ないない島通信

「ポケットに愛と映画を!」改め。

「君たちはどう生きるか」アニメ

2023-07-29 09:30:16 | 映画

昨日見てきました。宮崎駿監督のジブリ最新作、

「君たちはどう生きるか」

えーと、これねえ、何ていうかあ・・

退屈だった。

途中で寝落ちしそうになった。

最初はとてもいいんです。

第二次大戦中の日本、母を失くした少年が軍需工場を営む父と田舎で暮らすことになる。

そこには、少年の新しいお母さんがいて・・

これ以上書くとネタばれになるのでやめますが、

そこから先こそが宮崎駿が描きたかった世界なのでしょう。

少年は突然異世界に入っていき、ファンタジーの世界が広がります。

「不思議の国のアリス」がうさぎ穴に落ちるみたいに。

物語の混乱具合も「不思議の国のアリス」にそっくり。

あと、宮崎駿が強く影響を受けたという「王と鳥」も彷彿とさせます。

「王と鳥」はポール・グリモー監督による1980年のフランスのアニメです。1952年制作の「やぶにらみの暴君」を改作したそうです。「やぶにらみの暴君」は子どもの頃映画館で観て強い印象を受けたのを覚えています。

鳥がたくさん出てくるのは、まさに「王と鳥」でしょう。

「気をつけたまえ、この国は、罠だらけだ」

という「王と鳥」の中の台詞も登場します。

そして、アオサギは手塚治虫でしょう。

つまり、この映画は、宮崎駿の自伝的要素も兼ね備えた集大成ともいうべき映画で、これまでの宮崎作品のいろんなシーンを彷彿とさせるシーンがモザイクのようにちりばめられていて、ジブリファンには楽しいかもしれない。

でも、宮崎駿の独善性もまた顕著になった映画だといえるでしょう。

若い人たちに伝えたいことがあるなら、もっとわかりやすく伝えてほしい、

と私は思います。

こんなにごちゃごちゃにして詰め込まなくても、伝えられるだろうにと。

いくら美味しいチョコレートの詰め合わせでも、溶けてドロドロになったものでは、美味しさはちゃんと伝わらない。

もしかすると彼自身、自分のメッセージが何なのか、どう伝えればよいのか、わからないのかもしれない。

そうも受け取れます。

とにかくわかりにくい。

でも、それぞれのシーンは美しい。さすがジブリです。

1940年代の日本も実によく描かれている。

背景にあるのはやはり、戦争です。

でも安易に戦争はいけない、などと言ってはいない。

少年のトラウマの向こうに戦争が透けて見える、

というのは「パンズラビリンス」(ギレルモ・デル・トロ監督)の世界観にも似ていますが、

「パンズラビリンス」はもっとわかりやすかったなあ。

ともあれ、エンターテイメントとして見るとがっかりするので、覚悟して見た方がいいかも。

でも、覚悟して見なきゃいけないような映画は、私は好きじゃありません。

やっぱり映画は楽しくなくちゃね!

 

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池のカイツブリファミリーは健在です。

2023-07-28 10:09:01 | 散歩

今朝も7時過ぎに公園へ。

カイツブリファミリーは健在でした。よかった。

父ちゃん(たぶん)が2羽、母ちゃん(たぶん)が3羽を担当して、少し離れた場所でヒナたちに朝食をあげていました。

カモのヒナはやっぱり2羽。こちらも健在。

池の周囲ではセミたちがにぎやかに合唱し、カラスがガアガア鳴きたて、カイツブリのヒナがチチチとご飯をねだり・・

今朝はカワセミもやってきて、青い翼を翻してあっという間に飛び去り・・

いつもの平和な池の光景でした。

今日も暑くなるみたい。

ああ、この猛暑いつまで続くんだろうか・・

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遠い空の向こうに

2023-07-27 08:36:38 | 映画

昨日は「スター・ウォーズ」じゃなくて、アマプラでこれを見ました。

「遠い空の向こうに」(ジョー・ジョンストン監督 1999年)

ロケットを自主制作して飛ばすロケット・ボーイたちの物語です。

NASAのエンジニアである、ホーマー・ヒッカムの自伝を基に作られた映画だそうです。

1999年とちょっと古い映画ですが(前に一度見た気がする・・)、

今回改めて、この映画は「宇宙兄弟」に登場するヴィンスやピコたちの元ネタなんじゃないかと思いました。

アメリカのウェスト・バージニア州にある炭鉱の町が舞台。

1957年、ソ連がスプートニクを打ち上げたとき、炭鉱で働く父を持つ高校生のホーマーは夜空を横切るスプートニクに魅了され、

「ぼくはロケットを作る」

と宣言します。

そして、仲間たち3人と共に、失敗を重ね、町の人たちに迷惑をかけ、クラスメイトたちにからかわれと苦労しながらも、決してロケット制作をあきらめず、ついに、

インディアナポリスで開催された科学コンテストに出場して、優勝するというストーリー。

彼らは奨学金を得て大学に進学し、ホーマーはやがてNASAのエンジニアになります。

まるで「宇宙兄弟」のヒビトみたいに、ホーマーの心の中には「絶対」がある。何があっても曲げることのない信念がある。

炭鉱の閉山間近な田舎町で、少年は宇宙を夢見ます。

自分はこんな田舎町で一生を終えたくない。

僕は宇宙に行くんだ。

彼の中心には常にそれがあり、

また担任ライリー先生(ローラ・ダーン)がいつも彼らを支えてくれます。

少年時代の夢を真摯に追いかける人たちはやがて成功する、という王道のアメリカンドリームの物語でもあります。

何より、ロケットみたいにまっすぐなホーマーの眼差しがいい。

ホーマーを演じたジェイク・ギレンホールがとてもいい。

ジェイク・ギレンホールは「ブロークバック・マウンテン」で知りました。癖のある役柄もたくさん演じていますが、この映画のギレンホールはまだ若く素朴で純粋でまっすぐな高校生を演じています。

彼を支える友人たちもいい。中でも理系で優秀なクェンティンが、実はひどく貧しい暮らしをしていたことがわかるシーンなど、当時の田舎町の貧しさも描かれています。

お前も炭鉱夫になれという父との間に立ってホーマーを支えてくれる母、担任のライリー先生、秘かに助けてくれる炭鉱の大人たち、最初はバカにして笑っていたけどロケットが成功すると皆でロケット見物に押し寄せる町の人達・・

いろんな人たちが彼らを支えてくれます。

本当にいろんな人たちが宇宙を夢見て、様々な困難に打ち勝って、

現在の宇宙開発や惑星探査、ロケット技術等々が実現したのだなあと胸が熱くなります。

安心して見ることのできる青春物語、そして宇宙を夢みる人たちの物語です。

 

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池のカイツブリも今日は・・

2023-07-26 14:51:53 | 散歩

こう暑いともうダメですね。

簡単な計算を間違え、電話をかける相手を間違え、日にちを間違え・・

という状態ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?

今朝は7時半頃公園に行ったのですが、すでに暑くてね。

池のカイツブリ、親鳥1羽と3羽のヒナを確認しただけでした。

父ちゃんと2羽のヒナはどうした?

カモのヒナたちも今朝は不在。どうした?

なんだか閑散とした池の風景でした。

暑いのであまり長居せずに帰ってきました。

今日は38℃くらいあります。

エアコンつけてる室内でも暑い。

やるべきことたくさんあるのに、これじゃあ動けない。

「君たちはどう生きるか」を見に行こうと思ってたのだけど、駅までたどりつかないかもしれない・・

観てきた息子の話では、ネタバレなしで観たほうがいいというので、早く行こうと思っているのですが・・

仕方ない。家でガリガリ君でもかじりながら、「はやぶさ」とか「星空探索」とか「スター・ウォーズ」とか見て過ごすことにします。

この猛暑侮るべからず。

どうか皆さんも十分お気を付けておすごしください。

 

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「この夏の星を見る」辻村深月著

2023-07-24 09:13:50 | 

本屋の店頭でこの本を見つけて、思わず衝動買いしました。

星に関する小説みたいだし、表紙カバーの絵が素敵だったので。

「この夏の星を見る」辻村深月著 (角川書店)

この作家の名前は知っていたのですが、読むのは初めて。

調べてみたらメフィスト賞から吉川英治新人文学賞、直木賞、本屋大賞と賞を総なめしている今をときめく作家のようです。まだ40代ととても若い。

いやあ、面白かった!

大満足の一冊です。

コロナ禍の中高生たちの鬱屈した思いと、星空というぶっ飛んだ世界を結びつける、その発想自体がすばらしい。

幾つかの高校と中学校が登場し、登場人物の数も多いので、メモを取りながら読みました。

まず登場するのが、茨城県立砂浦第三高校の天文部の生徒たち。

溪本亜紗(あさ・高2)、飯塚凛久(りく・高2)、天文部部長の晴菜先輩(高3)、天文部顧問の綿引先生。この先生が実にユニークでね。

彼らは天体望遠鏡を手作りしています。

ネットで調べたら、実際に茨城県の高校生たちが天体望遠鏡を手作りしているサイトが出てきてびっくり。かなり綿密に取材して作られた小説のようです。

次に登場するのが、東京の渋谷区立ひばり森中学、理科部。

安藤真宙(まひろ・男子)そして中井天音(あまね・女子)共に中2。

それから、長崎県五島列島にある泉水高校の生徒たち。

佐々野円華(まどか・女子)、円華のクラスメートの武藤と小山(男子)。そして、以前クラスメートだったけれど東京に転校していった輿(こし・男子)いずれも高2。それから、五島の天文台館長の才津・・

等々が中心人物ですが、他にもいっぱい登場人物がいるので、頭の中を整理しながら読まないとごちゃごちゃになりそうです。

それぞれの章ごとに、砂浦三高とかひばり森中学とか泉水高校とかの物語が展開していきます。

でも、物語自体はとてもシンプル。

コロナ禍で部活や学校行事もままならない中、砂浦三高の天文部の生徒たちが、手作り望遠鏡を通して、遠く離れた中学や高校の天文部、理科部の生徒たちとオンラインで交流し、やがてその輪が広がっていき、

夏休みには、オンラインでスターキャッチコンテストというコンテストを開催するに至る、

というストーリーです。

この間、コロナや部活でいろいろ揉めたり、ちょっとした恋話もあったりして、

大変な時代だけれど、みんなそれぞれの青春を謳歌する、という直球ど真ん中の青春物語です。

星や宇宙に関する話題も豊富で、宇宙初心者にも親切に説明してくれています。

私はこの本で、空気望遠鏡、ナスミス式望遠鏡、という名前を初めて知りました。

そして、何より普通の中高校生たちの普通の生活を描いており、共感する中高校生が多いんじゃないかと思います。

私も昔、都立高校に勤めていたことがあるので、高校生たちってこうよね、というのがいっぱいあって、本当に懐かしく思い出しました。

私自身の高校時代は残念ながらこんなに青春してなかったなあ。毎日勉強に追われていたし勉強についていくだけで大変な学校だったので。でも、結局大学進学はあきらめざるをえない事態になり、だったらもっと遊べばよかったと思ったのでした。

なので、高校生というと勤めていた高校の生徒たちを思い出すのです。いろんな子たちがいたなあと。

この本は現代を生きる中高校生たち、及びちょっと前に中高校生だった大人たちに、

夢を純粋に追いかけていたあの頃のことや、生きる希望とあきらめない気持ちを再び思い出させてくれて、励ましてくれるそんな本です。

宇宙関連本の中のお気に入りの一冊になりそう。

ただし、ちょっとだけ苦言を呈すると、

説明が多すぎる。少々くどい。特に前半はこの半分の量で物語が展開できるはず。飛ばし読み可能です。

一方、望遠鏡の説明はイマイチわかりにくい。ここは図など挿入してほしかった。

それでも、読み進めるのに十分な推進力&魅力を持っています。

あと、最後の方でISSが登場するのですが、日本実験棟の名前が「かなた」になっている。

「かなた」ってなんじゃい?? 

「きぼう」って書けなかったのだろうか。それなら「毛利衛宇宙飛行士」や「JAXA」や「ISS」だって別表記にすべきなんじゃないの、と思いました。何か理由があるんだろうか?

ともあれ、いい小説なので、若い人に特にお勧めします。

これ、映画化されて宇宙や星に興味を持つ若い人が増えるといいなと思いました。

 

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