ないない島通信

「ポケットに愛と映画を!」改め。

オクジャ

2020-02-28 10:21:37 | 映画

「グエムル」に続いて見たのが、

「オクジャ」(ポン・ジュノ監督作品 2017年 韓国アメリカ合作)

ポン・ジュノ監督がブラッド・ピットの映画製作会社プランBとタッグを組んで制作したNetflixオリジナル映画だそうです。

韓国の山奥の村でおじいさんと二人で暮らしている少女ミジャにはオクジャという親友がいました。

このオクジャ、実はアメリカの大企業ミランド社が遺伝子操作によって(世界の食糧危機を救うのだとかいって)作りだした新種の豚・・というかどう見てもカバ。

このカバ(じゃなくて新種の豚)を世界各地で飼育させ、どの豚が一番大きくて味が良いかをコンペにかけるという。

その大企業のCEOがティルダ・スウィントン、

そして、超クレイジーな社員をジェイク・ギレンホールが演じています。

ミジャは実に利発でかわいらしい少女で、オクジャも(CGだけど)リアルで頭がよくて、本当にこんなカバ(じゃなくて新種の豚)がいたら面白いだろうなあと思った。

でも、途中から話は少女とカバ(じゃなくて新種の豚)の友情物語から、いつのまにか、アメリカの資本主義を批判する社会派の映画になっていくんですね。

NYに連れ去られたオクジャを救い出そうとする攻撃的な動物愛護団体まで登場して。

あれれれれ。

しかも、「グエムル」と同じく、あちこちに笑いのネタが仕込んであるようなのだけど、イマイチ笑えないのはなんでだろう。

最後はもう、ナチスの収容所もかくやと思われるカバ(じゃなくて新種の豚)の収容所なんかも出てきて、その中で両親カバ(じゃなくて新種の豚)がせめて子どもだけでも助けようとしていたりするのが、あまりに人間的で、こんなのありかいな、と思いました。

でも、カバ(じゃなくて新種の豚)のオクジャとミジャはよかった。ミジャがかわいい。

山のてっぺんの小さな家もよかったし、自然もいい。

おじいさんと二人きりの生活ものんびりと平和そうでいい。

でも、ミジャは、オクジャをお金で売り渡したおじいさんを許せるんだろうか、など思いましたが、

たぶん、普段はとてもいいおじいさんなんだろうね。ただとても貧しいので、お金が欲しかったんだろうねえ。

ミジャを学校に行かせたかっただろうし。

でも、ミジャはとても賢い子で、独学で英語を学んで話したりするのですよ。すごい子です。

まあ、いずれにしろ、オクジャは助かるので、おわりよければすべてよし。

だけど、収容所のカバ(じゃなくて新種の豚)たちはあのまま殺されて、食肉に加工されるわけで、それでいいのか、とも思いました。

エンドロールの後に、動物愛護団体がミランドに再攻撃をしかけるシーンがちょこっとありましたが。

これ見るとしばらく肉が食べられなくなりそうです。

ご注意を。

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龍の谷へいったさやか

2020-02-25 11:44:21 | 映画

先日来お伝えしているように、電子書籍アマゾンキンドルからまた一冊出しました。

「龍の谷へいったさやか」

https://www.amazon.co.jp/dp/B0852HDQ9T/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&keywords=%E9%BE%8D%E3%81%AE%E8%B0%B7%E3%81%B8%E3%81%84%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%81%95%E3%82%84%E3%81%8B&qid=1582504705&s=digital-text&sr=1-1

これも30年ほど前に書いたもので、今回少しだけ修正を加えました。

なつかしい作品です。

龍の谷に住む龍の三郎は、その朝初めての飛行で人間の住む里に下りていく。

人間の里では、桃の花の祭りがおこなわれており、稚児行列が村を練り歩いていた。

その稚児行列のなかに、さやかというお転婆の少女がいて、桃畑に降りてきた龍の三郎を見つける。

そこから、

龍の三郎とさやかの数十年にわたる悲恋の物語が始まる・・

 

出版社でボツを言い渡されたとき、一応は納得したけれど、後になってみると何をどう納得したのか、よく思い出せないのでした。

そういうのがけっこう多い。

なので、ボツ原稿の山ができるわけです。

まあ、本当に素晴らしい作品ならそもそもボツにはならないわけで。

(「ハリー・ポッター」など、出版社でボツだったけどヒットした作品は確かにあるけど、やっぱり例外です)

でも、捨てる前に誰かに読んでほしいなあと思ってキンドル化したわけです。

値段も300円と安いし、近々無料キャンペーンもする予定でいます(その時はお知らせします)。

よかったら、ぜひ購入を検討、あるいは読み放題で読んでみてくださいまし。

これまでにキンドル化した作品は三つあります。

「木蓮幻想」 https://www.amazon.co.jp/%E6%9C%A8%E8%93%AE%E5%B9%BB%E6%83%B3-%E3%82%86%E3%81%86%E3%81%8D%E3%81%88%E3%81%BF%E3%82%BB%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%EF%BC%91-%E3%82%86%E3%81%86%E3%81%8D%E3%81%88%E3%81%BF-ebook/dp/B0844LR999/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&keywords=%E6%9C%A8%E8%93%AE%E5%B9%BB%E6%83%B3&qid=1582598249&s=digital-text&sr=1-1

「蜜柑島周遊記:十の短いお話」
https://www.amazon.co.jp/%E8%9C%9C%E6%9F%91%E5%B3%B6%E5%91%A8%E9%81%8A%E8%A8%98-%E5%8D%81%E3%81%AE%E7%9F%AD%E3%81%84%E3%81%8A%E8%A9%B1-%E3%82%86%E3%81%86%E3%81%8D%E3%81%88%E3%81%BF-ebook/dp/B084NYGN61/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&keywords=%E8%9C%9C%E6%9F%91%E5%B3%B6%E5%91%A8%E9%81%8A%E8%A8%98&qid=1582598170&s=digital-text&sr=1-1

そして、今回の

「龍の谷へいったさやか」

以後も続々と出版する予定でおります。

よろしくお願いします。

(猫は出てこないにゃ)

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グエムル・漢江の怪物

2020-02-23 11:18:57 | 映画

韓国のポン・ジュノ監督作品「半地下の家族」がアカデミー賞を受賞しましたね。まだ劇場公開中ですが、とりあえずポン・ジュノ監督作品を見てみようと思い、

「グエムル・漢江の怪物」(ポン・ジュノ監督 2006年 韓国)

を見てみました。

いやあ、カルチャーショックを受けております。

友人たちが軒並み韓国映画にハマった時期があって、絶対面白いから見てみて、というので、歴史ものをいくつか見たのですが、

私の好みじゃなく、なんでこれが面白いんだろう、と思ったのを覚えています。

でも、この映画は強烈なインパクトがあった。

そうか、文化の違いというのはかくもすさまじいものなのか、と実感しています。

何が違うって、ストーリーの温度が違うのですね。非常に熱い。

日本の「ゴジラ」や「シン・ゴジラ」は、確かに恐ろしい怪獣映画ではあるけれど、

通奏低音のように流れているのは、日本的な諦観というか、

静けさのようなものです。

だって、ゴジラは神なのだから。

人間が太刀打ちできない世界の生き物である、という認識が根底にある。

日本の自衛隊もゴジラに立ち向かうけれど、とうてい太刀打ちできない圧倒的な存在感を見せつける、それが「ゴジラ」です。

でも、今回見た「グエムル」という怪物にはそれが全くない。

そもそもグエムルはアメリカによって(一見事故のようではあるけれど)作られた怪物で、非常に醜いモンスターです。

それ以外の何物でもない。

アメリカによって、というところが重要。

冒頭に、アメリカ人がホルムアルデヒドの瓶の中身を下水に流すよう部下に指示するシーンがあります。それが漢江に流れて怪物を生み出した、ということを示唆しています。

どちらかというと、ハリウッド版「ゴジラ」に近い。ただのモンスター。

でも、ストーリーは非常に熱い。

怪物にさらわれた娘を助けるために、父親とそのきょうだい、祖父が一丸となって怪物に戦いを挑み、娘を助けようとする話です。

とにかく主人公たちが熱い。

泣きわめき、騒ぎ立て、武器を持ち、どこまでも執念深く怪物を追い続ける。

家族愛の物語です。

しかもコメディタッチ。

そこここに笑いがちりばめられているようなのだけど、笑いのツボが違うので残念ながらあまり笑えないのですが。

怪獣が意味するものは、わりとわかりやすい。

社会に立ちはだかる様々な障壁、あるいは経済格差のようなもの、様々な理不尽さがモンスターとなって姿を現した、そういう意味合いが読み取れます。

だからこそ、主人公たちは家族一丸となってどこまでも怪物を追い続けるんですね。

この家族愛の鬱陶しいほどの熱さは、今の日本には欠けている気がします。

たとえば、ジャンルは全く違いますが、

「舟を編む」という日本映画。

あるいは、小津安二郎の映画なんかもそうだけど、

会話のテンポとか空気感とか、すべてがまるで別世界の話のようです。

時間が止まったような静かな風景。

その中で人間たちの姿が描かれるのだけど、

日本独特のこの空気感、私はけっこう苦手です。好きじゃない。

ともかく、

「グエムル」のような映画を見ると、日本というのは静かに死にゆく国なのかもしれないなあ、という諦念に襲われそうになります。

「翔んで埼玉」でムシロ旗(実際はただのノボリですが)立てて都庁に攻め込んだ民衆の勢いはもはやなく、皆あきらめて粛々と殺されていく民族なのかもしれないなあ、

というようなことを感じます。

だからこそ日本はユニークで、世界の人達が日本人に興味を持つんでしょうけど。

これを見ると、「半地下の家族」もなんとなく想像できます。

好きかといわれると、たぶん好きじゃないと思う。

でも、そこにあるのは、長年虐げられてきた民族の忍耐や我慢や不屈の精神、民族の誇りなどで、凝縮された濃い感情です。

日本人が失くして久しいものがそこにある、そんな気がしました。

ロジカルなものではなく(だからロジカルに伝えることは難しく)

民族の中に脈々と伝えられてきた濃ゆい感情のようなもの・・

韓国の人たちにとって大事なのは、この「感情」なのではないか、

という風にも読み取れる気がしました。

そういう意味でも、非常に興味深い映画でした。

ちょっと意味不明なシーンや繋がらないシーン、なんでこうなるの、といったところもあるけど、そういう部分も含めて、なんかとても熱くて面白いなあと思いました。

ぜひ日本の「ゴジラ」「シン・ゴジラ」、ハリウッド版「ゴジラ」と「グエムル」を比べてみてください。

きっと新たな発見があると思います。

ハリウッドやBBCばかりじゃなく、世界のいろんな国の映画も見てみようと思いました。

 

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にゃんにゃんにゃん

2020-02-22 18:07:54 | 日記

今日は猫の日にゃん。

にゃんにゃんにゃん。

以上。

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ロック&キー

2020-02-21 14:53:35 | 映画

Netflixで配信中のドラマ「ロック&キー」が面白かったので紹介します。

これ、ジョー・ヒルのグラフィック・ノベル・・

(マンガ本みたいだけど、日本の漫画とは少し違うらしい。日本の漫画本はグラフィック・ノベルの1ジャンルなのだとか・・ようわからんが)

・・が原作のダークファンタジー。

ジョー・ヒルといえば、スティーヴン・キングの息子。

最後の方にちょこっと出演するのだけど、父そっくりで「あれ、スティーヴン・キングも出てるの?」と思った。

さすがキングの息子だけあって、アイデアといいストーリーといい、面白い。もう親子で稼ぎまくってますねえ。

私も今回初めてジョー・ヒルの存在を知ったのですが、ホラー小説なども書いているようです。

さて、「ロック&キー」ですが、

父を亡くした子どもたち3人とその母親が、父の実家であるキーハウスに引っ越してくるところから始まります。

父は高校の先生をしていたけど、教え子に殺されてしまったのです。

なぜ彼は教え子に殺されなくてはいけなかったのか・・それを突き止めたい、と母は考え、生前彼が近づこうとしなかったこのキーハウスに引っ越してきたのです。

このキーハウス、まるでホラー映画の舞台。

大きくて薄暗くて魔物が潜んでいそうな古いお屋敷です。

この古い屋敷で次から次へと不思議なことが起こります。

ささやくような声がするので近づいてみると、そこにはキーが隠されている。

キーハウスと呼ばれるだけあって、屋敷にはそこかしこにキーが隠されており、そのキーはどれも不思議な力を持っています。

ドラえもんのどこでもドアのように好きな場所に移動できるキー、

鏡の中に囚われてしまうミラーキー、

ヘッドキーというのは頭の中に入って記憶を可視化できるキー、

また幽体離脱できるキーや他人に成り代わることのできるキーなど、

変幻自在な魔法が登場します。

そして、お約束の邪悪な存在、ドッジという井戸の底から出てきた不気味な女性。

(この女性の正体も後半で明らかになるのですが・・)

ロック家の3人の子どもたち、高校生のタイラー、キンジー、そして末っ子のボードと、彼らの友人たちがこの邪悪な存在と対決します。

末っ子のボードが実にかわいいの。

中心になるのは兄と姉の2人だけど、ボードもけっこう重要な役割を担います。

後半に登場するルーファスという知的障害のある子とボードの友情がいい。いっそこの2人が主人公だったほうがよかったんじゃないの、と思った。

それくらいボード君がいい。

「ストレンジャー・シングス」も主人公が子どもたちがだった時代の方が魅力的でした。

ここでも、タイラーやキンジ―たち高校生の恋の駆け引きより、ボードとルーファスの二人組のストーリーの方がはるかに魅力的だと思うのは私だけ?

「グーニーズ」や「スタンド・バイ・ミー」も大人以前の少年たちだからこその輝きがある。「ストレンジャー・シングス」もそう。

高校生になると半分大人だからね。駆け引きだの取り引きだの打算だのが入ってくる。

その点、ボードとルーファスにはそれがない。

だからこそ、邪悪なドッジと対決する力も持っているのではないかと思うのですが。

シーズン1の最後は、このドッジを黒い扉の向こうに追いやって、めでたしめでたし、となるのですが、実はまだドッジは健在で、シーズン2はさらに混沌としたカオスを呈してきそうで、ますます楽しみです。

映像がきれいです。

ティーン向けに作られているので、ストーリーもわかりやすく、次はどうなるの? とハラハラドキドキ。気になって次々見てしまうドラマです。

「ハリー・ポッター」などファンタジーものが好きな人にはお勧めです。

ああ、シーズン2が待ち遠しい。

(猫は出てこにゃいの?)

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