ないない島通信

「ポケットに愛と映画を!」改め。

アンという名の少女

2020-09-30 19:32:38 | 映画

誰もが知っているモンゴメリーの名著「赤毛のアン」がドラマ化されました。

「アンという名の少女」(2017年カナダ)

今、Netflixで配信中です。

原作にかなり忠実に作られていて、さらに登場人物の内面を深堀りして描いており、心理描写が見事です。

私がこれを読んだのは子どもの頃だったのでもっぱらアンに感情移入したものですが、今回ドラマを見て、

アンの周囲の大人たちが大変興味深く描かれていると思いました。

とくに、アンを養子に迎えたマシューとマリラの兄妹がすばらしい。

こんなに素敵な人たちだったのね、と新たな発見をしました。

進歩的であることを自負する女性たちが、いかに古臭く因襲に囚われているか、学のないマリラとマシューのほうがいかに人間の真の価値を知っているか・・

エピソードが進むたびに、ハラハラしながら涙を流しながら見ずにはいられませんでした。

アンの短気で頑固で意固地なところもすごい。自己主張の激しいところもすごい。

でも、シーズン1の終わりまで見て、これ以上は見なくていいや、と思ってしまった。

なぜかというと、この時代特有の少女小説のパターンが見えてきて、ああまたね、と思ったからです。

「小公女」「少女パレアナ」「あしながおじさん」「大草原の小さな家」・・なんかに共通するパターンといえばいいか。

孤児と意地悪な養母、真の友情で結ばれた友だち、ライバルでありやがて恋人になる少年、強い父親と愛情深い母親、家族の絆・・

これらのパターンは旧世代の家族像を象徴しています。

どんなに味付けが異なっていても(アンの話にはゲイのカップルさえ登場しますが)、苦境にめげず明るく成長する子どもと家族の絆・・という教訓が見え隠れしています。

愛情というのは(家族というのは、と言い換えてもいいかもしれない)、

時に桎梏でもありますね。

罠といってもいいかもしれない。

すべての愛情には罠がある・・

とはいえ、私たちは愛情を求めずにはいられない。誰も一人で生きていくことはできないし、そばに誰かいてほしいと思うものです。

その人が愛情深い人だったらどんなに素敵かしれません。

それでも、その愛情には罠が仕掛けられていて、私たちはその罠にはまりこむと出られなくなる。道徳とか社会通念とか常識とかその他諸々・・。

だから覚悟が必要、

ということは往々にして忘れ去られがちです。

私たちは目くらましに騙されないよう、罠にはまらないよう、しっかり自覚する必要があるように思います。

昔「赤毛のアン」を読んで感動した世代は見てみてもいいんじゃないかと思いますが、

ああ、いい話だわあ、と感動する人と、もう、こういうのお腹いっぱい、と思う人とに分かれる気がします。

あなたはどっちにゃん?

 

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エノーラ・ホームズの事件簿

2020-09-27 12:17:53 | 映画

Netflix制作の映画

「エノーラ・ホームズの事件簿」

がやたら面白かったので紹介します(現在Netflixで配信中)。

ナンシー・スプリンガーのラノベの映画化なので、ヤング向けですが、

エンターテイメントの要素がギュッと詰まった一本です。

かのシャーロック・ホームズの妹が主人公のミステリー、

といえば、BBC制作の「シャーロック」を思い出す人も多いかもしれません。こちらのシャーロックの妹の名前は、ユーラス。シャーロック顔負けのソシオパスです。

でも、今回のエノーラ・ホームズは極めてまともな16歳の少女。

演じるのは「ストレンジャー・シングス」で有名なミリー・ボビー・ブラウン。「ストレンジャー・シングス」も面白いのでお勧めですが(私はシーズン2が好きです)、彼女もずいぶん成長しました。

ストーリーはこう。
エノーラの16歳の誕生日に突然母が失踪します。

エノーラの母は当然シャーロックとマイクロフトの母でもあります。母を演じているのがヘレナ・ボナム・カーター。

母を探してエノーラはロンドンに向かうのですが、

途中、汽車の中で貴族の少年デュークベリと出会ったことから厄介な事件に巻き込まれていきます。

そこに、シャーロックとマイクロフトがからんでくる、というお話。

このシャーロック、なかなかの堅物。それに輪をかけて堅物なのがマイクロフト。

果たして母は見つかるのか、そして、デュークベリとエノーラの関係は?

物語の背景は19世紀ですが、女性参政権や女性の自立といった現代的な問題提起もしています。

真ん中あたりで、柔術を教えているエディスという黒人女性がシャーロックにこういう場面があります。

「あなたには所詮理解できないわ」
「なぜだい?」
「無力である苦しさを知らない・・政治に関心がない、世界を変える気がないからよ。現状で満足だから。世の中の変化は見えてる?」

ミステリーとサスペンス、アクションがからみ、少女の淡い恋心もあり、19世紀末のロンドンの様子も(ガチョウが道を歩いてたりと)リアルで、意外な人物が犯人というところも、ミステリーならではの展開です。

原作はシリーズ化されているようなので、映画の人気が出れば次回作も出るんじゃないかな。

見どころ満載、面白さ満載の肩の凝らないエンターテイメントになっています。

コロナの影響で映画館で上映できないため、Netflixで配信したというのは嬉しい限りですが、いつか劇場で上映してほしいなあ。

何しろエノーラ役のミリー・ボビー・ブラウンがめっちゃ可愛い。

今夜何を見ようかしらと迷っている人にお勧めです。

 

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その優しさを手放せ!

2020-09-25 10:51:52 | スピリチュアル

 

幸せのためには優しさを手放せ! 【潜在意識活用法】

このセッションについてのお問合せはコチラからお願いします。 オラクルリーディング https://schoolofwizard.stor...

youtube#video

 

前にも紹介しましたが(8月4日の記事参照)

ヨガ講師の細江たか先生がとてもいいことを言ってらしたので、

(たか先生直々ではなくMakikoさんの言葉なのですが)

紹介したいと思います。

見ていただくのが一番ですが、要約すると、

「誰かを助けたい」という気持ちは手放した方がいい。

なぜなら、「助けたい」と考えた瞬間に、自分が上で相手が下になり、相手をどんどん下げてしまうから。

そして、「助けたい」と思えば思うほど、「助けてもらいたい」人が集まってくるから。

なので、「助ける」のではなく、対等な一人の人間として向き合うこと。

相手を信頼してまかせること。

それが大事。

これはもう目からウロコの発想ですね。

私たちは困っている人を見ると、つい助けたくなるのですが、

そうすると、下向きのエネルギーが発生して、相手と対等ではなくなる。

助けようとすればするほど、相手を下に置き自分が上になる。

でも、人は誰もが自分で解決する力をもっているのだから、

その人の力を信頼してまかせる。

そうすることで、お互い対等な人間として、エネルギーの交流ができる、というわけです。

短い動画なので、ぜひご覧になることをお勧めします。

また、もう少し時間のある方はこれもご覧になるといいのではないかと思います。

 

ヨーガ哲学Live 思考は伝染する 思考は世界を変える カルマの驚くべき秘密とは?

#ヨガ哲学 #ヨガシャラ細江たかゆき #宇宙法則 ヨガ、瞑想、ヨガ哲学をわかりやすく伝えています ・ ・ ・ ・ ヨガ・瞑想...

youtube#video

 

いやあ、

ヨガ、

ますます面白くなってきました。

 

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日本語教師として・・(3)

2020-09-21 17:43:11 | 日本語

先日「ニュー・システムによる日本語」を紹介しましたが、

これを開発した海老原峰子氏は数学者でもあります。

つまり、ロジカルな思考回路をもっている人だと思われます。

だからこそ、このメソッドはシンプルで論理的でなおかつ実用的に作られています。

でも、世の中のすべての人にロジカルな方法がいいとは限らない、

ということが、一人の生徒の発言でわかりました。

「それって数学みたいだね。でも、僕は数学が苦手なので、よく理解できないんだ」

言語の獲得方法というのは、人によってずいぶん違うものだと教えているとよくわかります。

JLPTでは5級(初級)のWさんの日本語は実に流暢で、日常会話は難なくこなせます。イントネーションも日本人と変わらない。それなのにJLPT4級のテストは不合格でした。

JLPTだけでは日本語能力を判定できない、ということがわかります。

(でも企業で要求されるのはJLPT2級合格です)

言語獲得のポイントはリスニング力ではないか、と私は思っています。

相手が何を言っているのか理解できないと答えられませんから。

簡単なことですが、案外見過ごされがちです。皆、必死になって、どう言おうか、どう表現しようか、文法はこれでいいだろうか、と考えますが、その前に、

相手の言っていることをちゃんと理解できるかどうか、がとても大事。

とにかく日本語に慣れ親しんでほしいと、口をすっぱくして言いますが、なかなか難しいようです。

特に日本語の日常会話は表現方法が多様で、「みんなの日本語」のようなテキストで勉強した人にはついていけないようです。

それに、日本語と英語では脳の働き方も違うらしい。

フィリピンのセブ島の英語学校に2回短期留学したことがあります。

一度目は2週間、二度目は1か月。

最初に入った英語学校は韓国人の経営する学校で、日本人の生徒は少なく、ほとんどが韓国や台湾から来た人たちでした。

従って生徒同士で話すときも英語のみ。

たった2週間でしたが、日本語からすっかり離れて英語だけで暮らしていると、いつのまにか英語で考えるようになります。英語脳になってきたのを感じました。

一方、1か月を過ごした英語学校の方は、日本人が経営する学校で生徒はほとんどが日本人。授業の合間に生徒同士で会話するときは、当然日本語になります。

1か月いたけれど、私の英語は大して上達しなかった。

英語学校では日本語を使ってはいけない、と痛感しました。

そして、必要に迫られるという事はとても大事だと実感しました。

部屋のエアコンの調子が悪くてフロントに掛け合わなくてはいけなかったとき、私の頭はフル稼働で英語をひねり出したのでした。

どうしても伝えたいことがあること、何とかしてコミュニケーションを取ろうとすること、それが言語獲得の近道かもしれません。

メソッドも大事ですが、言語環境はもっと大事。

NOVAに通っていたとき、日本人の英語の先生がこう言っていました。

「朝起きるとラジオをつけて英語のニュースを聞きます。昼間も、できるだけ日本語が耳にはいらないよう工夫して暮らしています」

英語の先生ですらそうなんだ、と感心しました。

言語を獲得し、それを維持するにはそれなりの努力が必要だということを教えられました。

日本にいる外国人は、日本語の環境の中にいるのですから、これ以上言語獲得に適した場所はないわけです。

でも、皆こう言います。

「だって、日本人は外人とみると英語で話しかけてくるんだもの・・」

しかも、職業が英語の先生だったりすると、ついつい英語に頼ってしまいがちです。

私の生徒たちは様々な国から来ているので、母国語も様々ですが、皆とても流暢に英語を話します。なので、やはりどうしても英語が混ざりこみます。

私の日本語レッスンでは、英語、日本語、それぞれの母国語が飛び交い、スペイン語ではこう、ドイツ語ではこういうのよ、と教えてもらったりして、とても楽しいです。

本当は英語を使わないで、日本語だけで教える方がいいのでしょう。でも、英語ができると便利なのは確かです。

これから日本語教師の資格を取ろうと考えている方、ぜひ歳だからとあきらめずに挑戦してみてください。

いくつになっても、遅すぎることはありません。

日本にいながら世界じゅうの人たちと接してそれぞれの文化を学べる、こんなにいい仕事はありません。

何より楽しいんです!

(まだ間に合うにゃ)

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イエスタディ

2020-09-18 16:00:31 | 映画

ビートルズ、といえば私の青春です。

といっても、友人たちほどではなかったのですが。友人たちときたらもう、それはすさまじい熱狂ぶりでした。

その友人たちに感化されてビートルズが好きになり、毎日聴いたものです。

この映画は、ビートルズに捧げたオマージュといってもいいでしょう。

「イエスタディ」(ダニー・ボイル監督 2019年)

監督のダニー・ボイルは「トレイン・スポッティング」「スラムドッグ&ミリオネア」等の監督でもあります。

基本的にコメディです。SF要素もちょっとあるけど、SF映画じゃない。

売れないミュージシャンのジャックはある日交通事故に合います。ちょうどその時、世界中で10秒間停電するというアクシデントが起こり、ジャックが病院で目をさますと、そこは、ジャックのいた世界とそっくりなのに、何かが違う世界でした。

その世界には、ビートルズがいない。コカ・コーラもない、ハリー・ポッターもない・・

両親や友人、彼のマネージャーであるエリーなど身近な人たちはそのままなのに、何かが微妙に違う世界に、ジャックはまぎれこんでしまいます。

そして、たまたま彼がビートルズの曲を演奏したところ、それを聞きつけたエド・シーラン(本人出演)が彼をスターダムに押し上げる、というストーリー。

そこに、ジャックと彼のマネージャーであり幼馴染であるエリーとの、ちょっとややこしくて微妙な恋愛が絡んできます。

エリーを演じているのが、「ガーンジー島の読書会の秘密」でジュリエットを演じたリリー・ジェームス。

ジャックを演じるのはヒメーシュ・パテル。どこまでも人の好さそうな表情がいい。何より歌が上手い。

最後の方にちょっとしたサプライズがあります。

ストーリーはシンプルで大体予測がつくのですが、予測を裏切る仕掛けもあり、全体にハートウォーミングな物語に仕上がっています。

ジャックは元の世界に戻れるのか?

それは映画を見てのお楽しみ。

もしかすると、この世界とそっくりだけど、微妙に違うパラレルワールドがすぐ隣にあって、ちょっとしたきっかけで私もそっちに行けるかも・・

という想像をかきたてます。

その世界がこの世界より、より良い世界だといいなあ。

でも、ハリー・ポッターやビートルズ、スターウォーズのない世界はどうなんだろう・・といろんな空想ができちゃう映画でもあります。

ビートルズのコアなファンにとっては、もしかするとあり得ない映画なのかもしれません。

でも、「スター・ウォーズ」がそうであるように、伝説は様々な形で語り継がれるものです。

この映画は、ビートルズをすっかり忘れた現代に(ビートルズのいない世界に)ビートルズの魅力を再配達してくれる役割をもっているような気がします。

何より、久しぶりにビートルズの曲を聴いて、そうだ、もう一度ビートルズを聴こう!と思いました。

難しいことは抜きにして、気軽に楽しみたい映画です。

 

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