このたび、友人の更波月が新しい本を出版しましたので紹介します。
「池堂刑事の事件簿・穴ニ落チタ兎」(更波月作 明眸社刊)
彼女はすでに3冊の本を自費出版しています。
eikoのペンネームで、
「僕たちの不思議な物語」
「見上げれば空はブルー」
更波月のペンネームで、
「山鳥は鳴く」
(3冊共Amazonで買えます)
今回、4冊目の出版となります。👏
出すたびに上手くなっていて、これはもうプロの作品といっていいでしょう。
ストーリー展開といい登場人物の造形といい、面白くて読み始めたらハマること間違いなし。
ストーリーテリングの才能というのは生まれ持ったもののようで、それがいつ開花するかは人によります。
彼女は70歳を過ぎてから開花したようです。
これらの本を出版する前に、「ゆうきの会」という児童文学サークルに所属して短編をたくさん書いています。
「ゆうきの会」は八王子市の市民講座をきっかけに作られた児童文学サークルで、私が講師を勤めて10年以上続きましたが、残念ながら5年ほど前に解散となりました。
この小さなサークルから一人の作家が生まれたことは、大変喜ばしく、また誇らしい出来事です。彼女の本の出版に関わることができたのは、とても幸運なことだと思っています。
今回出版した「穴ニ落チタ兎」はミステリー。
舞台は昭和40年代の東京。私たち団塊の世代にとっては青春まっただなかの時代で、大変懐かしい時代でもあります。その時代を背景に、殺人事件を追う刑事の物語です。
この池堂刑事、生まれてすぐに両親が亡くなり、伯父夫婦に育てられますが、逆境にもめげずまっとうに生きようとする様が実に清々しい。
さらりとした筆致ながら話の展開が上手く、特に主人公の池堂刑事の人物造形が魅力的です。
たいへん読みやすく、いつのまにかストーリーに引き込まれています。この手腕は見事です。
更波月としての第1作目「山鳥は鳴く」では明治初期の巡査、赤瀬川蒼馬が登場しますが、この人物もとても魅力的です。脇を固める人々もまた魅力的で、事件及びその解決も見事です。
合わせてお読みいただければと思います。
団塊の世代(昭和22年~24年生まれ)の方たちにぜひ読んでいただきたいと思います。
私たち団塊の世代も、まだまだ元気で活躍しているぞ、まっとうに世の中に貢献しているぞ、とアピールしたい。
何かと物議をかもしてきた世代ですが、最後までその底力を発揮しようじゃないか、心残りのないようにしっかり生き抜こうじゃないか、という同世代への呼びかけであり、今回この本を紹介したもう一つの目論みでもあります。
何より、ミステリーとして骨太で完成度が高いので、ぜひお読みいただければと思います。
更波月氏は現在続編を執筆中です。