「グエムル」に続いて見たのが、
「オクジャ」(ポン・ジュノ監督作品 2017年 韓国アメリカ合作)
ポン・ジュノ監督がブラッド・ピットの映画製作会社プランBとタッグを組んで制作したNetflixオリジナル映画だそうです。
韓国の山奥の村でおじいさんと二人で暮らしている少女ミジャにはオクジャという親友がいました。
このオクジャ、実はアメリカの大企業ミランド社が遺伝子操作によって(世界の食糧危機を救うのだとかいって)作りだした新種の豚・・というかどう見てもカバ。
このカバ(じゃなくて新種の豚)を世界各地で飼育させ、どの豚が一番大きくて味が良いかをコンペにかけるという。
その大企業のCEOがティルダ・スウィントン、
そして、超クレイジーな社員をジェイク・ギレンホールが演じています。
ミジャは実に利発でかわいらしい少女で、オクジャも(CGだけど)リアルで頭がよくて、本当にこんなカバ(じゃなくて新種の豚)がいたら面白いだろうなあと思った。
でも、途中から話は少女とカバ(じゃなくて新種の豚)の友情物語から、いつのまにか、アメリカの資本主義を批判する社会派の映画になっていくんですね。
NYに連れ去られたオクジャを救い出そうとする攻撃的な動物愛護団体まで登場して。
あれれれれ。
しかも、「グエムル」と同じく、あちこちに笑いのネタが仕込んであるようなのだけど、イマイチ笑えないのはなんでだろう。
最後はもう、ナチスの収容所もかくやと思われるカバ(じゃなくて新種の豚)の収容所なんかも出てきて、その中で両親カバ(じゃなくて新種の豚)がせめて子どもだけでも助けようとしていたりするのが、あまりに人間的で、こんなのありかいな、と思いました。
でも、カバ(じゃなくて新種の豚)のオクジャとミジャはよかった。ミジャがかわいい。
山のてっぺんの小さな家もよかったし、自然もいい。
おじいさんと二人きりの生活ものんびりと平和そうでいい。
でも、ミジャは、オクジャをお金で売り渡したおじいさんを許せるんだろうか、など思いましたが、
たぶん、普段はとてもいいおじいさんなんだろうね。ただとても貧しいので、お金が欲しかったんだろうねえ。
ミジャを学校に行かせたかっただろうし。
でも、ミジャはとても賢い子で、独学で英語を学んで話したりするのですよ。すごい子です。
まあ、いずれにしろ、オクジャは助かるので、おわりよければすべてよし。
だけど、収容所のカバ(じゃなくて新種の豚)たちはあのまま殺されて、食肉に加工されるわけで、それでいいのか、とも思いました。
エンドロールの後に、動物愛護団体がミランドに再攻撃をしかけるシーンがちょこっとありましたが。
これ見るとしばらく肉が食べられなくなりそうです。