スウェーデン発の素敵な映画を発見しました。
「幸せなひとりぼっち」(2015年スウェーデン)
英語じゃない言葉をしゃべっているけど、どこの映画? と思って調べてみたらスウェーデン映画でした。
しかもこれ、「スターウォーズ/フォースの覚醒」を抜いてスウェーデンで大ヒットした映画だそうです。
コメディであり、味わい深いヒューマンドラマでもあります。
オーヴェは妻に先立たれ、43年勤めた会社を首になり、妻の元に行こうと自殺を決意します。でも毎回邪魔が入ってなかなか自殺できません。
隣に引っ越してきた家族(妻がイラン人で子どもが二人、現在妊娠中)が毎回オーヴェの自殺の邪魔をします。
やれ梯子を貸してくれ、車を出してくれ、子どもたちの世話をしてくれ・・
このイラン人の妻が底抜けに明るくてお節介な人。
オーヴェは断わりきれず、この一家の騒動に巻き込まれていきます。その途中にオーヴェの回想シーンが入り、妻ソーニャとの出会いから別れまでが語られる、というストーリー。
オーヴェは一見ひどく偏屈な老人に見えますが、イラン人の妻に車の運転を教えるシーンでこういいます。
「2回も出産に耐えて、次は3回目。イランの戦場からここまでたどり着き、新しい言葉を学び、ダメ男と結婚までした。運転くらい何でもないはずだ!」
そしてまた、ゲイであることがバレて父親から勘当された少年を泊めてやったり、邪険に追い払っていた野良猫の怪我の手当てをしたことから、ついに家族に迎え入れるなど、徐々に彼も変わっていきます。
この猫が可愛いのよ~
不器用なオーヴェと明るい性格のソーニャの出会いと別れもとてもいい。
人生の深みというか、滋味深さをしみじみと感じさせてくれる秀作です。
前半は笑いっぱなし。そして最後は涙でぐちゃぐちゃ。この按配が実にいい。久々にいい映画を見たなあという感じでした。
超お勧めです!