果を聞いてきたときも、「覚悟はしておいてください」と言われたらしいが、自分で聞くまでは納得してなかったし、また抗がん剤治療を再開したら、持ち直すんじゃないか、と思い込んでいたのだ。 )
それにしても・・・
( なによ、なによ、抗がん剤も使わず、何もしなくて、このままガンが進んでいくのを、手をこまねいて見てろって言うの!? )
「あの時、手術をしたら、あるいは治っていたかもわかりませんが、しないほうを選んだわけですから、」
( ひどぉーーーい、いまさら、言う? )
「放射線治療というのもありますが、大学病院まで行かなくてはならず、何十万も出して、それでよくなるかといったら、たぶん気休め程度でしかありません。」
( え゛っ~、そういう治療法もあったなら、なんで最初に言ってくれないかなぁー。大学病院? 東京だろうがどこだろうが、行こうじゃない。何十万ものお金は、ないといえばないが、いざとなったらなんとでもするわい・・・ )
ヒドイ、ヒドイ・・・びどぉーーーいっ!!!
不信感。
・・・・・
「あとは、幹部が今よりもっとただれてきたり、出血したり、場合によっては膿んできたりすると思うので、ガーゼを当てて、汚れたら交換してやるようになります。
そのとき、かわいそう、とか、気持ち悪い、と思わずに、できるだけ、この子が『気持ちよく』、『穏やかに』過せるようにしてあげることです。」
はぁ・・・
* * * * *
ゴンのガンは、結局「乳がん」だったのだ。
乳がんというのは、例えば人間の場合、現代医学だとたいてい初期段階でガンを取り除いてしまうので、めったにそのようにはならないので、私も考えにも及ばなかったのだが、手術しないで放っておくと、皮膚がただれて広がっていくんだそうな。
つまり、内臓にできたガンがどんなに大きくなろうとも、皮膚の表面に出ることはない、と思っていたのは間違いで、「乳がん」の場合、最初に夫が聞いてきた、「ガンが皮膚の表面に出て、ただれたり出血したりする」というのは、ほんとだったわけだ。
犬のおっぱい(乳首)というものは、人間と違って、上のほうにふたつあるのではなく、胸から腹、股(足の付け根)にかけて二列ずつ並んで、平均8~10個連なっているのだが、
ゴンの場合、腫瘍のできた箇所がちょうど股の辺りだったため、よもや「乳がん」とは思っていなかったのだ。つまり、足の付け根に近い、こんな場所が「乳」がんになる、という認識がなかった。
が、そんなことも考えずに、夫が言いそびれたのか、私が聞き逃したのか、今の今まで、ゴンにできた腫瘍が、何のガンであるかということを知らずにいた自分を恥じた。
それだけではない。
私は、楽観視していたのだ。
人間の場合、手術しないで抗がん剤の治療だけで、何年でも生きている人がたまにいるので、ゴンの場合も、抗がん剤だけでも、けっこう生きられるのではないか、
根拠は全くないのだが、飼い主が“自称”強運の持ち主、なので((^^;)ゞ (^^)v)、なんとなく、ゴンも運が強いんじゃないかなと、勝手にそう思いこんでいた。
事実、血尿が出て、色々がおかしくなってくるまでのゴンは、ガンが発覚した昨年の夏の終わりからつい最近まで、食欲もあったし、散歩も喜んでしたし、おやつのビスケットやチーズをジャンピングキャッチし、ネコの飛び出し防止のため玄関ドアのところに立てかけてあった30cmくらいのフェンスも軽く飛び越え、
昨秋には夫や父゛について山にも登ったし、私と一緒に、たまにだがジョギングなんかもしたりして・・・
すこぶる元気だったのだ。
「手術しなければ、もっても一、二年でしょう。」最初に言われていたくせに、
このまま、抗がん剤の治療がうまく行って、意外ともう何年か、元気に生きているんじゃないか、
勝手に、そう決め込んでいた。
まさか、抗がん剤の副作用が、そんな風に出るだなんて、考えてみたこともなかった。 ( 夫は医者から聞いて知っていた、と言い張るが、少なくとも私には、ちゃんと伝えていなかったと思う。それとも・・・私が自分のことにかまけて、いつものように!? 夫の言うことをいい加減にしか聞いていなかったのか・・・ )
そればかりか、私は、あの時は自分の具合も悪かったから、ある意味仕方がなかったかもしれないとはいえ、ゴンの最初のガンの時だって、夫に任せきりにして、あまりちゃんと考えたり心配したり、していなかったような気すらする。( それどころか、そのときのガンは完治している、と医者にも言われたが、けっきょく何処のガンだったのか、難しい名前ではっきりと覚えていないのだ・・・ )
「一度ガンをやっているんですから、日ごろから再発していないか、気をつけてあげるべきでした。もっと初期段階で見つけていれば、もう少し何とかなったかもしれません。特に、犬の場合『乳がん』は、初めて発情するころまでに不妊手術( 子宮と卵巣の摘出 )をすれば、ほぼ100%近く、防げる病気なんです。( だってそんなこと、知らなかったもん・・・ )」
医者にも言われたが、あとのまつりである。
特に、不妊手術等については、誤報も多く、夫は「子どもを産ませたほうがガンになりにくい」と聞いてきて、それでゴンに子どもを産ませた( なあんだ、おもしろそうだから犬の出産を体験してみたかったとか、ゴンのことがかわいくて大好きだからゴンの子孫がほしかった、わげぢゃぁ、なかったのね・・・ )らしいし、
その後不妊手術に踏み切ったのも、ガンになりにくくなると聞いたからである。
最もこれはのちにわかったことなのだが、ガン全般になりにくくなる、というわけではなくて、少なくとも子宮と卵巣はなくなるわけだから、その部分に関してのガンには永久にならない、というだけのことで、ゴンの最初の腫瘍摘出のとき、医者に勧められてやったことらしかった。
しかし・・・
喉もと過ぎれば熱さ忘れる
ではないが、「細胞に浸透しているかもしれない細かなレベルのガンは取りきれなかったため、再発の恐れがある」といわれた、最初の腫瘍摘出の術後8ヶ月は、しきりにゴンの体を触診しては、ガンチェックをしていた夫も、それが過ぎて大丈夫とわかるや否や、まるで時効が切れたみたいにすっかり安心しきってしまい、しだいにやらなくなり、
「これのお陰で治ったのかもよ!? 」と私たち夫婦が信じていた、オリジナルに考案した“秘薬?”、「ヨーグルトに抹茶と蜂蜜を混ぜたもの」も、しだいに忘れて、ゴンに与えなくなってきていたのだった。
が、どんなに後悔しても、時計の針は巻き戻せない。
そして、医者にいくらそう言われたからといって、簡単にはあきらめられない。
なにか、ガンを少しでも食い止め、進行を遅らせるような、いい方法がないものだろうか・・・。
「放射線治療、ダメモトでも、調べてみよう。このまま、何もしないでいるのは、ゼッタイに嫌だ!!」
病院から帰ってくるや否や、私は、すがるような思いで、食い入るようにパソコンの検索を始めた。
( 続く・・・ )
という事態になったため、膀胱炎を疑って、あわてて医者に行ったのが、1月30日。
その後、そのとき採取できなかったおしっこを持参して、再度検査を受けに行ったのが2月9日。
そして、今年に入って、3度目の医者に行ったのは、先週の月曜日、20日のことである。
血尿を止めたり、炎症を抑えるために処方された薬を飲んでいる間は、抗がん剤はやめてください、と言われていたので、それを忠実に守っていたのだが、その間に急激にガンが進んだと思われたため 、もう、血尿も収まったことだし、一刻も早い抗がん剤投与の再開を願ってのことであった。
が、結果から言うと、私たちの願いは、一瞬にして打ち砕かれてしまった。
医者はひと言、
「これ以上抗がん剤を使うと、今度は犬自体の体力や正常な機能を奪うことになるので、もう、抗がん剤を使うのはやめたほうがいいです」。
一瞬にして体が凍りつき、返す言葉が見つからなかったが、それでも、と思い、しつこく食い下がってみたが(どんな質問をしたかは、はっきりと覚えていないが)、
要するに、「抗がん剤」というのは、がん細胞を殺すだけの力があるということだから、健康な細胞まで殺してしまう恐れもあるのだということ、
なので、最初に血尿が出たのは、おそらく抗がん剤の副作用であろうということ、
( え゛~~~、なによ、今まで一度も、そんなこと言ってなかったじゃぁーーーん !!! )
「もう、ガンの末期ですから、あとは、静かに見守ってあげてください。」
え゛っ!?
そぉなの?
うそだ、うそだ、ひどいじゃない。
そんなことって・・・
( 実は、2/9に、夫だけで尿検査の結果を聞いてきたときも、「覚悟はしておいてください」と言われたらしいが、自分で聞くまでは納得してなかったし、また抗がん剤治療を再開したら、持ち直すんじゃないか、と思い込んでいたのだ。 )
それにしても・・・
( なによ、なによ、抗がん剤も使わず、何もしなくて、このままガンが進んでいくのを、手をこまねいて見てろって言うの!? )
「あの時、手術をしたら、あるいは治っていたかもわかりませんが、しないほうを選んだわけですから、」
( ひどぉーーーい、いまさら、言う? )
「放射線治療というのもありますが、大学病院まで行かなくてはならず、何十万も出して、それでよくなるかといったら、たぶん気休め程度でしかありません。」
( え゛っ~、そういう治療法もあったなら、なんで最初に言ってくれないかなぁー。大学病院? 東京だろうがどこだろうが、行こうじゃない。何十万ものお金は、ないといえばないが、いざとなったらなんとでもするわい・・・ )
ヒドイ、ヒドイ・・・びどぉーーーいっ!!!
不信感。
・・・・・
「あとは、幹部が今よりもっとただれてきたり、出血したり、場合によっては膿んできたりすると思うので、ガーゼを当てて、汚れたら交換してやるようになります。
そのとき、かわいそう、とか、気持ち悪い、と思わずに、できるだけ、この子が『気持ちよく』、『穏やかに』過せるようにしてあげることです。」
はぁ・・・
* * * * *
ゴンのガンは、結局「乳がん」だったのだ。
乳がんというのは、例えば人間の場合、現代医学だとたいてい初期段階でガンを取り除いてしまうので、めったにそのようにはならないので、私も考えにも及ばなかったのだが、手術しないで放っておくと、皮膚がただれて広がっていくんだそうな。
つまり、内臓にできたガンがどんなに大きくなろうとも、皮膚の表面に出ることはない、と思っていたのは間違いで、「乳がん」の場合、最初に夫が聞いてきた、「ガンが皮膚の表面に出て、ただれたり出血したりする」というのは、ほんとだったわけだ。
犬のおっぱい(乳首)というものは、人間と違って、上のほうにふたつあるのではなく、胸から腹、股(足の付け根)にかけて二列ずつ並んで、平均8~10個連なっているのだが、
ゴンの場合、腫瘍のできた箇所がちょうど股の辺りだったため、よもや「乳がん」とは思っていなかったのだ。つまり、足の付け根に近い、こんな場所が「乳」がんになる、という認識がなかった。
が、そんなことも考えずに、夫が言いそびれたのか、私が聞き逃したのか、今の今まで、ゴンにできた腫瘍が、何のガンであるかということを知らずにいた自分を恥じた。
それだけではない。
私は、楽観視していたのだ。
人間の場合、手術しないで抗がん剤の治療だけで、何年でも生きている人がたまにいるので、ゴンの場合も、抗がん剤だけでも、けっこう生きられるのではないか、
根拠は全くないのだが、飼い主が“自称”強運の持ち主、なので((^^;)ゞ (^^)v)、なんとなく、ゴンも運が強いんじゃないかなと、勝手にそう思いこんでいた。
事実、血尿が出て、色々がおかしくなってくるまでのゴンは、ガンが発覚した昨年の夏の終わりからつい最近まで、食欲もあったし、散歩も喜んでしたし、おやつのビスケットやチーズをジャンピングキャッチし、ネコの飛び出し防止のため玄関ドアのところに立てかけてあった30cmくらいのフェンスも軽く飛び越え、
昨秋には夫や父゛について山にも登ったし、私と一緒に、たまにだがジョギングなんかもしたりして・・・
すこぶる元気だったのだ。
「手術しなければ、もっても一、二年でしょう。」最初に言われていたくせに、
このまま、抗がん剤の治療がうまく行って、意外ともう何年か、元気に生きているんじゃないか、
勝手に、そう決め込んでいた。
まさか、抗がん剤の副作用が、そんな風に出るだなんて、考えてみたこともなかった。 ( 夫は医者から聞いて知っていた、と言い張るが、少なくとも私には、ちゃんと伝えていなかったと思う。それとも・・・私が自分のことにかまけて、いつものように!? 夫の言うことをいい加減にしか聞いていなかったのか・・・ )
そればかりか、私は、あの時は自分の具合も悪かったから、ある意味仕方がなかったかもしれないとはいえ、ゴンの最初のガンの時だって、夫に任せきりにして、あまりちゃんと考えたり心配したり、していなかったような気すらする。( それどころか、そのときのガンは完治している、と医者にも言われたが、けっきょく何処のガンだったのか、難しい名前ではっきりと覚えていないのだ・・・ )
「一度ガンをやっているんですから、日ごろから再発していないか、気をつけてあげるべきでした。もっと初期段階で見つけていれば、もう少し何とかなったかもしれません。特に、犬の場合『乳がん』は、初めて発情するころまでに不妊手術( 子宮と卵巣の摘出 )をすれば、ほぼ100%近く、防げる病気なんです。( だってそんなこと、知らなかったもん・・・ )」
医者にも言われたが、あとのまつりである。
特に、不妊手術等については、誤報も多く、夫は「子どもを産ませたほうがガンになりにくい」と聞いてきて、それでゴンに子どもを産ませた( なあんだ、おもしろそうだから犬の出産を体験してみたかったとか、ゴンのことがかわいくて大好きだからゴンの子孫がほしかった、わげぢゃぁ、なかったのね・・・ )らしいし、
その後不妊手術に踏み切ったのも、ガンになりにくくなると聞いたからである。
最もこれはのちにわかったことなのだが、ガン全般になりにくくなる、というわけではなくて、少なくとも子宮と卵巣はなくなるわけだから、その部分に関してのガンには永久にならない、というだけのことで、ゴンの最初の腫瘍摘出のとき、医者に勧められてやったことらしかった。
しかし・・・
喉もと過ぎれば熱さ忘れる
ではないが、「細胞に浸透しているかもしれない細かなレベルのガンは取りきれなかったため、再発の恐れがある」といわれた、最初の腫瘍摘出の術後8ヶ月は、しきりにゴンの体を触診しては、ガンチェックをしていた夫も、それが過ぎて大丈夫とわかるや否や、まるで時効が切れたみたいにすっかり安心しきってしまい、しだいにやらなくなり、
「これのお陰で治ったのかもよ!? 」と私たち夫婦が信じていた、オリジナルに考案した“秘薬?”、「ヨーグルトに抹茶と蜂蜜を混ぜたもの」も、しだいに忘れて、ゴンに与えなくなってきていたのだった。
が、どんなに後悔しても、時計の針は巻き戻せない。
そして、医者にいくらそう言われたからといって、簡単にはあきらめられない。
なにか、ガンを少しでも食い止め、進行を遅らせるような、いい方法がないものだろうか・・・。
「放射線治療、ダメモトでも、調べてみよう。このまま、何もしないでいるのは、ゼッタイに嫌だ!!」
病院から帰ってくるや否や、私は、すがるような思いで、食い入るようにパソコンの検索を始めた。
( 続く・・・ )