(これは2017年7月2日の記事です)
アメリカのドラマでまたちょっと面白いものを見つけたので紹介します。(残念ながらHuluの配信は終了したようです)
「In Treatment」
セラピストによるセラピーを毎回紹介するという形のドラマ(フィクション)で、舞台はセラピストの診療室のみ。登場人物はセラピストのポールと患者たち。患者は曜日ごとに違います。
月曜日はローラ。
婚約者と結婚間近ながらも気がすすまない。セックス中毒の気がある。誰とでも寝てしまう。ポールに気がある。
火曜日はアレックス。
アメリカ空軍に所属していて空爆で学校を爆撃してしまい16人の子どもが亡くなったが、彼は何も感じなかったという。
水曜日はソフィー。
16歳。体操選手でオリンピック出場をめざすが、事故にあい両腕にギプスをはめている。メンタル面で問題があり、医師の診断が必要と言われポールのもとにやってきた。
木曜日はジェイクとエイミー。夫婦。
不妊治療の末、第2子を妊娠したがエイミーは出産をためらっている。夫婦の危機。
金曜日はポール。
セラピスト自身がスーパーバイザーのところに駆け込み、セラピーを受ける。これによりポールの家庭問題などが浮上してくる。
つまりまあ、アメリカのよくあるサイコセラピーの話なのですね。そして、驚くべきことに、回を重ねるたびに状況が悪化していき、にっちもさっちもいかなくなっていきます。
現在シーズン1の5週目に突入したところですが、患者たちがハンパない。セラピストに暴言を吐き、おまえはどうなんだと突きつける。ポールもいたたまれなくなり、スーパーバイザーであるジーンのところに駆け込みますが、ジーンも一筋縄ではいかない。ポールの妻は浮気をしており、ポール自身の家庭も崩壊寸前です。
つまり、セラピーを受けたために彼らは、結婚を解消し、流産し、恋人と別れ、凄惨な過去を思い出させられ、家庭が崩壊寸前で、状況は悪化の一途をたどる・・というお話。
と書くとまるでコメディのようですが、実際彼らの話はシリアスそのもので、傍から見ていても、この先どうなっちゃうんだろうと心配するほど。
でもまあ、考えてみれば、日本にはほとんどないこの類のセラピーを受け、深層心理を分析することによって、はたして状況は変わるのか? 少しでもいい方向に向かうのか? 非常に疑問ですね。
セラピー氾濫国家のアメリカを揶揄しているドラマなのだ、と思って見ると、なかなか興味深いですが。
何といっても、彼らは患者でありながら、毎回ポールの痛いところを突いてきます。16歳のソフィーですら例外ではありません。
それに対してどう感じたの? ときけば、なんでそんなことを聞くんだ、あんたはどうなんだ?
と質問に対して質問で答える。決してドクターと患者という立場でモノを言わない。相手はドクターで専門知識があるので、ここは遠慮しておこう、とかいう配慮は一切なし。空気なんて絶対読まない。専門家だろうが何だろうが、言いたいことは言う。相手の土俵には決して入らず、相手を自分の土俵に引きずり込む。見事なまでに。
だから、戦争が起きるのね。
そしてまた、こういう人たちと戦争はできないよなあ、とも思います。
決して相手にコントロールされまいとする。力の奪い合い。結局、そこにあるのは、恐れやコンプレックスなのでしょうが、彼らの誰一人として気づいていない。
一番いいのはセラピーを辞めることですね。
心理分析をやめて、ただ静かに山や海を眺めて一週間くらい暮らしてみると状況は変わるかもしれない。あるいは、変わらないかもしれないけれど、少なくとも悪化はしないでしょう。
セラピーは役に立たない、という皮肉をこめたドラマだと思って見ると面白いかも。
(実際はシリアスなドラマとして評価が高いようですが)
まだ最後まで見てないので、彼らの行く手に何が待っているのが興味ありますが、見ていて非常に疲れるドラマなので、この辺で見るのを辞めるかもしれないし、結局最後まで見るかもしれません。
セラピーや心理学に興味のある方にはお勧めですが、楽しいドラマを見たい方にはお勧めしません。
それにしても彼らは年がら年中セックスの話ばかりしているのだけど、これってどうなの?
人間として自然なこと? それとも中毒? 何かの代償?
と疑問だらけです。
アメリカのドラマでまたちょっと面白いものを見つけたので紹介します。(残念ながらHuluの配信は終了したようです)
「In Treatment」
セラピストによるセラピーを毎回紹介するという形のドラマ(フィクション)で、舞台はセラピストの診療室のみ。登場人物はセラピストのポールと患者たち。患者は曜日ごとに違います。
月曜日はローラ。
婚約者と結婚間近ながらも気がすすまない。セックス中毒の気がある。誰とでも寝てしまう。ポールに気がある。
火曜日はアレックス。
アメリカ空軍に所属していて空爆で学校を爆撃してしまい16人の子どもが亡くなったが、彼は何も感じなかったという。
水曜日はソフィー。
16歳。体操選手でオリンピック出場をめざすが、事故にあい両腕にギプスをはめている。メンタル面で問題があり、医師の診断が必要と言われポールのもとにやってきた。
木曜日はジェイクとエイミー。夫婦。
不妊治療の末、第2子を妊娠したがエイミーは出産をためらっている。夫婦の危機。
金曜日はポール。
セラピスト自身がスーパーバイザーのところに駆け込み、セラピーを受ける。これによりポールの家庭問題などが浮上してくる。
つまりまあ、アメリカのよくあるサイコセラピーの話なのですね。そして、驚くべきことに、回を重ねるたびに状況が悪化していき、にっちもさっちもいかなくなっていきます。
現在シーズン1の5週目に突入したところですが、患者たちがハンパない。セラピストに暴言を吐き、おまえはどうなんだと突きつける。ポールもいたたまれなくなり、スーパーバイザーであるジーンのところに駆け込みますが、ジーンも一筋縄ではいかない。ポールの妻は浮気をしており、ポール自身の家庭も崩壊寸前です。
つまり、セラピーを受けたために彼らは、結婚を解消し、流産し、恋人と別れ、凄惨な過去を思い出させられ、家庭が崩壊寸前で、状況は悪化の一途をたどる・・というお話。
と書くとまるでコメディのようですが、実際彼らの話はシリアスそのもので、傍から見ていても、この先どうなっちゃうんだろうと心配するほど。
でもまあ、考えてみれば、日本にはほとんどないこの類のセラピーを受け、深層心理を分析することによって、はたして状況は変わるのか? 少しでもいい方向に向かうのか? 非常に疑問ですね。
セラピー氾濫国家のアメリカを揶揄しているドラマなのだ、と思って見ると、なかなか興味深いですが。
何といっても、彼らは患者でありながら、毎回ポールの痛いところを突いてきます。16歳のソフィーですら例外ではありません。
それに対してどう感じたの? ときけば、なんでそんなことを聞くんだ、あんたはどうなんだ?
と質問に対して質問で答える。決してドクターと患者という立場でモノを言わない。相手はドクターで専門知識があるので、ここは遠慮しておこう、とかいう配慮は一切なし。空気なんて絶対読まない。専門家だろうが何だろうが、言いたいことは言う。相手の土俵には決して入らず、相手を自分の土俵に引きずり込む。見事なまでに。
だから、戦争が起きるのね。
そしてまた、こういう人たちと戦争はできないよなあ、とも思います。
決して相手にコントロールされまいとする。力の奪い合い。結局、そこにあるのは、恐れやコンプレックスなのでしょうが、彼らの誰一人として気づいていない。
一番いいのはセラピーを辞めることですね。
心理分析をやめて、ただ静かに山や海を眺めて一週間くらい暮らしてみると状況は変わるかもしれない。あるいは、変わらないかもしれないけれど、少なくとも悪化はしないでしょう。
セラピーは役に立たない、という皮肉をこめたドラマだと思って見ると面白いかも。
(実際はシリアスなドラマとして評価が高いようですが)
まだ最後まで見てないので、彼らの行く手に何が待っているのが興味ありますが、見ていて非常に疲れるドラマなので、この辺で見るのを辞めるかもしれないし、結局最後まで見るかもしれません。
セラピーや心理学に興味のある方にはお勧めですが、楽しいドラマを見たい方にはお勧めしません。
それにしても彼らは年がら年中セックスの話ばかりしているのだけど、これってどうなの?
人間として自然なこと? それとも中毒? 何かの代償?
と疑問だらけです。